仕事に人生に悩める管理職へ。 20代~40代管理職におすすめ映画12選

[最終更新日]2020/03/09

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20~40代管理職へ。年齢別おすすめ映画12選

管理職・マネージャーとして働く方々へ、おすすめの映画を紹介する連載記事。
今回のテーマは「20代~40代管理職へおすすめの映画12選」です。

社会人として、あるいは一人の人間として経験を積み重ねていく中で、さまざまな悩みや不安が立ち上ってくることは、往々にしてあるでしょう。

また、20代の頃と40代の頃では、その悩みの種類も、おそらくは変わってくるのではないでしょうか。

そういった悩める管理職・マネージャーの方々へ、年代別におすすめしたい映画を12本ピックアップしてみました

あなたの背中を押してくれたり、人生のヒントになるような映画も、ひょっとすると含まれているかもしれません。
ぜひ、ご一読ください!

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Index

目次

20代管理職におすすめ映画

おすすめその①『ギルバート・グレイプ』(1993年/アメリカ/117分)

【あらすじ】
ギルバートは、生まれてこの方故郷を出たことがなく、知的障害を持つ弟と、過食症で自分で身動きができないほど肥えてしまった母親と3人で暮らしている。
そんな彼の前に、トレーラーで流れ者のような生活を送るベッキーという少女が現れる。
彼女との交流を通して、ギルバートは次第に「外」への憧れを抱くようになる。



人との出会いが、人生の大きな転機になる

若き日のジョニー・デップレオナルド・ディカプリオという大スターが、兄弟役で共演していることでも知られている名作です。

主人公であるギルバート(ジョニー・デップ)は、田舎町で淡々とした暮らしを送っています。
知的障害を抱える弟(レオナルド・ディカプリオ)、身動きができない母を置いて故郷を出ることはできず、いつしか自分自身の人生を「諦めて」しまった虚無的な眼差しが印象的です。

そんな彼を変えるのが、「外」の世界からやって来た、トレーラーハウスで放浪の旅を続ける親子。
その自由奔放な価値観や暮らしぶりに、ギルバートは知らず閉じこめてきた「広い世界を知りたい」という気持ちを、再び温めていきます。

閉鎖された生活環境と、外界への憧憬は、あらゆる映画や文学での一つの定型的なフォーマットでもあります。
それだけ普遍的かつ感情投影がしやすい作りになっており、「ここでないどこか」を夢想する気持ちは、多かれ少なかれ(特に若い時分は)誰しもが抱いたことのある気持ちなのではないでしょうか。

20代だからこそ共感しうる感情や、生き方へのヒントが詰まった作品です。




おすすめその②『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年/アメリカ/127分)

【あらすじ】
ウィルは、幼い頃から周囲に馴染むことが苦手で、精神的にも孤立していた。
そんな彼が人と違うのは、数学の天才的な才能。
彼の才能を見込んだ大学教授は、彼の心の傷を解かし、才能を開花させようと、精神科医のショーンにウィルを診察してもらう。



自分の可能性を、自分で閉じこめてしまわないこと。

マサチューセッツ工科大学の数学棟の廊下の壁には、数学教授ランボーが学生たちへ向けた難問が出題される。
誰がその難問を解けるのか。多くの学生たちが頭を悩ませる中、その問題を解いてみせたのは、清掃員のアルバイト青年であるウィルだった。

そんな語り出しから始まる作品です。
ランボー教授はウィルに無限の可能性を見出しますが、ウィルは近づく者を一心に拒み、自身の可能性を閉じこめてしまっている「孤独」を抱えた青年です。

それは幼少の頃に彼が抱えたある「トラウマ」が原因でした。
この作品は、ウィルと、彼のセラピーを依頼された精神科医との対話を通し、人との関係性、可能性を自分の力で押し広げていくことの意義を描いています。

何かにつまずいて自分ではどうしようもなくなった時、それを打開するきっかけは、意外と身近な人との関係性にあることも多いです。

「自分は正直に人と接してきていたか」見つめ直させてくれる一作になっています。




おすすめその③『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007年/アメリカ/148分)

【あらすじ】
クリス青年は、大学を首席で卒業するほどの頭脳の持ち主だったが、ある日、住居や持ち物を一切捨て、放浪の旅に出る決意をする。
彼は旅を続けていくなかでさまざまな人との出会いと別れを通じ、自由とは何か、生きるとは何かを見つめていく。



