管理職体験談:部下を平等に見られる組織は成長する。
[最終更新日]2022/12/15
私はある介護施設を運営する企業で、人事部マネージャーを務めています。
かずおさん(男性 40歳)
- 職業
- 会社員
- 職種
- 人事部マネージャー
- 年収
- 秘匿
- 従業員規模
- 2,000人
- 地域
- 東京都
Index
目次
管理職としての私の仕事。
直属の部下は5人。彼らのマネジメント、研修を行うのが私の業務です。
その他にも、本社社員の人事異動案、グループ展開している各施設の介護士・施設責任者の人事異動も私の業務となります。
部下を育てていく中で、仕事を任せられると判断した部下にはどんどん仕事を任せています。
その一方で、あまり仕事の進捗が思わしくない部下に関しては適宜面談の時間を設け、ビジネスマンとして成長できるよう指導を重ねています。
私はそれなりに正義感も持ち合わせていますので、仕事の出来に限らず、部下には平等に接したいと思っています。
趣味は茶道で、週末に教室に通っています。
平凡ですが、定年まで真面目にコツコツと働き、家族を不自由なく養っていくことが、私の日々のやりがいとなっています。
それから、いつか孫の顔を見られることが私の夢です。
部下の異動。辛い決断。
管理職を務めていて特に大変だった出来事があります。
社長の指示で、本社の管理部門から何名か、実際に介護の現場を経験させることになったのです。
人事部からも2名、施設の事務責任者として異動することとなり、うち1名は私の直属の部下でした。
社長からの指令ですので、私も逆らうことはできません。
ある日、異動が決まった部下と面談の時間を設けると、
- 部下
-
「なぜ私が飛ばされるのですか?」
と抗議を受け、私はうろたえてしまいました。
- 部下
-
「そんなに私は必要とされてなかったんですか? ただでさえ人事部は人手が足りないのに、私がいなくなったらどうなってしまうんです?」
部下はかなり感情的になっており、私も答えに窮してしまう状況でした。
結局、最後には
- 私
-
「1年。1年無事に勤めあげてくれれば、私からもすぐに人事に復帰できるよう取り計らうから」
と話し、なんとかその場では納得してもらいました。
本社と現場のすれ違い。
ちなみに、今回の人事異動の背景には、本社と現場間の意識の差が目立つようになったことがあります。
- 社長
-
「このままでは組織としての一体感が無くなってしまう」
という社長の懸念には、私も納得できるところはありました。
社長は本社だけでなく、現場にも頻繁に足を運び、介護士の方とコミュニケーションを取っていました。
- 介護士
-
「本社の方々は楽でいいなと思います。定時で帰れますし、夜勤も無いでしょうから。うらやましいです。私たちは毎日ヘトヘトですよ」
社長が聞いた現場の声の多くに、そういったものが見受けられたそうです。
しかし本社の人間には、現場に出て働きたいと思っている社員はいませんでした。
私の部下にも「人事部でキャリアを積んでいきたい」という考えがありました。
そのため、自身の異動に猛抗議したのですね。
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部下の考えを積極的に取り入れること。
やっぱり部下が成長する姿を見届けられるのが、管理職としてのやりがいだと感じます。
異動した部下も、きちんと現場を経験し、一回り大きくなってから戻ってきました。
またある時、新卒で入社した部下が、2年目にして新卒採用の説明会の司会を取り仕切れるようになったときは、とても誇らしい気持ちでした。
その部下ははじめのうちは手取り足取り教えていかなければならないような状態でしたが、仕事への熱意は誰よりもあるような人材でした。
なので私も、そのやる気を買って「新卒採用の年間スケジュール」や「リクルート会社との取引の仕方」など、次々にレクチャーしていきました。
最初は「はい!」と私の言うことに頷くだけだった部下も、今では堂々と自分の意見を主張するようになりました。
- 部下
-
「介護職は、学生としては避けてしまう傾向にあります。それを逆手に取り、ありのままの介護の現場を、説明会でVTRで流すんです。そうすれば、本気で介護をやりたいという学生を採用できますし、離職率も下がるんじゃないでしょうか?」
そんな意見を言われた時は、思わず「なるほど」と感心してしまいました。
実際に部下の意見を採用し行った新卒説明会の年は、離職率が数%下がりました。
今後、私が目指したいこと。
様々な管理職の方がいると思います。
しかし、管理職の性格によって、その部下への影響は絶大だと思います。
部下に偉そうに振る舞っているような上司は、パワハラの傾向も強く、組織としては害悪になり得ます。
社員の離職率も上がっていくでしょう。
一方で、一人一人の部下を分け隔てなく見られる管理職は、組織にとっても有益です。
部下も上司を信頼し、自分の意見をどんどん発信していけると思います。
私が今後取り組んでいきたいことは、部下への管理だけでなく、そのような横柄に振る舞う役職者への人事システムも導入できるようにすることです。
部下を育てる能力の高い人物が優先的に昇進できるようなシステムができれば、組織としてもより成長していけると思うのです。
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