「密室」映画おすすめ12選
[最終更新日]2022/12/15
新型コロナウイルスの流行により、「三密」という言葉は今や生活の基盤となりつつあります。
人との物理的な距離は、もしかしたら今後の映画の在り方をも大きく変えていくかもしれません。
今回は、「密室劇」をテーマにおすすめ映画を12本選出しました。
映画の中の「密室」では必ず何かが起こる……!
映画を反面教師に、明日からより一層「三密」を意識して生活ができるかも……。
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Index
目次
- 『エグザム』(2009年/イギリス/101分)
- 『CUBE』(1997年/カナダ/91分)
- 『ヘイトフル・エイト』(2015年/アメリカ/168分)
- 『フライトプラン』(2005年/アメリカ/98分)
- 『パニック・ルーム』(2002年/アメリカ/113分)
- 『デビル』(2011年/アメリカ/80分)
- 『フローズン』(2010年/アメリカ/93分)
- 『ATM』(2012年/アメリカ/90分)
- 『キサラギ』(2007年/日本/108分)
- 『フォーン・ブース』(2002年/アメリカ/81分)
- 『エスケープ・ルーム』(2019年/アメリカ/100分)
- 『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/フランス・ベルギー/105分)
- まとめ)密室、それは「出口のない」空間。
『エグザム』(2009年/イギリス/101分)
【あらすじ】
8人は武装した警備員が監視する密室で、白紙の問題用紙と向き合っていた。80分という制限時間のなか、受験者たちは手を組んだりだましあったりして、必死に試験の問題を見つけようとするが……。
大企業の最終試験は、1枚の白紙の中に「答え」を見つけること
ある大企業の最終試験に進んだ8人の男女。
合格者は死ぬまで年俸1億円という高待遇を約束されている。
勇み足で試験会場へと向かった彼らだったが、そこにあったのは白紙の問題用紙と一本のペンのみ。
一体、企業の目的は何なのか……?
企業の最終試験会場を密室に設定する本作は、まずは一つ目の謎である「問題は一体何なのか?」からスタートします。
問題を解きたくても、肝心の問題が「無い」。
受験者同時の会話は許されているものの、相談相手は同時に限られた席を狙う「敵」でもある……。
彼らは疑心暗鬼の中、知恵を絞り、問題に立ち向かっていくのですが……。
日本でも、ユニークな採用方法を取り入れている企業はたくさんありますが、本作の試験は登場人物たちの心理をじりじりと焦がしていく陰湿なもの。
はたして、この試験に合格者はいるのか?
一体、企業はこの試験で受験者の何を「見よう」としているのか?
結末にぜひ驚いてください!
エグザム
調査日:2020/08/26
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
『CUBE』(1997年/カナダ/91分)
【あらすじ】
ある日突然、無機質な立方体の部屋で目を覚ました6人の男女。部屋には6つのハッチがあり、それぞれ別の立方体に繋がっている。自分たちが閉じ込められている理由も脱出方法もわからないまま、出口を求めて移動を続ける彼らだったが、中には殺人トラップの仕掛けられた部屋もあるようだ。やがて彼らは、安全な部屋を見つける法則を発見するが……。
あまりに不条理な密室劇の代表作
「見知らぬ場所に閉じこめられ、そこから決死の脱出を図る」というプロットを一躍有名にしたのが、本作『CUBE』。
タイトルにある通り、謎の立方体の中に閉じこめられた6人の男女が、脱出を試みる。
立方体は各面にハッチがあるものの、どこを開けても同じような立方体に繋がってしまう。
さらに各部屋にはトラップが仕掛けられており、まともに食らえば命の保証はない。
本作が密室映画の先駆け的作品でありながら、それから幾度も更新されるづける類似作品にはない魅力を放つ理由は、本作が持つ「不条理さ」にあります。
誰が、何の目的で、なぜ彼らを選んだのか?
そしてこの部屋の意味は?