本当の自由を手に入れるため、「荒野」へ。

この映画は作家・登山家であったジョン・クラワカー氏のノンフィクション作品『荒野へ』が原作になっています。

学業に専念し、この先の将来もある程度約束されたにも等しい主人公のクリスは、それでも、これまでの一切の生活を捨て、まだ見ぬ「自由」を求めて旅に出る決意をします。

この作品はロードムービーなので、クリスは旅先で様々な人に出会います。
人々との出会いは束の間、クリスに変化を与えれば、または何事もなく通り過ぎていくだけの出会いもある。
広大なアラスカの大地を舞台にしているため、スケールの大きな話にも見えがちですが、ここに描かれているのは私たちの生活と何ら変わりない「地続きの日常」で溢れています。

彼が求めた「自由」の答えとは何だったのか。
映画は衝撃的な結末を迎え、観た人の心のそれぞれに違った答えが浮かんでくることでしょう。

私たちの実人生においても訪れる、先行きの見えない日常は、さながら未開拓の「荒野」に踏み出していくようなものかもしれません。

しかし、クリスの視線を通して見える世界は、時に優しく、時に残酷で、さまざまな表情に溢れています。
そんな「世界の捉え方」を学ぶことで、明日を生きる勇気が湧いてくる一作です。




おすすめその④『きっと、うまくいく』(2009年/インド/170分)

【あらすじ】
学生の頃の友人だったファルハーン、ラージュー、ランチョーの3人は、ランチョーの失踪を機になんとなく疎遠な状態が続いていた。
ある日、行方不明だったランチョーが街に戻って来ると知り、母校に向かった2人は、ランチョーを待つかたわら、かつての大学生活を思い返していく。



「ずっと大切にしてきたもの」が、未来へのヒントになる。

インドは世界一の映画製作大国としても知られており、年間でおよそ2,000本もの作品が公開されています。
日本でも、近年では『バーフバリ』などの作品で人気に火が付き、国内でもインド映画を観られる機会が増えてきました。

『きっと、うまくいく』の原題は『3 IDIOTS = 3人の馬鹿』というストレートなタイトル。
そのタイトル通り、3人の馬鹿な若者の激動の人生を、アクションや笑いなどさまざまな要素を取り入れながら描いていきます。もちろん、インド映画おなじみのダンスシーンも忘れていません。

しかし、本作は同時に、インドという国の問題点にもきちんと目を向けています。
インドは激しい競争社会としても知られ、「成功がすべて」という考えが、人々の根底に強く根付いているのです。

本作の主人公である3人は、そうした「成功」からはみ出してしまった面々ではありますが、彼らに悲壮感はありません。
邦題でも語られているように、人生にはあらゆる局面が訪れますが、最後は『きっと、うまくいく』の精神で、伸び伸びとたくましく生きているのです。

また、この作品は約3時間の、映画としてもかなりの大長編の部類に含まれますが、次々と放り込まれる展開の濃さに、かつて味わったことの無い「3時間」を体感できること必至です。

30代管理職におすすめ映画

おすすめその⑤『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年/スペイン・アメリカ/94分)

【あらすじ】
脚本家のギルは、婚約者とともにパリを訪れる。
脚本家として評価されるかたわら、かつての小説家になる夢も捨てきれずにいたギルは、パリ滞在中の夜中、ふいに現れた馬車に乗り、1920年代のパリへタイムスリップしてしまう。



真夜中のパリで、つかの間自分探しの一夜を。

大人の人生の悲喜こもごもをユーモラスな視点でとらえることに定評のあるウディ・アレンが2011年に監督した『ミッドナイト・イン・パリ』は、結婚を控え今なお自身の夢を捨てきれずにいる男を主人公に、「自分探し」のタイムスリップへと観客を誘います。

小説家の夢を諦めきれないギルは、旅先のパリで偶然に1920年代へと繋がる道に迷い込んでしまいます。
1920年代といえば、『老人と海』などの作品で知られるヘミングウェイや、画家のピカソなどが暮らしていた時代。

ギルは憧れの芸術家たちとのつかの間の邂逅をきっかけに、改めて自身の人生を客観視し、再び歩みだすきっかけを得ます。

ヘミングウェイやピカソ、ダリ、フィッツジェラルドなどの作風や人となりを知っていれば尚のこと楽しい作品ですが、知らなくても誰もがじゅうぶんに楽しめる作品であるのは間違いありません。

