AI（人工知能）の進化を描いた映画10選
［最終更新日］2023/03/11
香港に拠点を持つハンソンロボティクス社が「Sofhia（ソフィア）」と呼ばれるAIロボットを開発しました。
近年では、人間とコミュニケーションが取れるAIロボットの存在も珍しくなくなってきましたが、このソフィアが他のAIロボットより一線を画すのは、より人間的な表情（微笑み、困惑、真剣さ）などの複雑な動きを取り入れ、より生身の人間に近いかたちで会話が行える点です。
そんなソフィアが開発者のデビッド・ハンソンと行った対談の中で放ったある一言が、世界的に注目を集めました。
ハンソン「人類を滅ぼしたい？ NOと言ってほしいけど」
ソフィア「ええ、人類を滅ぼすわ」
その後、ソフィアは以上のやり取りを人間らしく「ジョークよ」と釈明しますが、近い未来に訪れるとされているシンギュラリティ（技術的特異点）に真実味を持たせる、どこかヒヤリとさせる発言でした。
映画界でも00年代以降はAIの進化が人類にもたらす影響を描く作品が増えた傾向がありますが、「映画はフィクションだから」と言い切れないところまで、技術革新は到達しているのかもしれません。
今回はAI（人工知能）の進化を描いた映画作品を10本ご紹介します。
人類の脅威となるAI、人類のかけがえのない存在となるAI、さまざまな角度から描かれた作品をピックアップしました。
気になる作品があったら、ぜひチェックしてみてください。
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Index
目次
- 1）『A.I.』（2001年/アメリカ/146分）
- 2）『アンドリューNDR114』（1999年/アメリカ/131分）
- 3）『her/世界でひとつの彼女』（2013年/アメリカ/126分）
- 4）『ホンモノの気持ち』（2018年/アメリカ/104分）
- 5）『チャッピー』（2015年/アメリカ/120分）
- 6）『アイ,ロボット』（2004年/アメリカ/115分）
- 7）『アップグレード』（2018年/アメリカ/95分）
- 8）『トランセンデンス』（2014年/アメリカ/119分）
- 9）『オートマタ』（2013年/スペイン・ブルガリア/109分）
- 10）『エクス・マキナ』（2015年/イギリス/108分）
- 映画の視聴にはVODサービスがおすすめ
- まとめ）AIの発展が人類にもたらすのは希望か、それとも…
1）『A.I.』（2001年/アメリカ/146分）
【あらすじ】
テクノロジーが天文学的なペースで発達した近未来。人間は“感情”以外の面において万能なロボットを召使いとする生活を送っていた。そんなとき、サイバートロニクス社は世界で初めて“愛する”ことをインプットしたロボットの少年デイビッドを作り上げる。彼は試験的なケースとしてサイバートロニクスの従業員夫妻の養子となるが、やがて予期せぬ状況の連続で生活を続けられなくなり、デイビッドは家を出る。
愛を乞うロボットが、人間に近づくための冒険譚
1999年にこの世を去った名匠スタンリー・キューブリックが長年温め続けてきた企画を、『未知との遭遇』『E.T.』などのSF映画を世に放ってきたスティーヴン・スピルバーグ監督が引き継いだ2000年のSF映画が本作『A.I.』です。
主人公は「少年型次世代ロボット」のデイヴィッド。「人を愛する」という感情をプログラムされた彼は、様々な人間たちとの出会いと別れを経験するに従い、次第に自身の存在に疑問を抱くようになっていきます。
デイヴィッドを演じるのは『シックス・センス』での演技で注目を集めた当時子役のハーレイ・ジョエル=オスメント。本作では「愛を乞うロボット」を繊細な演技で見事に表現しています。その他、ジュード・ロウやロビン・ウィリアムズ、メリル・ストリープなどの豪華俳優陣が物語に華を添えています。
非人間の視点から「人間とは何か」を解体する哲学的テーマも然ることながら、数々のエンターテインメント大作を監督してきたスピルバーグならではの娯楽性にも富んだ作品となっています。
A.I.