それらの問いは宙に放られたまま、物語は淡々と進んでいきます。
「答えのない不条理」はそのまま人生の暗喩にも思えますし、密閉された空間で徐々に浮かび上がってくる人間の狂気には目を見張るものがあります。
CUBE
調査日:2020/08/26
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『ヘイトフル・エイト』(2015年/アメリカ/168分)
【あらすじ】
雪が降りしきる中で馬を失った賞金稼ぎマーキスは、同じ稼業であるジョンと彼が捕らえたデイジーを乗せた駅馬車に同乗する。途中で保安官を名乗るクリスを拾った馬車は、猛吹雪から避難するためにミニーの紳士洋品店へ。メキシコ人の店番ボブや怪しげな絞首刑執行人オズワルドなどの存在にジョンが強い警戒心を抱く中で、事件が起こる。
タランティーノが挑む密室殺人の驚天動地の種明かし
『パルプ・フィクション』『キル・ビル』などで知られるクエンティン・タランティーノ監督が、密室ミステリーに挑んだ『ヘイトフル・エイト』。
本作の舞台は南北戦争から数年後の雪山。
賞金稼ぎのマーキスは、賞金首であるデイジーを捕まえ、連行している最中に猛吹雪に遭い、山小屋で夜を凌ぐことにする。
やがて同じように山小屋に押し寄せたのは、保安官やカウボーイ、処刑人など一クセある9人。
吹雪の夜、何者かによって一人が殺害されたことから、残る8人による推理合戦が始まる。
古典的な「密室殺人」のプロットに乗って紡がれるストーリーは、当然のことながら「この中の誰が犯人なのか」観客は頭をフル回転させることになります。
しかしそこは鬼才タランティーノ監督、中盤で明かされるミステリーの掟を破りかねない超展開を挟んで以後は、本作は完全なる西部劇アクションと化します。
タランティーノ作品特有のダラダラ会話も健在。
映画の面白さがすべて詰められた約3時間の上映時間も気にならないジェットコースタームービーです!
ヘイトフル・エイト
調査日:2020/08/26
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『フライトプラン』(2005年/アメリカ/98分)
【あらすじ】
夫を不慮の事故で失い、その遺体を故郷のニューヨークに還すため、自身が設計した最新鋭旅客機に搭乗した飛行機設計士のカイルだが、フライト中に居眠りをした隙にひとり娘が姿を消してしまう。乗員や乗客は誰も娘を目撃していないというが……。
大空のど真ん中で姿を消した娘
飛行機は目的地に向け、乗客を安全に運んでくれる。もはやそのことに疑いを持つ人はいないでしょう。
ましてや上空1万メートルで、人が消えるはずがない。しかし、もしそれが起こってしまったら……。
映画『フライトプラン』は、高度1万メートルを飛行中のジャンボ機を密室に仕立て、消えた娘を探す母親の孤軍奮闘を描きます。
本作の特異な点であり、同時に魅力的なのは主人公の母カイルの人物造形です。
夫を不慮の事故で亡くしたばかりの傷心を抱えながら、愛する娘のために気丈に振る舞う母親としての一面と、飛行機設計士としての知的なキャリアウーマンの一面を併せ持つ彼女。
そう、本作の舞台であるジャンボ機もまた、カイル自身の設計によるもの。
娘など始めから存在しなかったかのように振る舞う乗客や客室乗務員らの態度に不信を抱いたカイルは、自身の設計だからこそわかる死角を突いて、娘の行方を追っていきます。
「そもそも人が消失するなどあり得ない状況下」では、たとえ犯人ですらもその姿を消すことはできない。
謎解きサスペンスとアクションが融合した手に汗握る作品です。
フライトプラン
調査日:2020/08/26
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『パニック・ルーム』(2002年/アメリカ/113分)
【あらすじ】
夫と離婚し、娘と住む新居に越してきたメグは、その夜、強盗団の侵入に気づき、娘とともにパニック・ルーム=緊急時の避難用個室に逃れる。が、引っ越ししたばかりのこの部屋の電話がまだ通じていない。しかも、強盗の狙う大金はこの部屋に隠されていた。