真夜中のパリの姿も非常に美しい、大人のためのファンタジー作品です。




おすすめその⑥『はじまりのうた』(2013年/アメリカ/104分)

【あらすじ】
音楽プロデューサーのダンは、ある日レコード会社を解雇され、自棄になり酒に酔いつぶれるため一軒のBARに立ち寄る。
そこでは、スターになる夢を抱いたグレタが、ギターを片手に弾き語りライブを行っている最中だった。
ダンはグレタの声に魅力を感じ、「一緒にアルバムを作ろう」と彼女に申し出る。



どんなに辛いことがあっても「はじまり」は訪れる。

『はじまりのうた』というタイトルが想起させるように、「音楽」が生まれる瞬間の喜びを描いたこの作品は、誰の人生も、「もう一度はじめる」ことが可能であることを教えてくれます。

これまでの地位を一切失い、自暴自棄になっていた音楽プロデューサーのダンは、場末のBARで日銭を稼ぐ歌手志望の女性グレタの歌に、もう一度再起をかける決心をします。

「二度目の成功」を夢見るダンと、まだ成功をしたことのないグレタは、「音楽」で繋がり、時に反目しあいながらも、楽曲制作に身を投じていきます。

金の無い彼らは、楽曲にかける制作費もスタジオも用意できない状況。
しかし、それを逆手に取り、街中でのゲリラ録音に乗り出します。

普段は当たり前に通り過ぎていく光景の中にも、さまざまな音が溢れている。
たとえば人々の足音、車の往来、子供たちの笑い声、鳥のさえずり。
それらすべてを、「音楽」として届けようと画策するのです。

『はじまりのうた』は、音楽の「はじまり」はもちろんのこと、今自分が生きているこの世界を捉え直し、新しく人生を「はじめる」素晴らしさも謳った素敵な作品です。




おすすめその⑦『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014年/イギリス・アメリカ/115分)

【あらすじ】
時は第二次大戦下のイギリス。
ある日、数学者のアラン・チューリングは、ドイツ軍の暗号「エニグマ」解読班の一員としてスカウトされる。
その申し出を受けるも、暗号の解読にのみ興味を注ぐアランは、協力者である班員たちを雑用係のように扱っていた。



一人で挑むより、強力なものがある。

この作品の主人公であるアラン・チューリングは、実在した数学者です。
本作は、第二次大戦下のイギリスを舞台に、ドイツ軍の暗号である「エニグマ」を解読しながら、チームとして、また一人の人間としての葛藤を描いたスリリングな人間ドラマになっています。

その天才的な頭脳を買われ、暗号解読班にアサインされたアラン・チューリングでしたが、それまでの彼の世界は、まさしく「自分 対 数学」でのみ構成されており、そこに他者の存在は介在する余地がありませんでした。
それゆえ映画の序盤では、彼と共に解読班に任命されたチームメイトとのコミュニケーションの不和が、意図的に描かれています。

しかし、やがて彼らとわかり合い、互いに力を貸しながら暗号解読マシンを造り上げていく彼は、次第に「他者と繋がりたい」という欲求を持ち、閉じられてきた自身の世界から外界へと目を向けていきます。 アラン・チューリングという一人の男が、人間的に成長した瞬間です。

果たして暗号解読は成功するのか、そしてアラン・チューリングの人生はどのような結末を迎えるのか、単純に物語としても見逃せない展開が連続です。




おすすめその⑧『世界にひとつのプレイブック』(2012年/アメリカ/122分)

【あらすじ】
妻の浮気が原因で躁鬱病となったパットは、ある日近所に住むステファニーという女性と知り合う。
彼女もまた、夫の死が原因で心に傷を抱えていた。
2人は互いに反目しあいながらもやがて距離を縮めていき、ダンスコンテスト優勝を目標にペアを組むことに。



希望の光は、意外と近くにある。

「プレイブック」とは、アメフト用語で「作戦図」を意味する言葉です。
この作品に当てはめるならば、人生のどん底を味わった2人が、そこからの再生を目指すための「作戦図」といったところでしょうか。

ひょんなことから知り合った男女が、「ダンス」を通じて心を通わせ合う、というストーリーは、日本でも『Shall we ダンス?』などの名作があるように、ラブストーリーの定石でもあります。

