私の管理職体験談:スタッフが辞めるのは、「私のせい」ではない。

[最終更新日]2021/08/03

体験談
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私の管理職体験談:スタッフが辞めるのは、「私のせい」ではない。

空気清浄機などを販売する会社の電話オペレーター業務をやっています。
いわゆる、コールセンターですね。

一般家庭に商品紹介の電話をかけ、興味を持ってもらえたら「より詳しいお話をさせていただきます」と日程調整などのアポイントを取る、というのが主な仕事です。
実際に購入してもらう際の詳しい説明は、別途営業の人達お願いします。

アポイントの獲得率は大体、1~2%前後です。
つまり、100件電話してそのうち興味を持ってもらえるお客様は1件程度。根気とストレス耐性の要る仕事です。

平日は夕方まで勤務し、土日はシフトがはいっていなければ買い物など家族との時間に使います。

家族は、夫と中学生の子ども、そして私の3人家族です。
一人の時間ができると、アニメや海外ドラマ鑑賞をしています。最近ハマっているのは、「ブレイキング・バッド」。おすすめです。

スペンサーさん(女性 40歳)
職業
住宅機器販売
職種
コールセンターSV
年収
400万円
従業員規模
約20人
地域
愛知県

Index

目次

結婚して、その後復職して、そして管理職に。

電話オペレーターの仕事

大学卒業後、私は不動産関係の営業事務をしていました。
その後結婚して出産してからは、育児・家事をしつつ在宅で10年間ほどWebライターをしていました。

ですが、もともと人と接する仕事が好きだった私は、黙々と作業をするWebライターの仕事はあまり向いていなくて。

子供が小学校高学年になったのと同時に、夫に

「これからは、私も外に働きに出ようと思う」

と伝え、若干複雑そうな表情の夫に気付かないふりをして職探しを始めました。

最初に興味を持ったのが、「電話オペレーター」の仕事です。
残業がないこと、また昔の営業事務での経験を活かせると思ったからです。

電話オペレーターとは大きく2つのタイプがあって、ひとつが「インバウンド」。これは、お客様の方から電話をかけてくるタイプです。例えば、相談窓口とかですね。

そしてもう一つが「アウトバウンド」。こちらはオペレーターからお客様に電話するタイプで、営業電話を扱うことが多いので「オフィス内の営業」と言われることもあります。

私がやりたいと思ったのは、後者の「アウトバウンド」の方でした。

働き先は意外にすぐ見つかって、私の性にも合っていたのか仕事にもすぐ慣れました。
半年頃にはアポイント成績が大分伸びてきてチーム内で表彰されたりもして、そして1年過ぎたくらいに上司から、

上司

「これからは管理職として、新人たちの指導に入ってほしい」

と言われました。

管理職になったその翌日から、後悔のはじまり

同僚達から距離を置かれた

意気込んで管理職になったものの、その翌日はもう「管理職になんて、なるんじゃなかった…」と後悔していました。

まず、これまで仲良くしていた同僚の人たちから、ランチに誘われなくなったこと。
「あの人は管理者側になった」という見られ方をして、距離を置かれてしまったのです。

また、「どこを触っても尖っているナイフのようだ」と周りから言われている、態度が悪くて癇癪持ちのオペレーターに対して、(以前までは遠くで眺めているだけでしたが)私が直接注意しなくてはいけませんでした。