部屋を出たら最後。泥棒と家主の決死の持久戦
『セブン』『ゾディアック』など、サスペンス・ミステリー映画の名手であるデヴィッド・フィンチャー監督による2002年の作品。
雨の夜、母と娘2人が住む豪邸に3人組の強盗が侵入。
それに気づいた母は娘と二人、パニック・ルーム=隠し部屋に身を潜めるが……という物語。
この作品、従来の強盗映画であれば、犯人が部屋に立てこもるのが常ですが、被害者側が立てこもるという逆転の発想が、物語に緊張感を与えています。
隠し部屋の中には強盗たちが狙う「ある物」と同時に、家中を監視するモニターも設置してあり、母メグは強盗たちの動きを観察しながら、娘を守るために孤軍奮闘する。
主演は『羊たちの沈黙』で「闘う女性」像がすっかり板についたジョディ・フォスター。
本作でも知性と身体性の高さにより、絶体絶命の状況から強盗たちを窮地に陥れていきます。
本作はカメラワークも斬新で、舞台となるこの豪邸がどのくらいの広さの空間であるのかを、這うようなカメラワークで自然と観客に印象付けています。
果たして彼女たちは、この最悪の夜を無事に明かすことができるのか。
パニック・ルーム
調査日:2020/08/26
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『デビル』(2011年/アメリカ/80分)
【あらすじ】
アメリカの大都市にある高層ビル内のエレベーターに5人の男女が閉じ込められる。一見、普通の事故かと思われたが、エレベーター内では不可解なことが連続して発生。やがて、乗客5人のうちのひとりが人間ではなく悪魔だということがわかり……。
「エレベーター」の持つ「不気味さ」を表出させたスリラー
私たちの身近にある密室……それは「エレベーター」。
見知らぬ他人同士がつかの間同じ空間に身を寄せ合うのは、当たり前でありながらもよく考えるとある種の緊張感も同時に孕んでいます。
そんなエレベーター内で起こるアクシデントを描いたのが、『シックス・センス』のM・ナイト・シャマランが製作総指揮を務めた本作『デビル』です。
ある高層ビルで、男性が墜落死を遂げる。それと時を同じくして、同ビルのエレベーターに乗り合わせた5人の男女が閉じこめられてしまう。
この2つの事件の間には関連性があるのか?
やがて浮かび上がる衝撃の事実、それは「乗客の1人が人間ではない」ということ。
舞台を狭いエレベーター内のみに絞ったことによって、各登場人物の心の内が徐々に浮かび上がってくると同時に、観客もまた、この密室内に共に存在しているかのようなドキドキを味わうことができます。
しばらくエレベーターに乗る時は肩に力が入ってしまいそうな、密室ホラーの佳作です。
デビル
調査日:2020/08/26
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『フローズン』(2010年/アメリカ/93分)
【あらすじ】
スキー場にやってきたダン、ジョー、パーカーの3人は、日暮れ前に最後の滑りを楽しもうとリフトに乗り込むが、山頂への途中でリフトが停止してしまう。大声で助けを呼ぶが届かず、地上15メートルの空中に置き去りにされてしまう。ゲレンデが営業を再開するのは1週間後。3人は食料不足とマイナス20度の極寒に耐え切れず、何とか脱出を試みるが……。
極寒のリフトの上に取り残された3人。動かなければ凍死、眼下には狼……
冬の行楽といえば「スキー」。
美しいゲレンデ、こだまする嬌声。
しかし、そんな夢の一日にすらも「密室」は潜んでいる……。
タイトルからして寒そうな本作は、スキー場のリフトに取り残されてしまった3人の男女の極限状態のサバイバルを描いたスリラー映画です。
視界は開けているにも関わらず、地面まではかなりの高さがあるために、容易に飛び降りることはできない。
おまけに外は凍えるような寒さ。スキー場の再開は一週間後……。
これだけの悪夢のようなシチュエーションを詰め込んでおきながらも、この映画はまだ許してくれません。
人気のなくなった山の中を駆け回るのは、血に飢えた狼たち。
果たして彼らは、この悪夢のような現状から脱出できるのか?
