【朝礼のネタ】アイディアが出ないときの発想法・意識したいこと

[最終更新日]2022/12/15

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Speech:アイデアが出ない時の発想法

商品企画などでアイディア出しをするとき、「良いアイディアがなかなか出てこない」と感じたことがある人は多いのではないでしょうか。アイディアが次々と出てくるタイプの人が身近にいると、よけいに「自分もアイディアが出せるようになりたい」と感じるはずです。アイディアを出すには、どのようなことを意識したらいいのでしょうか。

今回は、朝礼スピーチで話すテーマとして「アイディアを生む方法」について取り上げます。スピーチの切り口や話題の一例として、ぜひ参考にしてください。

急いでいる方は気になるネタを押してください

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朝礼のネタ:考えを掘り下げ問題解決につなげる「なぜなぜ分析」

「なぜなぜ分析」って何か分かりますか?

皆さんは「なぜなぜ分析」についてご存知でしょうか。なぜなぜ分析とは、トヨタで行われている「1つの事象に対して5回『なぜ』をぶつける問題解決法」のことです。物事の原因を分析するとき、「なぜだろう?」と考えることは誰しもあるはずですが、一度だけの「なぜ」で終わることなく、5回、あるいはそれ以上繰り返して「なぜ」をぶつけ、本質に迫っていくのがポイントです。

もともとは事故やミスの原因を突き止め、再発防止に役立てるための発想法だったそうですが、この方法はアイディア出しにも利用することができます。

たとえば、皆さんは東京ディズニーランドに行ったことがあるでしょうか?混んでいると分かっている場所にわざわざ出かけたいと思う人は少ないはずですが、多くの人がディズニーランドを訪れています。なぜ混んでいる場所が嫌かと言うと、アトラクションに乗るために並ばなくてはいけないという問題があるからです。

なぜ並ぶのが嫌なのでしょうか?それは、並んでいる時間がとても長いからです。では、なぜ長い時間並びたくないかを考えると、その時間が退屈だからという問題が浮かび上がってきます。なぜ退屈なのかと言うと、行列に並んでいる間の時間が単調だからなのです。

なぜ単調な時間になるのでしょうか?それは、並ぶためのスペースもアトラクションの一部にするという発想が従来の遊園地にはなかったからです。ディズニーランドは並んでいる間も来場者を楽しませる工夫を凝らすことで、混雑という問題の本質を解決することに成功しているのです。

皆さんも、考えを掘り下げて問題解決につなげる「なぜなぜ分析」をぜひ活用してみてください。

朝礼スピーチのコツ)「1スピーチ1トピック」をルールにしよう

朝礼スピーチでは、ごく限られた短い時間内で言いたいことを伝える必要があります。そのため、あまりに大きすぎるテーマや、多すぎる情報量を伝えようとすると、聞いている人にとって分かりづらいものになりがちです。テーマはできるだけ絞り、伝えたいことだけを集中的に話すのが理想でしょう。

たとえば「アイディア出し」というテーマは広すぎるため、1つの発想法に絞って紹介するなど、範囲を絞って話すことで伝わりやすいスピーチになります。1回のスピーチで伝えるトピックは1つと決めておき、テーマを絞り込んで話すことで、言いたいことがはっきりと伝わります。

このように「1スピーチ1トピック」をルールとして決めておくと、スピーチのテーマが広がりすぎるのを防ぐことができます。

朝礼のネタ:自由なアイディアを生むためには「制限」が必要

アイデアを生み出すためには、あえて「制限」を設けることも必要なんです。

皆さんは、自由なアイディアを生み出すために必要なことは何だと思いますか?矛盾するようですが、実は自由なアイディアを生むには「制限」が必要です。とくに時間と範囲を制限することで、かえってアイディアが出やすくなるケースは少なくありません。今日は、私たちのチームが先月行った業務改善の事例をご紹介します。

これまで、部署内で何度か業務改善について話し合ってきました。毎回、業務改善のために会議を開き、ブレインストーミングで各自が自由に思うところを述べて、自由な意見が出るようにしてきたのです。ところが、毎回さまざまな意見が出るものの、「こんなことができたらいいのに」といった壮大な話になりがちで、具体的に何をするかが決まらない状態が続いていました。

そこで、私たちは思い切って時間と範囲に制限を設けました。具体的に何をするかを決めるまでの会議は2回まで、しかもテーマを「整理整頓」に絞ったのです。それまではどこか自分事として考えることができていなかったメンバーも、整理整頓となると自分のデスク回りや各自のロッカーを整理することに意識を向けやすくなり、具体的な行動レベルで改善策を考えやすくなりました。

さらに、決定までに会議を開くチャンスは2回しかないとなると、必然的に次の会議でのゴールを意識するようになりました。その結果、紙の資料が多すぎるという共通認識を持つことができ、会議資料のペーパーレス化へと結びついたのです。

制限があるからこそ自由に考えられるとは逆説的なようですが、アイディアを出す際にはすぐに活用できる考え方です。ぜひ、制限を設けることでアイディアを膨らませてみてください。

