私の管理職体験談:新店舗立ち上げの苦境で私が拠り所にしたのは、「プライド」。
[最終更新日]2023/10/18
これまで、アパレル販売員として、主に婦人衣料を扱う店舗で働いてきました。
あまりバリバリ仕事するタイプではないですが、妻が言うには「若干見栄っ張り」、「プライドが高い」だそうで笑。
若干の自覚はあるものの、一方でそれは仕事をするうえで大いに役立っているとも思います。
休日は子供達と公園で遊んだり家族で買い物に行ったりしています。
楽しみにしていることは、月に一回、県内で職場関係や友人、親戚とゴルフをすることですね。
家族との買い物は、近所にある「ららぽーと」によく行きます。
衣料品専門店を回って競合店の動向をチェックしたり、あとはゴルフショップ、家電専門店、書店などを見て回ったりと、ぶらぶらして過ごすのが好きです。
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chiriさん(男性 40歳)
- 職業
- アパレル
- 職種
- 販売員
- 年収
- 650万円
- 従業員規模
- 200名(うち部下30人)
- 地域
- 埼玉県
Index
目次
アパレル販売員で、やっていこう。
新卒入社から、アパレル販売員として婦人衣料一筋で携わってきました。
接客や売り場作り、発注の基礎から、マーケティング──例えば、店の商圏特性というべき年齢層や世帯収入などで売れる商品が大きく変わることなどを学び、そして仕事に活かしてきました。
20代後半からは、転勤することも多くなりました。
様々な地域・店舗を経験する中で、一緒に働くパートナーさんとのコミュニケーションの大切さを学びました。
例えば、その地域で暮らしているパートナーさんの「最近、街ではこういう服装している人が増えている」等の意見を品揃えに反映させることで、実際に売り上げが上がることが多いこと。
ちょっとしたアイデアって、こうした雑談に近いコミュニケーションから芽生えることが多いんですよね。
社会人なりたてのころの私は、「仕事はスピード重視」という考えでした。
ですが、そうした経験を重ねるうちに「スタッフとのコミュニケーション重視で丁寧に業務を行う」というように意識が変わっていきました。
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「マネージャーに、なってみないか」
私の勤めている会社は業界の中でも大手に入り、マネージャーへの昇進は狭き門でした。
ですので、マネージャーへの昇進はどこか自分には関係ないものという感覚でした。
そんな中、
- 上司
-
「来月から、マネージャーとして頑張ってほしい」
と言われて。
正直、(なんで自分なんだろう?)という想いがあったのですが、当時の恋人、職場のパートナーさん達が喜んでくれた姿を見て、少しずつ実感が湧いてきた記憶があります。
一方で、辞令を受け取ったときに
- 私
-
(こんなに給料が上がるのか…!)
と、大幅に上がった職責給を見て、この給料に見合った仕事が出来るのか、赴任先の店に迷惑を掛けないか、そもそも一人暮らしをしながら役職が務まるのか──といった不安が非常に大きくなりました。
そして、いざマネージャーになって。
面食らったのは、書類業務・事務作業のあまりの多さと、毎日のようにやってくる意思決定。
マネージャーになる前、どんなに気楽に仕事ができていたのかを痛感しました。
マネージャーの仕事はなかなか慣れず、しばらくの間は休日も家に持ち帰った仕事でほとんど潰してしまう有様でした。
「新店舗の立ち上げを、してみないか」
マネージャーに昇進して5年が経ちました。
さすがに5年も経てば仕事も慣れてきます。ようやく安穏な日々を取り戻しつつあった私に、上司は私に新しい辞令を下しました。
それは、「新店舗立ち上げ」でした。
これまでは既存の店舗のマネージャーポジションでしたが、今回は全くのゼロからのスタートです。
- 上司
-
「期待しているから、頑張って」
そう言って上司は笑って励ましましたが、私の方はというと暗澹たる気持ちでした。
- 私
-
(なぜこうやって、次から次へと大変な業務に回されるのだろう…)
新店舗マネージャーと言えば社内の花形業務ではありましたが、その一方で非常に過酷であると知られていたからです。
品揃えから店内のレイアウト・ディスプレイを考える必要がありましたし、更にはいつまでに黒字に持っていくのかという事業計画も求められました。
とにかく、すべてが新しいことだらけで何から手をつければよいか分からず、また手をつけたらつけたで落としどころや決めどころも分からない。
立ち上げ準備の数か月間、上司や新規立ち上げ経験のある先輩社員に質問をしまくりながら、プライベートも殆ど無く心身ともに擦り減らした日々を過ごしました。
正直言って、何度も「逃げ出したい」という気持ちに駆られました。
でも、ここで私が逃げ出したり失敗したりしたら会社は大変な損失を被ってしまいます。また、私自身の評価も一気に下がってしまうでしょう。そうなることだけは、絶対に嫌でした。
──そう、私はこの激務期間を、「何とか成功させたい」というプライドだけで乗り切ろうとしたのです。
なぜ私は、うまく行ったのか?
