管理職体験談:前例のない「暴力事件」。そのとき私はーー。
[最終更新日]2022/12/15
私は公共施設の管理を行う財団に属しており、その中の「地域のイベント・伝統文化」を紹介する観光施設に勤めています。
私の肩書きは「副館長」となります。
ポルコさん(男性 46歳)
- 職業
- 団体職員
- 職種
- 施設管理
- 年収
- 450万円
- 従業員規模
- 45人
- 地域
- 新潟県
Index
目次
管理職としての私の仕事。
副館長とはいってもほとんど名誉館長のようなもので、施設管理から事務処理・施設修繕など、ほとんどすべての業務に携わっています。
私はどちらかというとマイペースで、小さなことは気にしない性格です。
趣味は仕事後の運動。年に数回ソフトボールの試合にも出ます。
妻と中学生の息子、小学生の娘の4人家族です。
職場内で起きたある「暴力事件」。
昨年、他の施設の職員が木刀のようなもので他の職員をはたくという、暴力事件を起こしました。
上司から部下に振るわれたその事件は、上司としては「軽い冗談」らしかったのですが、その軽い冗談が日常化していたようです。
被害を受けていた職員が内部告発するかたちで、事件が明るみに出ました。
公共施設は地域にいくつもあり、なかなかすべての部署に目が行き届いていなかったこともあり、発覚が遅れてしまったのです。
刑事告訴も検討されましたが、最終的には暴力をしていた職員の半年間の停職処分というかたちで事件は終息しました。
当然、私にとっても予想外の出来事で、幹部職員一同ショックを受けた事件でした。
半年後、問題の職員が復帰して。
暴力事件を起こしての停職処分。
私でしたら職場にいづらくなって辞めてしまうと思うのですが、なんとその職員は半年後、職場に復帰したのです。
財団側としても契約を無視して復帰を拒否することはできませんので、受け容れるしかなかったわけです。
問題の職員と他の職員を、どのように仕事をさせるか、財団内で問題視されました。
- 職員
-
「あんな人(事件の当事者)と一緒に働けるわけないじゃないですか」
職員の意見は概ねそのようなものでした。
結果的に問題の職員には、元の部署ではなく「無所属の職員」として、総務部の配置になりました。
総務部といっても、その職員が行うのはほとんど雑用と言っていい業務です。
施設内の清掃や草刈り、樹木の剪定などの業務を主に行ってもらいました。
今後の対応については、目下検討中です。
今回の事件は私のいる施設で起こったことではありませんでしたが、私の部下にも大きな衝撃を与えた出来事でした。
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管理職として、問題の職員と向き合わなければいけなくなって。
暴力事件は過去に類を見ない出来事でしたので、財団共々、対応には苦労しました。
幹部職員総出の会議では、ほとんどが「自主退職を促したい」という意見でしたが、当の本人にその気が全くなかったので、対応が後手後手に回ってしまった印象です。
被害に遭った職員とはもちろん引き離して勤務してもらう必要があったため、私たちの職場も無関係ではいられなくなってしまいました。
私を含め複数の幹部職員が、問題の社員の勤務内容をチェックすることになったのです。
正直に言うと、私は「関わりたくない」という気持ちでした。
ただ、副館長である私がチェックを怠ってしまうと、再び問題が起きてしまう可能性もあります。
施設の評判が下がってしまうことは何としても避けたいところです。
今は何事もなく落ち着いた状況が続いてはいますが、内心は「また何か起こさないか」と不安ですし、今の対応が果たして正しいのかも疑問です。
今後、私が目指したいこと。
業務上で起こる仕事のミスや事故は、いくらでもカバーできます。
しかしこうした暴力事件となると話は別で、正直私にはどうすることが正しいのか今も分からずにいます。
過去にもこのような事件は無かったため、施設全体として「これでいいのか」と思いながら対応をしていった印象です。
管理職としての理想の姿は、やはり「何が起きてもしっかり対応できる」ものでありたいのですが、今回の件ではそれはできませんでした。
今後は、こんな事件が二度と起こらないよう、そもそもこんな事件が起きないような環境づくりに努めていく必要がありそうです。
施設内には正社員、臨時職員、パート職員と、様々な肩書きの職員がいるので、それゆえに起こる問題もあるかと思います。
管理職として何ができるか、今回の件を教訓に考えていきたいです。
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