管理職体験談:客先の甚大なトラブルで、私の部下たちが提言してきたことは。
[最終更新日]2019/10/11
輸送部品メーカーで海外営業と事業開発を行う部署に勤務しています。
主な業務は顧客である輸送機メーカーの海外にある工場へ、部品を売り込む業務がメイン業務になります。
また、海外での新たな事業を計画する業務も並行して行っています。
その部署で次長として二つの課を取りまとめる業務が、私の役割になります。
ADEさん(男性 47歳)
- 職業
- 製造業
- 職種
- 海外営業、事業開発
- 年収
- 非公開
- 従業員規模
- 10,000人以上
- 地域
- 神奈川県
Index
目次
製造業の事業開発の次長として勤務して。
顧客へ日々の営業活動を通じて得た情報をもとに、新規事業のアイデアを考えてそれを計画に落とし込み、経営陣に提案をする。
そして提案が承認された後に、実現させるために実行する──そこまでの流れ全般が、いわば私の役目です。
いやあ、なかなか大変ですね。
専門的な技術スキルが必要というわけではありませんが、私が適切に動かなければ、皆の活動も、そして事業自体も停滞してしまいます。
トラブルが生じたとき、その責任が重くのしかかってくることも少なくありません。
それでも、1つの仕事をやり遂げたとき、「達成感」や「やりがい」を感じられます。
プライベートでは、ジムに定期的に通っていて、トレーニングをしている時が充実感を感じます。
その他には食べ歩きが趣味で、特に体を動かした後の「美味しいお酒を飲みながらの食事」は、大切な人生の楽しみの一つです。
ある日、顧客先で大きなトラブルが発生して。
顧客の海外工場で大規模なトラブルが発生して、数週間製造を止めなくてはいけない状況になったことがありました、
「数週間製造を止めなくてはいけない状況」ということは、その間利益創出が全くできず、かつコスト(人件費)のみが嵩んでしまう──、かなり最悪な状態です。
ですので、トラブルの渦中にあった顧客の工場は、もはや恐慌状態でした。
そんなとき、
- 部下
-
「私たちのほうで、何かできることをしませんか」
と部下達が言ってきたのです。
トラブルが起きているのは顧客の工場。そのトラブルで私たちの会社も大いに困りますが、そのトラブルの責任があるわけではありません。
ましてや、私たちがそのトラブル対応を手伝ったとしても、それは完全に「無償」の支援です。ただでさえそのトラブルで私たちの会社も経済的な痛手を負っていた状況でした。
でも、「困っている顧客を放っておけない」と思った部下が何人も私のところに「助けましょう」と言ってきたんです。
その真摯な想いに私も心を打たれて、(──本当は私から率先して行動するべきだったのでしょう)皆でアイデアを出し合い、メンバー全員で協力案を作成して顧客をサポートしに行きました。
その結果、顧客の製造再開は予定より1週間も早く実現しました。
──顧客からは、絶大な感謝と、そして信頼を得ることができました。
あの時の体験は、本当に忘れられません。
文字通り、チーム一丸となって「お客様を助けよう」という共通意識を持ち、そして大きな成功体験を得られました。
その経験は、部下たちの自信にもつながったようで、それ以降より積極的に業務に取り組む姿勢がみられるようになりました。
振り返ってみて、今思うことは。
想えば、私はこれまで日々の問題・課題を打破するために盲目的に動いていました。
それが良かった側面もあったのでしょうが、もっと「真に顧客やメンバーに貢献する」働き方は出来たんだろうな、と、今回の一件を経た今となってはそう思います。
一方で、若いメンバーたちは使命感に燃えている人間も多かったですが、同時に独りよがりで走りすぎた面もありました。
そんな状況を含め、全体を包含的に見て、それぞれのメンバーたちの良いところを更に力が発揮できるようにサポートして、改善が必要な場所にはそれをアドバイスしていく──。
それが管理職の望ましい働きかけなのでしょう。
ですが、私自身はこれまでそれが殆どできていなかったことに気付かされました。
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私が想う、管理職としてのあるべき姿は。
メンバーを抱える管理職の立場で気を付けたい点は、「方針の明確化」と「情報共有の徹底」だと思います。
状況は日々変化します。「昨日までの状況が今日は全く違っていた」ということも少なくありません。
ですので、日々「この方向性で間違っていないだろうか」と方針を振り返ること、そして何か新しい情報や事態が発生した場合は速やかに部内で連携を取る。
この行動が鈍化していると、メンバーに迷いが生じ、そしてそれいずれ「業務効率の低下」や「モチベーションの低下」に繋がります。
これらがきっと、管理職が率先してやるべき仕事なのでしょう。
これから私が目指していきたいことは。
現在が見ている部署は、年齢、性別、国籍、非常に様々なメンバーがいます。
そこでは、自分の型を大切にするのも大切ですが、それ以上に「様々な考え方を受け入れて、それによって上司である自身も成長出来る」ことを意識して仕事に向き合えれば良いな、と。
なかなか難しいことですが、常に自分の部署が「チーム一丸となって業務に臨んでいる」状態にしつつ、その為に私は様々な個性を持つ部下たちを認めて、1人1人にあった業務の仕方を考えた上でのチームマネージメントをしていく──それが私の目指す、管理職の理想像です。
また、部下が自分の目標を明確に持てるような環境作りをしてあげて、それが個々のモチベーションを上げて、その結果、チーム全体の力が向上するような組織運営が出来ればと思っています。
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