朝礼スピーチのコツ)スピーチの「型」を決めておこう

良いスピーチには、一定の「」があります。冒頭で「私は○○について知りました」「○○について知っていますか?」とテーマのエッセンスを告げたのち、「最近、○○の体験をしました」と実体験に絡めて具体例を挙げます。そして、「だから○○と思います」と結論を述べるのです。このような展開を意識することでスピーチが論理的になり、聞いている人にとって理解しやすいものになります。

とくに、中盤で体験談を絡めることによって、一般論に留まらない具体的な活用方法がイメージしやすくなる効果があります。朝礼スピーチを考えるときには、この「型」を元に構成することによって、伝わりやすいスピーチを短時間のうちに組み立てられるようになるのです。

朝礼のネタ:良いアイディアを出すための「真似」の仕方

独創的なアイデアほど、その根底は「誰かの真似」であることが多いのです。

皆さんは「真似をする」と聞いて、どんな印象を受けるでしょうか?人の真似をしているようでは独創的なアイディアなど出ないと思われがちです。しかし、実は良いアイディアを出すために「真似」をすることが重要な場合があるのです。今日は、真似をすることで良いアイディアに結びつくことについてお話しします。

職場にお菓子が入った小さな引き出しが置かれている「オフィスグリコ」というサービスをご存知でしょうか。社内で誰でも好きなときにお金を入れればお菓子を持って行ってよいというサービスなのですが、この仕組みは野菜などの無人販売所からアイディアを得たものだそうです。このように、一見すると関係のなさそうな分野から着想を得たことで、ユニークなアイディアに結びつくことがあるのです。

関係がなさそうな分野からアイディアを得た事例をもう1つご紹介します。回転寿司チェーンの「くら寿司」には、5皿に1回「ビッくらポン」というゲームに参加でき、当たりが出たらガチャ玉がもらえるサービスがあります。ゲームと寿司と聞くと何の関係もないように思えますが、「次こそ当たりを出したい」といったゲーミフィケーションの心理を回転寿司に応用することで、思わずたくさん食べてしまう仕組みになっているわけです。

まだ世の中になかった全く新しいアイディアを絞り出すのはハードルが高いのですが、関係のなさそうな分野のアイディアを模倣すれば化学反応を起こせるかもしれません。仕事においても、関係のない分野の知見が活かせる場面があるはずですので、いろいろなことに広く興味を持って知見を広げていきたいと思います。

朝礼スピーチのコツ)良いスピーチの真似をしよう

マラソンを1人で走るよりも、自分と同じぐらいのタイムの人と一緒に走ったほうがタイムを縮められることが多いそうです。身近に目標となる人がいることで、自分の能力をより高める効果があるのです。

スピーチに関しても同様のことが言えます。皆さんの身近に、話すのが上手な人はいませんか?スピーチが上手な人を密かに目標にし、話し方やスピーチの組み立て方を真似していくことで、話し方の技術をより効果的に向上させることにつながります。身近にそういった人がいなければ、TEDなどのプレゼンを参考にしてもいいでしょう。

スピーチのテクニックや話しぶりは、「百聞は一見にしかず」の世界です。良質なスピーチを見て学ぶことで、スピーチに必要なスキルが底上げされていくのです。

朝礼のネタ:アイディアをひらめくためには「手放す」タイミングが必要

良いアイデアは「あえて忘れる」ことから生まれる場合もあります。

突然ですが、皆さんがアイディアをひらめくのはどんなときですか?机の前で長い時間考え抜いて、メモや付箋に埋もれているうちに、ようやく良いアイディアにたどり着いた、といった経験のある人もいるかもしれません。今日は、良いアイディアをひらめくためには「あえて忘れる」ことも必要というお話をしようと思います。

11世紀の中国で政治家や文学者として活躍した欧陽脩(おうようしゅう)という人物は、アイディアをひらめく場所を3つ挙げています。それは「馬上」「枕上(ちんじょう)」「厠上(しじょう)」、つまり、移動中・布団の中、トイレの中、だというのです。いかがでしょうか?皆さんも経験上、何となく思い当たるところがあるのではないでしょうか。

たしかに、私自身も資料を読み込んで根詰めて考えていたときは思い浮かばなかった考えが、電車で移動している最中にふと浮かんできて慌ててメモしたことがあります。人の脳は不思議なもので、集中して考え続けるだけでなく、リラックスした状態のときにアイディアが浮かぶこともあるのですね。

リラックスすることがアイディア創出に結びつくのであれば、自分がリラックスしやすい場所を確保しておくことも大切かもしれません。ひらめきが必要なとき、あえて忘れる時間を作るためにリラックスできる場所はありますか?そういった自分だけの「ひらめき空間」を持っておくと、アイディア出しが必要なときに役立つかもしれません。

朝礼スピーチのコツ)スピーチの締めは「おすすめ」「問いかけ」「紹介」のいずれかでまとめよう

スピーチで印象に残りやすいのは「締め」の部分です。人はまとまった話を聞いたとき、最後に聞いた言葉ほど頭に残りやすい傾向があるからです。よって、スピーチの構成を考える際には「締め」をどうするかが重要になります。