皆さんも、閉園間際のリフトに乗り込むのは、くれぐれもやめておきましょう……。
『ATM』(2012年/アメリカ/90分)
【あらすじ】
投資会社に勤務するデビッドと同僚のエミリー、コーリーの3人は、クリスマスパーティの帰り道、現金を引き出すためATMに立ち寄る。しかし、そのATMにはある罠が仕かけられており、デビッドらはATMに閉じ込められてしまう。真冬の極寒の夜、ATMから脱出するため、デビッドらは犯人が仕かけるゲームに挑むが……。
市民のライフラインのATMは、時に命懸けの舞台となる
映画の中では、あらゆるシチュエーションが「密室」になり得る。
そして「密室」は、実生活に根差した場所であればあるほど、怖い。
本作『ATM』は、その名の通り、ATMから脱出しようと足掻く男女3人組と、ATMの外にいる「何者か」の攻防をスリリングに描いていきます。
防犯カメラも設置され、一見安全な場所に思えるATMですが、何者かは巧妙にカメラの死角を狙って攻撃を仕掛けてくる。
「朝まで待てば誰かが気づいてくれるだろう……」
彼らの願いは虚しく、密室と化したATMに大量の水が投入されはじめ、3人の自由を奪っていく。
全編ATM内のワンシチュエーションで展開し、画的には変わり映えはしませんが、次々と襲い来るトラップの数々に、90分という上映時間も飽きることなく没頭できるます。
一捻りあるラストにも唸らされる、意外にも(?)よくできたB級作品です。
ATM
調査日:2020/08/26
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『キサラギ』(2007年/日本/108分)
【あらすじ】
売れないグラビアアイドル如月ミキが自殺して1年、彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元、オダ・ユージ、スネークら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め……。
なぜ彼女は死んだのか? 会話の中から生まれる真相とは
日本映画からも巧みな密室劇を一本。
演劇ユニット「48BLUES」によって上演された演劇をもとに、『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』などの古沢良太が脚本を務めました。
主な登場人物は5人。
彼らは共通のアイドルのファンで、ファンサイトを通じて知り合った。
一年前に不慮の事故で亡くなってしまった彼女の死を悼み集まった彼らでしたが、彼女への愛を語るうちに、徐々に「本当は彼女は事故死ではないのでは?」「この中に、彼女を殺した犯人がいるのでは?」という疑心に駆られていく……。
主演の小栗旬を筆頭に、小出恵介、ドランクドラゴンの塚地武雅、ユースケ・サンタマリア、香川照之という癖のある俳優たちによる小気味良いやり取りが本作の要で、彼らの何気ない会話の端々が、後の彼女の死の真相へと収斂されていく手腕は、今や人気脚本家となった古沢氏ならではのものです。
コミカルとサスペンスが絶妙な塩梅で調合された本作を、ぜひお楽しみください。
『フォーン・ブース』(2002年/アメリカ/81分)
【あらすじ】
自称一流パブリシストのスチュが、公衆電話の受話器を置いた途端にベルの音が。思わず受話器を取ると、正体不明の人物が彼を脅迫、電話ボックスをライフルで銃撃する。いったい誰が何の目的で?
たまたま受話器を取ってしまっただけなのに。巻き込まれ型サスペンスの佳作
携帯電話の普及と共に、徐々に街中から姿を消していった公衆電話。
しかし、2002年時点ではまだその存在は珍しくなく、電話ボックス=フォーン・ブースを舞台に、ある傑作密室劇が誕生しました。
マンハッタンのど真ん中にある全面ガラス張りの電話ボックス。
たまたまそこを通りかかった主人公のスチュは、鳴り響くベル音に誘われ、何気なく受話器を取ってしまう。
「今、ライフルで君のことを狙っている」
スチュにとって、人生最悪の一日が、こうして幕を開けたのでした。
人一人が入るのがやっとの電話ボックスは「これぞ密室」と誰もが納得する空間でしょう。
偶然にもその中に入ってしまったがゆえに、命を狙われることになってしまうシチュエーションは、公開当時「誰の身に起きてもおかしくない出来事」として、多くの観客の心を掴みました。
また、「相手からは存在を認知されているが、こちらからはその姿が見えない」という一方的な「見つめられる」構成により、スチュが「出たくても外に出られない」心理状態をより説得力あるものとして描いています。
画的な退屈さを避けるため、同時進行で様々な人間模様が交錯していく脚本も見事で、ラストに姿を現す犯人役のキャスティングの「意外性」にもサプライズの待つ、傑作サスペンスです。
フォーン・ブース
調査日:2020/08/26
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
『エスケープ・ルーム』(2019年/アメリカ/100分)
【あらすじ】