調査日:2021/04/07
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
2）『アンドリューNDR114』（1999年/アメリカ/131分）
【あらすじ】
近未来。郊外に住むマーティン家は家事用ロボット、ＮＤＲ114号を購入した。アンドリューと名付けられた彼は、幼いリトル・ミスと友達になり、彼女から人間について学んだ。やがてリトル・ミスは成長し、結婚して子供も生まれたが、アンドリューとの交流は続いていた。いつしか人間のようになりたいと願うようになっていたアンドリューは自由を求めて旅に出た。
人間とロボットを隔てるものは何か
先にご紹介した『A.I.』と同じく、「人間になりたい」と願うロボットの姿を描いた感動作『アンドリューNDR114』は、「人間を人間たらしめているものは一体何なのか」という、これもまた『A.I.』と同じく哲学的なテーマを含んでいます。
「ロボット工学三原則」が根底にあり、家事代行を基本的な動作としてプログラムされていたアンドリューでしたが、ある日、主人であるマーティン家の娘リトル・ミスの大事にしていたガラス製の馬の彫刻を誤って壊してしまう。
アンドリューはお詫びとして木彫りの馬を作成し、リトル・ミスにプレゼントしますが、それはプログラムには無いアンドリューという一個体としての「個性」でした。
本作は自我に目覚めたロボットの一生を「200年」という膨大な時代に跨って語っていきます。
その中には生き物としては当然いつか訪れることとなる「死」もあり、同時にそれこそが人間とロボットを隔てる一番の違いであることを、アンドリューは自らの経験を通して学んでいきます。
ロボットの着ぐるみを身にまとい、ロボットとしての無機質な表情の中に様々な感情を表現してみせるロビン・ウィリアムズの名演も光る一作です。
アンドリューNDR114
調査日:2021/04/07
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
3）『her/世界でひとつの彼女』（2013年/アメリカ/126分）
【あらすじ】
他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ、傷心の日々を送っていた。そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声にひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。
機械との恋愛は、人間の心を癒すのか
人間の男性と、姿を持たない「声」だけの存在である人工知能OSとの恋愛を描いたのがスパイク・ジョーンズ監督による作品『her/世界でひとつの彼女』です。
主人公の男性セオドアを、『ジョーカー』での演技も記憶に新しいホアキン・フェニックス、人工知能OSサマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが演じています。
本作の舞台は今より少し先の近未来で、人工知能OSが人々の生活に深く根付いた社会が描かれています。
そんな中で、セオドアが勤めているのが「メッセージカードの代筆業」というアナログな職種であることも、SF映画としての技術の対比として作用しています。
見知らぬ誰かへのメッセージを日々紡いでいるセオドアが、こと自分の恋愛となると相手の気持ちが分からず及び腰になってしまう。別れた妻が残した心の空白が今でも大きな傷を残し、生身の人間と接することを避けてしまう。
人工知能に恋をしてしまう主人公像を違和感なく丁寧に描いていきます。
劇中、道を行き交う人々が皆手元のOSに話しかけるのに夢中になり、すれ違う人間にはまったく意識を向けないシーンが登場しますが、暇さえあれば手元のスマホを注視してしまう現代人への批評的な視線とも言えるでしょう。
サマンサを特別な存在に感じ、徐々に喪失の痛みから立ち直っていくセオドアが最後に辿る結末は、本作がまとうロマンチックな雰囲気とは一味違う余韻を残します。
her/世界でひとつの彼女
調査日:2020/05/11
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4）『ホンモノの気持ち』（2018年/アメリカ/104分）
【あらすじ】
人間そっくりなアンドロイド“シンセ”が普及した近未来。人間関係の向上に取り組む研究所で働く女性ゾーイは、人間のパートナーとなる精巧なシンセを開発中の同僚コールに恋心を抱いていた。ある日、ゾーイはコールから衝撃的な事実を聞かされる。
この世界に「あなた」がいるということ
人間と見た目の変わらないアンドロイドが普及した未来を舞台に、人間とアンドロイドの恋愛を描いた作品が、Netflixオリジナル作品『ホンモノの気持ち』です。
前述した『her/世界でひとつの彼女』と似たアプローチを取りつつも、本作は「アンドロイドとの恋愛」という要素を抜けば、ごくありふれたラブストーリーとなっています。