良いスピーチだったと実感してもらいやすい締めにするには、自分に関係のある情報だと実感してもらえるフレーズを入れることです。自分に関係のある情報と実感してもらいやすいフレーズには「〜していきましょう(おすすめ)」、「〜はいかがしょう(問いかけ)」、「ぜひ〜してください(紹介)」の3パターンがあります。いずれかのフレーズでスピーチを締めくくることで、スピーチ全体が引き締まりまとまりやすくなります。

まとめ)朝礼スピーチで「アイディアの出し方」をネタにするとき知っておきたいこと

アイディアの出し方について、4つの切り口で構成したスピーチを紹介してきました。ぜひ自分の体験や考えを盛り込んでいただき、良いアイディアを出すために役立つスピーチ原稿を作ってみてください。

アイディアの出し方を朝礼スピーチのテーマに選ぶ際、予備知識として知っておくと役立つトピックを最後に三つ挙げておきます。スピーチを考えるときのヒントとして、スピーチ原稿を書き上げた後のチェック用として活用してください。

アイディアは、何もないところから生まれるものではない

「アイディアを出す」と聞くと、全く新しい未知の発想が求められているように感じている人は少なくありません。これまで誰も考えたことのない斬新な発想を求められるのはハードルが高いため、「自分は良いアイディアを出すことが苦手だ」と思い込んでしまいやすくなるのです。

しかし、アイディアとは必ずしも「無から全く新しい何かを考え出す」こととは限りません。むしろ、良いアイディアと呼ばれるものの大半が既存の要素を組み合わせたものです。1つ1つは多くの人が知っていることであっても、独自の組み合わせやこれまでなかった組み合わせを考案することによって、新たな価値を生み出す場合があるのです。

とくに、多くの人が知っている一般的な知識と、専門性の高い特殊知識を掛け合わせることによって独自性が強まり、他にはないアイディアとなることがあります。何もないところからアイディアを探そうとするのではなく、新しい組み合わせを探すことを意識しましょう。

アイディアが出るまでには決まったプロセスがある

良いアイディアは偶然出てくるものではなく、決まったプロセスを経て生み出されるものです。具体的には、次の5段階を経てアイディアが実を結ぶとされています。

アイディアが生み出される5つの段階・資料収集・咀嚼・放棄・誕生・適用

資料収集 アイディアを生むために必要な情報を集める段階です。アイディアが求められている分野の専門的な資料だけでなく、直接関係がないと思われる一般的な資料も含めて情報を集めます。

咀嚼 収集した資料を解釈し、自分の思考へと落とし込むために抽象度を高めるプロセスです。一見関係のないことであっても、互いに関わり合っているかもしれない、といった目で見ていくことが大切です。

放棄 いわゆる「ひらめき」のための準備にあたるプロセスです。せっかく収集し咀嚼してきた情報ですが、いったん投げ出して想像力や感性をエキスパンドさせることに集中します。

誕生 ひらめきはリラックスした状態で生まれることが多いと言われます。収集してきた情報と、自身の想像力が掛け合わされて、新しいものが生まれる瞬間です。

適用 優れたアイディアであっても、ひらめいただけでは「just idea(ただの思いつき)」に過ぎません。企画書や提案書にまとめるなどして、具体的な行動に移していくことで、アイディアを具現化するためのスタートラインに立つことができるのです。

ひらめきを得るには、自分が今どのプロセスに位置しているのかを知ることが大切です。なかなかアイディアが出ないときは、根詰めて考えるよりも休息を取るなど別の方法を取ったほうが効果的なケースもあります。

アイディア出し(咀嚼)に行き詰まったら試してみたい発想法

アイディア出しの段階(前述の5つの段階における「咀嚼」のプロセス)で行き詰まってしまうことはめずらしくありません。そんなときは、思考を整理するための次のような発想法があることを知っておくと便利です。

アイディア出しに役立つ4つの発想法・KJ法・希望点列挙法、欠点列挙法・マンダラート・ブレインストーミング

KJ法 付箋マッピング法とも呼ばれる方法で、思いつくままにアイディアを付箋に書いていき、グループ分けした上で不要な要素を取り除きつつ順序を並べて整理していきます。

希望点列挙法、欠点列挙法 「どうすればより良くなるか」「どんな欠点があるか」を思いつく限り書き出していく方法です。列挙した要素からアイディアに結びつくものを拾い出していきます。

マンダラート 3×3の9マスの中心にテーマを書いておき、そこから派生する言葉を配置していく方法です。連想によってアイディアを生むヒントとなる課題を見出していきます。

ブレインストーミング 与えられたテーマに対して、互いの意見を否定・批判せず自由に発言する方法で、グループで行うアイディア出しとして有名です。アイディアの選択肢をできるだけ増やし、選択肢を増やしておきたい場合に効果的な方法です。

どの発想法が優れている、というわけではないので、アイディア出しに関わる人の数やテーマの大きさなどに応じて、どの発想法を活用するかを選ぶといいでしょう。

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