なんとかかんとかで、新店舗がオープンしました。
オープン日の前日は徹夜でしたし、オープン後はオープニングスタッフの指導やらなんやらでやはり忙しく、このときは20日間ほど休みなしで働いていたと思います。
そして3週間ぶりの休日、張りつめていた緊張が一気に解けた反動か、高熱が出てしまい貴重な休みをつぶしてしまいました。
その後も、数か月間客足が思うように伸びずにやきもきする日が続きましたが、5ヶ月目あたりから段々と売り上げが伸びてきて、ここでようやく一安心することができました。
経験のない私がなぜこんな過酷な時期を乗り切れたかというと、やはり「任せてもらったからには、失敗したくない」というプライドがあったからだと思います。
いつも、ステークホルダーから文句や口出しをされない様に、相手の想定を先回りして少し上のレベルの仕事をするよう意識しました。
たまに面白くないことや辛辣なことを言ってくる人もいます。
そういう時は逆にプライドを持ちすぎるとムキになってしまうので、そこはぐっと堪えて、相手の言い分をフラットに受け止めてみる。
それよりも大変だったのは、「だめかもしれない」、「もう逃げだしたい」という自分自身のネガティブな感情の対処法です。
私は、そうした感情を自分のプライド──「ここでやりきらなきゃ、自分じゃない!」というまったく根拠のない理論で押し通しました。
それが結果、うまく行ったのです。
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マネージャーとして、大切なこととは。
「プライドが大事」と言いましたが、当然それだけあれば仕事がうまく行くわけではないでしょう。
自分のプライドに重きを置きすぎると、その物差しに合わない仕事を許せなくなります。
感情的になり、丁寧に理解させる努力をせず怒りをぶつけたくなるかもしれません。
また、その仕事の仕方ではいずれ周りはついて来てくれなくなります。
例えば、「仕事は、スピードスターであれ」と、入社当時の優秀な先輩に教わりました。
特に上長からの指示は、何よりも優先して終わらせることで評価も上がりやすくなります。
スピードに加えて、さらに丁寧さを持って仕事をこなしていけば、部下やパートナーさん達もその人の背中を見て仕事をし始めるでしょう。
また、いつもニュートラルで謙虚な気持ちで、丁寧にコミュニケーションを図ることで話しやすい雰囲気が醸成され信頼関係が構築できます。
そうした様々な要素の掛け合わせで、私たちの仕事の成果は顕れるのだと思います。
でもやっぱり、ですが、プライド自体は、仕事においてとても大切なものだと思います。
特に、明らかに自分の身の丈に合わない仕事を任されたとき。
プライドを持つからこそ、そこにチャレンジしようとして、そして失敗しないように沢山の苦労と努力を背負えるのだと思います。
プライドとは、「矜持」と表現されることもありますよね。
矜持とは、「自分を信じること」。
マネージャーの仕事は、まず自分自身と信じてあげること。そしてそのうえで、周囲の人たちの助けを受けながら正確かつ丁寧に進めていく──、そうしていくことで、道は開けていくと思います。
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