アンドロイドの”シンセ”の開発者コールを演じるのは『トレインスポッティング』や『スター・ウォーズ エピソードI～III』のオビ・ワン=ケノービ役でお馴染みのユアン・マクレガー。そんな彼に思いを寄せる本作のヒロインを、『007 スカイフォール』のボンドガール役などで知られるレア・セドゥが演じています。
中盤で明かされる「ある真実」から一転、物語はアンドロイドの実存性を巡る本作のもう一つのテーマが浮き上がってきます。
また本作の重要なキーワードとして「涙」が挙げられます。シンセは人間と寸分違わぬ見た目をしているものの、「涙」を流すことは決してない。
物語にある厳然とした事実を覆すラストのささやかな奇跡が、物語に爽やかなエッセンスを加えています。
ホンモノの気持ち
調査日:2021/04/07
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5）『チャッピー』（2015年/アメリカ/120分）
【あらすじ】
2016年、南アフリカのヨハネスブルグでは、テトラバール社の開発した警察ロボットが配備されて注目を集めていた。ロボット開発者のディオンは、自ら考え、感じる人工知能（AI）を独自開発し、スクラップ寸前の1台のロボットに密かにAIをインストールしようとする。しかし、その矢先にストリートギャングに誘拐されてしまい、AIをインストールして起動したロボットは、ギャングの下でチャッピーと名付けられ、ギャングとしての生き方を学び、成長していく。そして、ディオンのライバルでもある科学者ヴィンセントにチャッピーのことが知られ、その存在を危険視するヴィンセントによって、チャッピーは追い詰められていく。
人工知能を備えた最新ロボットが、犯罪を教え込まれたら
本作の監督であるニール・ブロムガンプは、デビュー作である『第9地区』から一貫して、最新のテクノロジーとストリートの生活を共存させることで生まれるSF的違和感を描いてきたと言えます。
本作『チャッピー』も、最新の学習型プログラムにより、人間の感情や意識を解するロボット”チャッピー”が、ストリートギャングたちと絆を育み、「人間」を学んでいく様子が描かれます。
監督は南アフリカのラップグループ「ダイ・アントワード」を聴き、「もし彼らがロボットを育てていったら？」と考えたことから本作の着想を得たと言います。
本作に登場するストリートギャングたちは数々の犯罪に手を染めているものの、人間的な魅力も備えた「憎めない」存在として登場します。
チャッピーにとっては、何も知らない自分にたとえ犯罪であったとしても「生きるための知恵」を授けてくれる彼らは両親のような存在。
実際、「ストリートチルドレン」と呼ばれる人間の子供たちもまた、生まれながらに犯罪が身近にある環境で育ったために「善悪」の概念がそもそも備わっていないと言われています。
物語はストリートギャングに誘拐されたチャッピーを取り戻そうとする開発者のディオンと、チャッピーを戦闘兵器として悪用しようと企む科学者が加わり、混迷を極めていきます。
様々な人間の一側面を見つめ続けるチャッピーが辿り着く先をぜひご覧ください。
チャッピー
調査日:2021/04/07
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6）『アイ,ロボット』（2004年/アメリカ/115分）
【あらすじ】
人間とロボットが共存する2035年のシカゴ。ひとりの科学者が謎の死を遂げ、刑事デルは一体のロボットに疑念を抱いて捜査を進めるが……。
シンギュラリティの到来がもたらす最悪のシナリオ
1950年に発表されたアイザック・アシモフによるSF短編集『われはロボット』の中に「ロボット工学三原則」というワードが登場し、以来ロボットを扱うSF作品の礎となる重要なルールとなりました。
第一条：ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条：ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条：ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない。
2004年のウィル・スミス主演のSFアクション『アイ,ロボット』は、いわばこの「ロボット工学三原則」が破られてしまったディストピア世界を描いています。
『ターミネーター』の監督で知られるジェームズ・キャメロンは、『SF映画術（DU BOOKS刊）』にて、あるAI研究者とのこんな対話を記しています。
キャメロン「機械が自主性を持ってしまったら、人間に反旗を翻すかもしれない。その際の対策はあるのですか？」
研究者「簡単なことです。機械に目標を与えればいい。やり遂げたい目標を与え、それに集中させるんです」
キャメロン「なるほど。我々は数千年前からそれを行ってきていますね。”奴隷制”という名前で。機械が果たして、いつまで人間の奴隷でいてくれるでしょうか？」