しかし本作の魅力は、単に「ラブストーリー」という一つの枠に収めるにはもったいないくらいの端正な人間ドラマにあります。

これまで、人と真正面からぶつかり合うことを意識的に避けてきてしまったからこそ、結果として大切なものを失ってしまった主人公が、喪失を機に、今度はぶつかり合うことを恐れず、人と接することで、かけがえのない存在に気づき始める

その過程で出会う人たちとの機知にとんだやり取りもユーモラスですし、決して深刻になりすぎない爽やかなエンディングも、観る人の心に温かい気持ちを届けてくれるはずです。

40代管理職におすすめ映画

おすすめその⑨『ドント・ウォーリー』(2018年/アメリカ/115分)

【あらすじ】
アルコール依存症のジョンは、ある日友人と飲みに行った帰りに交通事故に遭い、全身マヒの身体になってしまう。
自暴自棄になり、人生に絶望していたジョンだったが、定期的に見舞いに訪れる看護師のアヌーらとの出会いをきっかけに次第に立ち直り、持ち前のユーモアを活かし風刺漫画を描き始める。



世界は、ほんの少しの皮肉と、ほんの少しの優しさに溢れている。

この作品は、電動車いすに乗った主人公のジョンが、猛スピードで街中を駆け抜けるシーンから始まります。
公道を走る自動車を追い抜いてしまうほどのそのスピードで、案の定彼は道路の段差で転んでしまいます。

すると、近所で遊んでいた子供たちがすかさず駆け寄り、彼を助け起こします。
そんな子供たちに向け彼は、まさに「つまずいてしまった自分の人生」を語り始めるのです。

アルコール依存から交通事故を引き起こし、全身マヒとなってしまった実在の風刺漫画化ジョン・キャラハンの半生を映画化したのが、この『ドント・ウォーリー』という作品。

冒頭の印象的なシーンから始まり、物語の構成自体があらゆるメタファで象られた完成度の高い作品になっています。

事故がきっかけでますます自暴自棄に陥り、酒へと逃げ込む彼を救ったのが、看護師のアヌーや断酒会のメンバーたち。
彼らの助けを借りながら、ジョンは次第に新しい「視点」を手に入れます。

風刺漫画とは、時に社会問題をシニカルな視点で盛り込んだ、少しブラックな漫画です。
障害を抱え、生活が不自由になってしまったジョンだからこそ見える世界が、様々な漫画を通じて描かれていきます。

同時に彼が気づいたのが、たとえば自分が転んでしまったときに、当たり前のようにすぐに駆け付け起こしてくれる子供たちのような存在も、やはり世界にはあるのだということ。

そんな人たちの温かさに触れ、次第に自分自身を許し、新たな人生へと向かっていくジョンの姿は、大きな感動を観た人の心に焼き付けるでしょう。




おすすめその⑩『大統領の執事の涙』(2013年/アメリカ/132分)

【あらすじ】
奴隷の息子として生まれた黒人のセシルは、自らの出自に負けぬよう懸命に働き、やがてホワイトハウス直属の執事として勤め始める。
アイゼンハワーやケネディなど、名だたる大統領たちの執事として、彼らの仕事ぶりを眺めるかたわら、セシルは自身の家族との軋轢にも直面していく。



7人の「国のリーダー」を見つめ続けた執事の記録。

この作品は、ホワイトハウスに勤めた実在した黒人執事をモデルにしています。
彼は約30年もの間、入れ替わり続ける大統領のそばで、移り変わるアメリカという国の歴史を見つめ続けてきました。

この作品の視点の新鮮さは、まさしく主人公の「ただ見つめる」という部分にあります。
物語的なカタルシスを生ませるためには、たとえば彼が、長年の勤労経験からくる知恵を大統領にそれとなく示してみせ、それによって国の政治自体にも良い影響を与えていく、といったこともできたでしょう。

ただし、この作品はそれをしません。あくまで主人公は「名もなき執事」として、国のトップが下す決断を、ただ見守り続けるのです。その決断が、結果として国に悪影響を及ぼしたとしても。

この作品の主題は、あくまで主人公セシルの半生と、自身の家族との相互理解に焦点を絞って描かれています。
実際のアメリカの歴史的変遷は、あくまで背景に過ぎないのです。

