私の管理職体験談:カラオケ店 店長業務 「スタッフとの関わり合い」について

[最終更新日]2020/06/29

体験談
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カラオケ店 店長業務 「スタッフとの関わり合い」について

東京郊外の、カラオケ店の店舗責任(店長)をやっています。

入社してかれこれ4年経ちました。店長歴は1年半くらいですね。

カラオケ店は、店舗スタッフのほとんどがアルバイトスタッフで。正社員として入社した私は、その半年後に上司から「店舗責任者をやらないか」と誘われました。

でも、ずっと断り続けて笑。

なぜなら、お店の運営について知らないことばかりですし、第一、自分が店長になったら聞ける人がいなくなりますから。

なにかトラブルがあったとき、店長が「どう対応して良いかわからない」ようじゃ困りますからね。

ですが、3年も働いてたら、「これはもう、トラブルは出尽くしただろう」と笑。

色んな事がありました。

設備のモニターを割られたり、お客様同士のケンカがあったり、ひどい時は警察の人を呼んで来てもらったり…。お酒の飲みすぎで急性アルコール中毒になったお客様に救急車を手配したりといったこともありました。

入社して始めのうちは都心繁華街のカラオケ店に配属していたので、それはもう激しかったですね。
客層がなんというか、パリピというか、端的に言うと「チャラい人」が多くて。

ジョッキ割られることなんて日常茶飯事でしたし、大体1ヶ月に1回ぐらいは何かしらあるな、と。

今は郊外のカラオケ店に移ったので、大分平和になりました。
お客様も穏やかな方が多く、アルバイトスタッフと平和に、楽しく勤務しています。







ちよさん(女性 25歳)
職業
サービス業
職種
カラオケ店の店長(店長歴1年半)
年収
約300万円
従業員規模
会社全体で1,000人以上、勤務先の店舗15名程
地域
東京都

Index

目次

管理職(店長)としての、私の働き方

店長として責任を持った働き方とそれによって変わる店の状態

「カラオケ店の店長業務」の大変な点を端的に言うならば、「責任がつく」ということですね。

現場には自分より上のスタッフ、つまり上司はいませんから。どんなイレギュラーなことがあっても、店長が責任をもって判断して行動しないといけない。

それ以外は一般社員やアルバイトスタッフとあまり変わりません。
基本的にはお客様対応で、その他事務作業と、本部の上司への報告。

店長さんによっては、部下に教えてスタッフに店長業務の一部を任せている人もいます。

それでも、店長の働きによってお店の状態は大きく変わりますね。

例えば、各フロア・エリアの清掃チェック。それから飲食品の衛生管理や賞味期限の確認。行き届いていないところは注意するだけでなく今後改善・維持していけるように清掃の指示・指導を行います。

あとは、スタッフのシフト作成や、個々のメンタルケア。

シフトの組み方やスタッフの補充でも、お店の忙しさは大分変わります。私は、ゆとりをもってスタッフを採用・配置して余裕を持たせていますね。たまに、忙しい店舗にヘルプを送ったりしています。

「この人、接客対応本当にできるのかな?」というくらい、おとなしい男の子が入ってきて

当初は無表情で不愛想な男の子が、1年働くうちに…

この仕事をやっていて思うのは、本当に色んな人がいるな…ということです。

あるとき、高校生の男の子が面接にやってきました。 ぱっと見は小奇麗なイケメン風なのですが、もう、とにかく無表情で。

私は面接時にフレンドリーにふるまって応募者をリラックスするように心がけているのですが、何を話しても「はい」「そうです」「いいえ」くらいしか返ってこない。

(この青年は、いったい何を考えているんだろう…?)

なんだか面接官として対応している私の方が気疲れしてきたりして笑。

それで、とりあえず「お試し」で採用してみたんですね。

案の定、他のスタッフからも「おとなしい」「何考えているかよくわからない」といった感想を受けて。まあ、特に不利益に繋がることはなさそうだとそのまま様子を見ていました。

そのうち、他のスタッフも彼の無愛想な対応にも慣れてきたみたいで、あまり彼に対する感想やうわさも聴かなくなってきて。

それから1年経って、私は彼の笑顔をよく目にするようになったことに気付きました。
きっかけは、お客さんから彼の良い評判を立て続けに聞いたことです。

男性のお客さま

「非常に対応が良くて、気持ちよかったです」

女性のお客さま

「ジュースをソファと床こぼしてしまったのですが、笑顔で対応してくれて…。お詫びとお礼を伝えておいていただけますか」

よくよく観察し観ると、確かに、当初とは比べ物にならないくらいハキハキと話すようになっていました。

それだけではなく、お店の機材トラブルがあった際にも一人で直していたり、新しく入った他のスタッフに業務内容を丁寧に指導していたり──。

ここまで成長していたんだと、びっくりしました。

一方では、こんなスタッフも。社会人経験豊富な、礼儀正しい30代男性がスタッフに入って。

バイトリーダーにと期待して採用した男性が実は…

ちょうどその青年がアルバイトとして入った少し後に、30代半ばの社会人経験ありの男性がスタッフとして入ってきたんですね。

これまでいろんな職業を経験してきたということもあり、知識も豊富そうで、なにより礼儀正しい。

「なんでこんな経歴の人が、うちのカラオケ店のアルバイトに?」と最初に思いましたが、どうも生活習慣病を患っていて、体力的に正社員勤務は難しいだろうと。それでうちに応募したとのことでした。

受け答えもしっかりしていて、かつ人当りもよさそうでしたので、「この人だったらバイトリーダーとして、若い子たちの指導も任せられるだろう」と、即採用になりました。

ですが、これが大きな見当違いで。

うちのカラオケ店は都心部と比べるとそれほど忙しくないこともあって、平日の昼間はスタッフひとりでお店を回しています。30代男性の方にもそれをお願いしたところ、1日で