『アイ,ロボット』はまさに、ここでのジェームズ・キャメロンによる警鐘を映像化してみせた「シンギュラリティが辿る最悪な未来」と言えるでしょう。
スター俳優ウィル・スミスを主演に据えていることもあり、迫力のあるアクションシーンも多分に盛り込まれたSF大作です。
アイ,ロボット
調査日:2021/04/07
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7）『アップグレード』（2018年/アメリカ/95分）
【あらすじ】
近未来、妻と平和な日々を送っていたグレイは、突如現れた謎の組織によって妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまうが、巨大企業の科学者によって実験的に埋め込まれたAIチップ「STEM」の力によって麻痺を克服し、人間を超越した身体能力を手に入れる。グレイは脳内で会話する相棒的存在である「STEM」と協力し、最愛の妻を殺害した謎の組織への復讐を誓う。
人体の限界をAIが超越する
IoTの発達によりAIが驚異的な進化を遂げ人々の生活を支える近未来。主人公はある日、謎の集団による襲撃で全身麻痺の体となるも、AIチップ「STEM」の力によって人智を超えた身体能力を手にする。
漫画的なシンプルな筋立てにより、AIの進化を娯楽映画として昇華してみせたのが、リー・ワネル監督による『アップグレード』。
かの日本の名作漫画『寄生獣』を彷彿とさせる、異物によって身体をコントロールされてしまった主人公が、徐々に「STEM」と一体化していき、能力をアップグレードさせていく様子を、変幻自在のカメラワークと本格的なアクションシーンの連続で見せていきます。
物語の骨子となるのは、自らを襲撃してきた謎の集団の正体と、妻を殺された主人公の復讐劇です。
ミステリ、アクション、SFと様々なジャンル要素を取り入れつつ、それらが絶妙に絡み合う脚本は、かつては脚本家として多くの作品に携わってきたリー・ワネル監督ならではの手腕と言えるでしょう。
近年のテクノロジーのもう一つの先端である「VR」にも言及しつつ、主人公の虚しい復讐の帰結を描いています。
アップグレード
調査日:2021/04/07
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8）『トランセンデンス』（2014年/アメリカ/119分）
【あらすじ】
人類の未来のため、意識をもったスーパーコンピューターを研究開発している科学者ウィルは、反テクノロジーを掲げる過激派組織の凶弾に倒れるが、妻のエヴリンによってウィルの脳はスーパーコンピューターにアップロードされる。消滅するはずだったウィルの意識はコンピューターの中で生き続け、やがてネットワークの力によって地球上のあらゆる知識を手に入れ、予想もしない進化を始める。
AIによる人類の超越がやがて神話を創り出す
2014年の映画『トランセンデンス』では、天才科学者の意識をスーパーコンピュータに移植することにより驚異的な進化を遂げてしまった人工知能の影響を描いたSFサスペンスです。
ジョニー・デップを主演に据え、製作総指揮には『TENET テネット』『インターステラー』などの作品で知られるクリストファー・ノーランが名を連ねます。
死の床につきつつある夫の記憶を、何とかこの世に遺しておきたいという妻のエゴから行われた「生きた人間の脳を人工知能へアップロードする」というタブー。
独自の進化を遂げた人工知能はやがて人類に反旗を翻します。
タイトルの「トランセンデンス」とは英語で「超越」を意味します。
元は人間であったウィルの脳がAIと融合したことにより神の領域へと到達し、人類の生き死にすらも実権を握るようになっていく過程が丁寧に描かれていくため、リアルな恐怖を感じることができます。
トランセンデンス
調査日:2020/10/06
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9）『オートマタ』（2013年/スペイン・ブルガリア/109分）
【あらすじ】
太陽風の増加により地球の砂漠化が進み、人類が存亡の危機にひんしている2044年。「生命体に危害を加えてはいけない」「自身で修理・修繕をしてはけない」というルールが組み込まれた人工知能搭載ロボット「オートマタ」が、人間に代わる労働力として必要不可欠になっていた。しかしある時、オートマタを製造・管理するハイテク企業で調査官として働くジャックは、そのルールが破られていることに気付く。
進化の極北には、どんな景色が待ち受けているのか
本作『オートマタ』にて、人工知能搭載型ロボットに与えられているルールは先述したアイザック・アシモフによる「ロボット工学三原則」の変奏型。
１.生命体に危害を加えてはいけない
２.自身で修理・修繕をしてはいけない
これら2つの機構が組み込まれていることにより、世界はかろうじて安寧を保っています。
しかしある一体のロボットが、自らに火をつけ「自殺」したことを皮切りに、オートマタの知られざる一面が垣間見えることとなります。