私たちも普段、国の政治に関わることは選挙へ投票に行く、という行為を通してのみ関わることができるもので、どこかしら他人事に思えたりもするかもしれません。

しかしその裏では、大統領や首相といった「個の人間」の決断が存在する、ということにも改めて気づかされる作品です。

彼らが最終的にどのような決断を下したとしても、その勇気をたたえるセシルが、家族との関係にどのような決断を下すのか。
「会社」というひとつの大きな組織の中で長く生きてきた方ほど、受け取るものも多い作品になっています。




おすすめその⑪『天使のくれた時間』(2000年/アメリカ/125分)

【あらすじ】
仕事での成功を目指し、恋人を捨てロンドンへと旅立ったジャックは13年後、その夢を叶え悠々自適な独身生活を送っていた。
ある朝目覚めると、13年前に別れた恋人のケイトが眠っている。
さらにリビングでは2人の子供がおり、自分を見て「パパ」と呼びかける。
ジャックはひょんなことから、「もう一つの可能性の人生」に迷い込んでしまったのだった。



人生は「可能性の分岐」の連続。

人生は「選択の連続」で溢れています。
どの大学を受験するか、どの会社に入るか、または会社を辞める、結婚をする。
人生のあらゆる局面で、私たちは選択を迫られます。

時に苦渋とも言える人生の選択を数多く行ってきたなかで、ふとこんな思いに囚われたことはないでしょうか。
「あの時、あっちを選択していたら、一体どうなっていただろう?」

そんな、大人のファンタジーを映画化したのが、この『天使のくれた時間』。

主人公のジャックは、恋人との生活を捨て、成功を求めて一人、ロンドンへと旅立ちます。
彼がある時、ふいにかかってきた元恋人からの電話を機に、「あの時、彼女との暮らしを選んでいたら、別の幸せがあったんだろうか」と悩み、夜が明けると、なんとその恋人と結婚し、子供まで生まれている「もうひとつの人生」へと迷い込んでしまいます。

この作品の良い部分は、「たられば」の寓話として物語を終わらせないところにあります。
どのような選択を下していたとしても、同じだけ人生には幸せもあるし、同様に辛さもある。
大事なのは、その選択を後悔したとしても、未来に向け今自分がどのように行動できるか、ということ。

悩みや不安を抱える多くの人たちの背中を押してくれる一作です。




おすすめその⑫『マイ・ブックショップ』(2018年/スペイン・イギリス・ドイツ/112分)

【あらすじ】
戦争未亡人のフローレンスは、夫との夢であった書店を開くために、イギリスの片田舎へ引っ越す。
しかし、住人も少なく、女性の開業が認められにくいその町では、彼女の事業はなかなか受け入れられなかった。
ある日、町で唯一といってもいい読書家であるエドモンド氏の存在を知り、経営の後ろ盾となってもらおうとするも、彼は40年間、自宅から一歩も外へ出てこない「引きこもり」だった。



物語のはじまりと終わりには、いつも「人」がいる。

多くの作品を紹介してきたこの記事の最後は、「物語」それ自体をテーマとしたこの作品で締めさせていただきたいと思います。

近年はテクノロジーの発展により、わずかな移動中であっても簡単にインターネットなどで情報に繋がれる社会になりました。
その反対に、「本を読む」人の数は減っている一方だとも言われています。

そんな現代において、改めて「読書」の魅力を説いてみせるのが、この『マイ・ブックショップ』という作品。

1959年のイギリス郊外を舞台に、町で唯一の書店の経営を始める女店主フローレンスの奮闘と、読書を通じた「物語」の力が、徐々に人々に波及していくさまを描いています。

忙しなく回る日々の暮らしに精一杯で、なかなか「フィクション」に手を伸ばす暇が持てない、という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そんな「物語」が時に実人生にも多大な影響を与えることもあるのだ、ということを、優しいタッチと静かな余韻で伝えてくれる作品です。

まとめ)映画を選ぶうえで、「主人公の年代」も要チェック。

ここまで12本の作品を、年代別にご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

映画を観るうえで、「主人公の年代」を意識して鑑賞することは、意外と少ないかもしれません。
しかし作り手がその年代の主人公を設定したことには、それ相応の意味が込められているものです。

その年代の人々が抱えがちな仕事や人生への不安や転換点。
その問題に「物語」としてどのような力を与えることができるのか。

改めて、自分に近い年代の主人公が出ている作品を選んでみると、作品への共感や愛着が、さらに湧いてくるかもしれません。

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