謎の送り主からの招待状に応じて賞金1万ドルの懸かった体験型脱出ゲームに参加することになった、内気な理系女子大生ゾーイ、冴えないフリーターのベン、元陸軍兵士のアマンダ、裕福な投資家ジェイソン、中年のトラック運転手マイケル、ゲーム愛好家のダニー。6人がシカゴの高層ビルに集まると、外界から隔絶された部屋に閉じ込められ、何の前触れもなく突然ゲームがスタートする。姿の見えないゲームマスターの仕かけた命懸けのゲームに翻弄される6人は、死に物狂いでゲームを進めていくうち、それぞれが過去に大惨事に遭い、その場で唯一の生存者だったという共通した過去を持っていることが明らかになる。
出られなければ死。命を懸けた究極の脱出ゲーム
元々はWeb上のネットゲームとして人気を博した「脱出ゲーム」ですが、近年では生身のプレイヤーが謎解きと脱出に挑むアトラクション型の「リアル脱出ゲーム」も人気です。
そんな「リアル脱出ゲーム」を基に映画化したのが本作『エスケープ・ルーム』です。
謎の招待主から「賞金1万ドル」を賭けての脱出ゲームへ招待された6人。
性別・年齢・職業も異なる彼らは、細部まで作り込まれた部屋に興味津々でしたが、ゲームのスタートが告げられた瞬間、四方から強烈な熱線が放出され、徐々に身を焼かれていく。
本作の特徴は、「脱出ゲーム」を題材にしつつも、「謎解き」に主軸を置いていない点です。
そのため、観客として謎解きに「参加」する感覚で本作を鑑賞すると、少々物足りなく感じてしまうかもしれません。
本作の見どころは、各部屋に散りばめられた謎が、参加者一人一人の「過去のトラウマ」に解決のヒントが隠されていること。
生きて部屋を出るためには、己のトラウマと向き合い、乗り越えていくしかない。
次から次へと現れる死のトラップを前に力を合わせる登場人物たちを、きっと応援したくなるはずです。
エスケープ・ルーム
調査日:2020/08/26
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(2019年/フランス・ベルギー/105分)
【あらすじ】
フランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売に向けて、9人の翻訳家が集められた。翻訳家たちは外部との接触を一切禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿を翻訳していく。しかしある夜、出版社社長のもとに「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。
人質はベストセラー小説の最新作。犯人は、9人の翻訳家の中に?
ダン・ブラウンによる世界的ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』。
シリーズ最新作である『インフェルノ』の翻訳者たちは、ネタバレ厳禁を敷かれたうえで、地下室に2か月間軟禁されたという……。
この衝撃の実話に端を発して製作されたのが、本作『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』です。
人気ミステリー小説『デダリュス』シリーズ最新作の翻訳を任されることになった、各国の9人の翻訳家たち。
世界中がその発売を熱望する作品を「最初の読者」として触れられる立場にある彼らは、情報を絶対に外部へ持ち出さないよう、携帯機器は没収、かつ地下施設へ軟禁状態で2か月間の翻訳業務にあたることに。
しかし、ある日出版社の社長宛に「『デダリュス』最新作の原稿を流出させる」という脅迫メールが。
情報の出所は、9人の中以外にあり得ない。疑心暗鬼に陥る彼らは、次第に精神のバランスを崩していく……。
本作の架空のミステリー小説『デダリュス』は、「詩情に溢れた筆致と、驚愕の展開」により世界中の読者を虜にした、という設定。
そしてこの映画の造りもまた、「文学者として」のかれらの矜持を描きつつ、二転三転どころではないエッヂの利いたストーリーテリングによって、観客を「ミスリード」させていく。
結末はほぼ予測不可能な本作。
上質なミステリーの結末を、ぜひ見届けてみてください。
9人の翻訳家 囚われたベストセラー
調査日:2020/08/26
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
まとめ)密室、それは「出口のない」空間。
様々なシチュエーション別に12本の「密室映画」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
空間の大小に限らず、「出口が見当たらなければ」そこは密室となり得るのです。
そして「密室」を活かした映画はいずれも脚本が凝っており、たくさんの驚きに満ちていることでしょう。
これを機会に、ぜひ「出口のない」密室映画の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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