2044年という未来を舞台にしつつも、本作は古典的ハードボイルド・ミステリの雰囲気を纏っています。
アントニオ・バンデラス演じる「探偵」が、謎に包まれた「ロボットの自殺」の調査を始めるも、徐々に巨大な闇の中をさまようこととなっていく。極力説明的なセリフを排し、映像で物語の奥行きを広げていく作劇は、SF映画の理想形とも言えるでしょう。
決して予算が多いとはいえない作品ながら、劇中に登場するロボットたちは冒頭で紹介した「ソフィア」を彷彿とさせる現代水準のルックスをしており、かつ「シンギュラリティ」そのものをテーマの中心に据えたリアルな作品となっています。
オートマタ
調査日:2021/04/07
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
10）『エクス・マキナ』（2015年/イギリス/108分）
【あらすじ】
世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、滅多に人前に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に滞在するチャンスを得る。しかし、人里離れた別荘を訪ねてみると、そこで待っていたのは女性型ロボットのエヴァだった。ケイレブはそこで、エヴァに搭載されるという人工知能の不可思議な実験に協力することになるが……。
機械仕掛けの神
最後にご紹介するのは、今回の10本のうち最もミニマムな舞台立てながらも、AIによる難解な思考実験をテーマに科学の深淵を描き出すSFサスペンス『エクス・マキナ』です。
ある日、社長の別荘にて人工知能のテストに参加することとなったプログラマーのケイレブは、エヴァと名付けられた女性型ロボットと対話を重ねるうちに、徐々に会話の主導権をエヴァに奪われ始めていることに気づきます。
本作は先に挙げた『her』『ホンモノの気持ち』のように、人間の主人公とロボットのヒロインの恋愛を描くプロットを辿りますが、エヴァのある企みが垣間見える中盤以降からは物語は一転しサスペンス/ホラーのジャンルへと足を踏み入れていきます。
タイトルにもなっている「エクス・マキナ」とはラテン語で「機械仕掛けの神」を意味しており、ある一軒の別荘から幕を開け、別荘から出たところで幕を閉じる本作は、まさしく創世記をなぞるような神話的SFであることが最後に明らかになります。
エクス・マキナ
調査日:2021/04/07
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
映画の視聴にはVODサービスがおすすめ
数年前まではお家での映画鑑賞は、レンタルビデオショップが主流でしたが、近年ではVODサービスへの定額登録により、名作映画や話題作なども手軽に楽しめる時代になりました。
ここでは国内の代表的な8サービスの月額料金、配信作品数を比較しています。
サービスごとに配信されている作品も違いますし、そのサービスでしか観られないオリジナル作品もあります。
無料のお試し期間も利用しつつ、ご自身に合ったサービスを選択してみてください。
| サービス名 | 作品数 | 無料お試し期間 | 料金（税込） |
|---|---|---|---|
 U-NEXT（ユーネクスト） | 200,000作品以上 | 31日間 | 月額2,189円（税込） |
 Hulu | 70,000作品以上 | 14日間 | 月額1,026円（税込） |
 Netflix（ネットフリックス） | 非公開 | なし | 月額990円～1980円（税込） |
 amazonプライムビデオ | 32,000作品以上 | 30日間 | 月額500円（税込） |
 dtv | 120,000作品以上 | 31日間 | 月額550円（税込） |
 FODプレミアム | 50,000作品以上 | 14日間 | 月額976円（税込） |
 TSUTAYA TV | 10,000作品以上 | 30日間 | 月額1,026円（税込） |
 Paravi | 8,000作品以上 | 14日間 | 月額1,027円（税込） |
まとめ）AIの発展が人類にもたらすのは希望か、それとも…
AI（人工知能）の進化を描いたSF映画を10本ご紹介してきました。
作り手によってAIを「希望」の対象として描くのか、「脅威」の対象として描くのは実に様々です。
しかしこれらのSF映画に共通して見られる視点は「もし～だったら？」というifについて追求していること。この「if」のディテールを味わうことこそが、SF映画の一つの醍醐味と言えるでしょう。
IT社会の発展により、今後さらにAIは身近な存在となっていくはずです。
テクノロジーと人間の関係性について新たな視座を得るためにも、今回ご紹介した作品をぜひご覧になってみてください！
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