そして、一番頭を悩ませたのが、上長から

上司

「オペレーターの、離職率を改善してほしい」

というオーダーでした。

コールセンターの、離職率問題。

悩む女性のイメージ

コールセンターは、離職率が高いといわれる職種です。
それは、うちの部署も例外ではありませんでした。

知らない一般家庭に電話をかけてアポイントを取るという行為は相応に難易度がありますし、人によってはかなりストレスがたまる仕事です。

一方で「コールセンターの仕事を始めてみたい」という人は常に一定数いるので、スタッフの回転が早くそのたびに一から研修をしなければなりません。

「向き不向きがある仕事だ」とは採用された時にも言われましたが、確かにその通りと思いました。

どう見ても電話業務が向いてなさそうな人が入社してくることも多く、そうした人たちにアポイントを取るように頑張れと励ますのも大変な苦労でした。

それ以外にも、いろんな人がいました。

自分のやり方、ペースが完全に固まっていて、私からの意見を全く受け付けられない人。
どんなにミスしても一切謝りもせずスルーする人。
何度言ってもメモを取ってくれない人。

(ここはまるで、動物園のようだ)

たいへん失礼な表現かもしれませんが、そんなことを思いました。

ストレスは、「諦め」の精神に代わっていった。

諦めのイメージ

管理職になって、早1年が経ちました。

今では、それほどストレスを感じずに管理業務を行えています。

「慣れてきた」というのもあるでしょうが、いちばんは「諦め」の精神を持てたからだと思っています。

もう少しかみ砕いて言うと、「自分の領域外のことに、やっきにならない」ということです。

例えば、スタッフが職場を辞める大抵の理由は、私とは全く無関係のものです。
向き不向きもありますし、興味本位に入社してやってみたけど「なんだか違う…」と思って辞める人も多く、それらにいちいち責任を感じていたら身が持ちません。

管理職なりたての頃は、スタッフが辞めるたびに「自分が不甲斐ないから」という気持ちに悩まされていました。上長からは「離職率改善」を言われていましたので、なおさらでした。

でも、どんなに頑張っても結局「物事は、なるようにしかならない」のです。
離職率以外の問題に対しても、自分からの働きかけでは改善できないような問題は、気にしないようにしようとうと思うようにしました。

それで気持ちは大分楽になりましたが、そう割り切れるようになるまで、半年以上かかりました。

管理職の業務を通して、新たに気づけたこと。

オペレーターのイメージ

管理職をやってみて、新たに気付いた大切なこと。

それは、「他人の文句を言わないこと」、そして「職場に長くいる人を敬うこと」です。

特に一つ目はとても身に染みて大切さを感じています。

誰かが職場でほかの誰かの文句を言うと、それは必ずそのまたほかの誰かの耳に入ります。
そうしていつしか負のオーラがフロア内を長い間、ときに数か月かけて漂うことがあります。

特に私たちの職場は電話オペレーター業務ですので、気持ちがそのまま声の態度で出てしまうんですよね。

私自身、以前はちょっとした陰口や噂話に参加したこともありましたが、それが当事者の耳に入ったときの精神的ダメージの大きさと、それによる業務への影響について、管理職になって改めて目の当たりにしました。

「他人の文句、ダメ、絶対」です笑。

気になる点があったら、本人または上司を通して、建設的に伝えていくべきでしょう。

「職場に長くいる人を敬う」については、まあ「言わずもがな」かもしれませんが、人が攻撃的になるタイミングって、「自己を否定された」と感じたときなんですよね。
たとえ相手が否定したつもりはなくとも、本人がそう捉えてしまったら同じことです。

職場での年長者や古株の方は、立場どうこうに関係なく自分よりも後にやってきたスタッフに意見をされると感情的になることが少なくありません。

一方で、そうした人たちに対して、「いつも色々教えてもらってありがとうございます」という感謝の気持ちを持って接すると、さすがベテランと言わんばかりのサポートやパフォーマンスを発揮してくれることが多いです。

こうした私の気づきは、管理職の方々からすると「当たり前」のものかもしれません。
ですが、そういう視点を持てたことについて、私は純粋に「嬉しさ」を感じています。なぜなら、少しだけ社会というか世の中を、もっと広く知れたような気持ちになれたから。

管理職とは、大変な仕事の代わりにそうした見晴らしの良さを提供してくれる、そんなポジションなんだろうと、最近では思うようになりました。