私の管理職体験談:課長職の私の最初の仕事は、新人社員の「お片付け」の手伝い。

[最終更新日]2023/03/11

体験談
15
管理職体験談:課長職の私の最初の仕事は、新人社員の「お片付け」の手伝い。

「そろそろ結婚しないと…」もだんだん諦めつつある、アラフォー女子です。
去年の暮れ、課長職として任命されました。

新卒として今の職場(地方銀行)に入社して、早15年。そりゃあ、仕事にも慣れました。

若いころはとにかく仕事が大変で、夜のお酒でストレス発散していました。
30歳を超えてからは仕事の慣れとともにストレスは減っていって。でも、それ以外のストレスも出てくるんですよね。そして、年齢を重ねるとともにお酒の量も増えていって…。

ココさん(女性 30歳)
職業
金融業
職種
営業職
年収
約600万円
従業員規模
500名(うち部下4人)
地域
愛媛県

Index

目次

みんなを統率するようなリーダーよりは、陰で支える「縁の下の力持ち」タイプの私

陰で支える「縁の下の力持ち」タイプの私

地方銀行の営業職の仕事は、地域の企業に対し融資を行ったり、不動産と提携したり、個人のお客様に対しては資産形成や相続対策の提案を行ったり、様々です。私はこれまで、主に企業様向けの営業をおこなってきました。

当行とまだ取引のない企業様に開設をしてもらうよう、他の地域銀行よりも低い金利を提案したりとあの手この手で交渉していきます。

最近は後輩も増えてきましたが、私はあまり人の上に立つタイプではなくリーダーを陰で支えるような、いわば「縁の下の力持ち」タイプが性に合っていると思います。

それと、何か新しい企画を考えたりアイディアを出すことが好きですね。

課長職を任命された第一印象「マジか…。最悪だ」

マジか…。最悪だ

1年前、「課長職に就くように」と上司に言われた時、率直に言って

「マジか・・・。最悪だ。」

が感想でした。

先にもお伝えしとおり、私は人の上に立ったり人に指導するのが得意な性格ではありません。…というか、嫌いです笑。

それに、仕事には慣れてきましたが、「自分の働きに自信を持てるか」というと、そういう訳でもなく…。私のあとに入社した子たちで、明らかに私よりも成果を上げる社員もいましたので、課長に任命されたこと自体驚きでしたし、後輩や部下に対して的確な指導ができるか、不安でいっぱいでした。

片付けのできない新人Aくん

書類の山

管理職をやってみて思ったのは、「なんだかんだ、回るものだな」という感想でした。

私が指示を出さなくとも、部下たちは皆自分で考えて動いてくれます。もしかしたら、私が頼りないから「これまで以上に自分で行動しないと」と思っているのかもしれませんね笑。

だから、私は部下たちに対して必要以上な干渉をしないようにしました。その方が彼らも自由に動けると思ったんですよね。代わりにやったことは、「観察」すること。
あまり干渉しないと言っても、無関心になるのはやっぱり違うな、と。それに、長年居ついた職場です。社員に対しても、人並み以上の愛着がありましたから。

部下たちをよくよく見ていると、うまくやっているようでたまにちょっと抜けてるところとか、「あー、それやっちゃダメでしょ・・・」というような欠点も見えてくるんですよね。そうしたら、それを注意してあげる。ポイントは、誉め言葉と併せて優しく伝えることです。そうすると大抵は、言われた本人たちは素直に受け止めてくれる。そして、次からは言われたことを意識して行動してくれます。

あるとき、ようやく独り立ちした新人の部下(男性 ここでは「Aくん」とします)が、私の部下になったんですね。

で、このAくん、地頭は良さそうなんですが、とにかく、整理整頓がまったくできない笑。

もう、デスクの上がカオス状態なんです。
銀行員でそれはないでしょ?と思いつつ、でもその他の仕事はなかなかいい線を行っている。つまり、整理整頓だけダメなんです。

最初のうちは「デスクまた散らかってるよ?」と優しく伝えていましたが、一向に治らない。
大抵、部下の指導はスキル指導か業務内容の指導です。まさか、この歳になって、しかも大の大人に対して身の回りの整頓を指導するとは…、と思いつつ、あるときAくんにこんこんと整理整頓の大切さを伝えました。──べつに、たいしたことは言っていません。「身の回りを整えてから仕事に臨むことも大切な業務の一環です」だったとりとか、誰もが伝えるようなこと。

そして合わせて、Aくんと一緒に片づけもしたんですよね。心の中では、

(私は君のお母さんか!)

と突っ込みながら笑。片づけをしても大体1週間後にはまた散らかるので、「はい、じゃあまた片づけタイムにしよっか」と言って、若干引き気味のAくんの様子などお構いなしに「これは、この引き出しのこの位置でいいんだよね?」と訊きながら、一緒に片づけをしました。



でも、それから一ヶ月くらいしてAくんのデスク回りはあまり散らからなくなりました。
もしかしたら、私なんかに指導されてしかも何度も一緒に片づけされて、「恥ずかしい思いをした」と思っていたのかもしれません。

Aくんの仕事自体も以前よりミスが減り、パフォーマンスも一定に上がったように感じたので、まあ結果オーライで良しとしよう、と思いました。

<スポンサーリンク>



周りから見れば些細なこと、でも私にとっては大切なこと

大切なこと

管理職として、部下の整理整頓をここまで手取足取り指導することってどうなんだろう?──と、疑問に思ったこともありました。もしくは、もっと厳しく毅然とした態度で、注意すべきなのかもしれないとも考えたり。

指導方法はともかく、その時私が思っていたことは、「このままじゃいけない」ってことだったんですよね。
整理整頓は、正確な仕事をする土台を作るために必要なことです。そして、その考えが正しいことは、私自身のこれまでの仕事の経験でよく分かっていました。

仕事における行動で、何が正しくて、何が間違っているかについて、大抵のことはわかるものです。
ですが、そこにどれだけの重要性があることを確信を持って伝えられるかは、やはり経験があればこそなのでしょう。

そして、Aくんの整理整頓下手に対して「改善するまで指導すべきだ」と自分の中で判断して実行できたことは、──きっと周りから見たら「なんだそんなことで」と思われるかもしれませんが──私にとってはじめて「管理職らしい仕事ができた」と感じられた機会でもありました

この人なら相談しやすいし議論もしやすい、そんな管理職でありたい

この人なら相談しやすいし議論もしやすい、そんな管理職でありたい

未だに管理職というポジションに「苦手だな…」と思うことがあります。
うまく立ち回れなかったり、部下に対してきちんと指導できないこともあります。

でも、今は「頑張ってみよう」という気持ちになれています。…まあ、これも慣れなのかもしれませんね。



それと、「偉そうにしないこと」が、私の管理職としての目標です。

よくよく考えてみると、私が管理職として人並みにできることと言えば、「観察すること」と「話を聴くこと」なんですよね。

だから部下から間違っていることは間違っていると言ってもらえるような人物になりたいと思っています。どんな相手の話にも耳を傾けこの人なら安心して相談もできるし議論もできるという人物になりたいです。

<スポンサーリンク>