30代男性スタッフ

「すみません、忙しすぎて僕一人では無理です」

と言われてしまいました。

それでは夜勤をお願いしようとやらせてみたところ、

30代男性スタッフ

「すみません、夜勤はちょっと…、体力的にきつくて。今後は、夜勤以外のシフトでお願いできませんか」

──更には、その他の勤務においても「疲れた」、「しんどい」と言い出して休んでしまう始末で。

もちろん、本人の体調や健康面の問題もあるでしょうし、ある程度はしょうがないかな、と思っていたのですが、ある時スタッフから、

女性スタッフ

「あの人、一緒のシフトに入っているとき全然働いてくれないんです」

という話を聴いて。休憩時間もお店やお客の愚痴ばかり話していたそうです。

ちょうどその時期、お客様から「態度が悪い。ぶっきらぼうな物言いをして、非常に失礼だった」という、30代男性スタッフへのクレームもありました。

スタッフの模範になってもらえたらと思って採用したのに、結局、真逆の悪影響を与えてしまっていた。これはまずいと思って、何度か時間を見つけて彼と面談をしたのですが、最終的に、

30代男性スタッフ

「店長、俺辞めます。」

と言われて。さすがにもう、引き留めることはできませんでした。

管理職としての、人の見極め・育成について

「人の見極め」は難しい。

店長業務として、多い時は月に10人以上採用面談を行います。
その他にも、現在15名ほどいるスタッフとたまに面談をしたり、優秀な子を「バイトリーダー」にして業務を任せてみたり。

それだけ多くの経験を持ちましたが、今でもやはり「人の見極め」は難しいと思いますね。
今も試行錯誤中です。

先に紹介した当初無表情だった男の子が成長したのは、「慣れ」によるところが大きいでしょう。私が指導したから、等ではありません。

強いて言えば、「環境が育てた」と言えるかもしれませんね。

常連さんの多いお店ですし、自然とお客さまと話す機会も多くなりますし、私はお店のスタッフになるべくフレンドリーに接して、スタッフたちにもお互いにそういう関係性で一緒に働くことを望んでいました。

彼はその環境に、応えてくれたんだと思います。

二人目の30代男性については、私の「人の見極め」が甘かったんだろうなと。
でも、どこをどうすればそこを改善できるかはまだあまり見えていません。

結局、長く一緒にいてだんだん見えてくるところもあるのでしょうし。とはいえ、「面談の短い時間で、その人を見極めることは不可能だ」とあきらめてしまっては、採用面談の意味自体失ってしまいます。結局、慢心せずにもっともっと機会と経験を積んでいくしかないのでしょう。

私が大切にしていることは、スタッフに「そしてここで働けて良かった」と思ってもらえること

人間だからできる仕事の仕方

これまで私は、一緒に働く人たちが「働いていて楽しかった、またここに戻りたい…」と思ってもらえることを目指して、働いてきました。

なぜなら、私自身も十代のころカラオケ店でバイトしていて、今まさにそう思えているから。

今でも当時一緒に働いていた人達とたまに逢ったりしています。同じ時間と場所を過ごして、その共通の経験・記憶が、数年経った現在も繋がりを持てている。それが、楽しくもあり、幸せを感じられたりするのです。

その想いを、今のスタッフの子たちにも感じてもらえたらと思っています。

今お店にいるスタッフは皆仲が良く、頻繁に飲み会を企画してくれたりしていて。和気あいあいとした雰囲気になっていると思います。

私は3~4人のバイトリーダー達からミーティングを介してスタッフたちのことを聴いて、必要に応じてアドバイスや指導をするようにしています。

大切にしていることは、皆に自律性と能動性を持ってもらうこと。
そうすると、自然と「責任感」が出てくるんですよね。

だから、私はあまり介入せずに、皆になるべく伸び伸びとやってもらうように、裏方に回って働きやすい環境を作っていくようにしています。

◇ ◇ ◇

実は私、9月に退職を決めているんですよね。

カラオケ店長になって、もうすぐ2年が経ちます。
今私の下で働いている社員がいて、その子がもう店長でやっていけるだろうと思えるようになってきましたので。

その先の話ですが、私は建築系の事務職に入る予定です。

なんでここまで愛着を持っていたカラオケ店を辞めるのかというと、もっと違うスキルを身に付けたくなったからです。

今私は、言ってしまえばカラオケ店の店長経験しかありません。

現在の経験で、30~40代になったときも「どこでも働けるか」というと、やや厳しいでしょう。

その為に、私よりも経験豊富な人たちのいる新しい環境で、様々なことを学ばせていただきつつ、そして新たなスキルを身に付けて、これから先どんな環境にも幅広く対応できるようになりたいと思っています。

正直、カラオケ店で学べたことはすべて学べたような気がしています。

スタッフの人達も皆イイ人で、手がかからないというのもありますが、なんていうんでしょうか、──「満足してしまった」という感覚があって。不満がないんですよね。

きっと、私が「こういうカラオケ店にしていきたい」という理想はもう叶ってしまったのでしょう。

もともと私は、あまりコミュニケーションが得意な方ではなく、人と仲良くなることも苦手でした。
でも、この職場での経験で、コミュニケーションも、人と仲良くなることも大分出来るようになりました。

スタッフさん発信の飲み会には、私も呼んでもらっています。
きっと、ここでの繋がりは、私がこの職場を辞めた後も形を変えつつ残っていくことでしょう。

だからきっと、今私は、新しいチャレンジが出来るんだと思っています。

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