管理職は「アイコンタクト」を極めるべし! 部下・顧客からの好感度が上がる目線の操り方
[最終更新日]2023/11/03
ビジネスシーンにおいて、聞き手の関心を高め、相手の気持ちを引きつけることができるスキルほど必要なものはないかもしれません。そして、それはビジネスにおいてだけではなく、プライベートでも役立つ能力でしょう。
そのスキル、具体的に言えば「アイコンタクトの仕方を駆使する力」なのです。
アイコンタクトを意識することは、イメージ操作に繋がります。それもまた、ビジネスでは重要なテクニックと言っても過言でありません。
「意識すること」を繰り返して、目線をコントロールできるようになりましょう。
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アイコンタクトで印象や雰囲気は大きく変わる!
とくに京都の老舗において根付いている「三配り」をご存知でしょうか。 顧客に対してではなく、社内の人間関係において重要視されているもので、円滑なコミュニケーションとスムーズな業務遂行を実現するための「目配り」「気配り」「心配り」を指します。一緒に働くためには、お互いの信頼関係が不可欠だという事例のひとつです。 仕事の現場で欠かせない信頼関係を築くのに忘れてはならないのが、アイコンタクト=目を合わせること。上手なアイコンタクトは、好印象を与え、場の雰囲気を一瞬で変える力を秘めています。 目を合わせるのが照れくさかったり、居心地が悪かったりする場合もあるかもしれませんが、苦手意識を克服するためにも、まずは自分自身がふだんどのような目線でコミュニケーションを取っているか意識することから始めてください。 そして、アイコンタクトの必要性を理解した上で、正しい目線の操り方を習慣化させましょう。
「目は口ほどにものを言う」から学ぶこと
わが国の慣用句に、「目は口ほどにものを言う(=情をこめた目つきは口で話す以上に強く相手の心を捉える/広辞苑)」という表現があります。 言葉に出さなくても、目の表情で相手に気持ちを伝えられる。さらには、言葉で上手くごまかしたとしても本心が目に表れるといったニュアンスで遣うケースもあります。 慣用句は、いつの頃からか人々の間で語り継がれてきたもの。それだけに、お国柄はもちろん、風俗、習慣、ものの見方や考え方をよく反映しているといえるでしょう。 人の喜怒哀楽といった感情はとても顕著に目に表れる――そう我々が捉えているという証だと考えられます。
目線ひとつで与えるイメージをコントロールする
マザー・テレサが来日したとき、たまたま見かけたホームレスに対して優しい視線を向けただけで、そのホームレスが感動のあまり泣いてしまったという逸話があります。このことから、いつしか彼女のような相手を優しく包み込むまなざしのことを「エンジェル・アイ」と呼ぶようになりました。 瞳は確実に自らの心の中を映します。だからこそ、優しさを湛えた目で見つめるだけで、自らのイメージを良くすることができるのです。 目線だけではなく、柔らかい表情を意識することで、その場に安心感が生まれます。落ち着きを伝えられるため、ゆっくりとまばたきをすることも効果的です。 大切な人や楽しいことを思い浮かべながら、エンジェル・アイでのアイコンタクトを!
アイコンタクトのテクニック
聞き上手はアイコンタクトのスキルが高いと考えられます。なぜなら、スマートなコミュニケーションにおいてアイコンタクトは必須だからです。 アイコンタクトは、「ちゃんと聞いていますよ」という意思表示。話を聞く姿勢を見せて、相手の好意を引き出すことが大事なのです。 日本には「以心伝心」という価値観があり、いちいち言わなくても意志が伝わることを良しとする傾向にあります。ですが、ことビジネスのシーンにおいては、アイコンタクトを積極的に取り入れていくべきでしょう。
ずっと見るのはNG!目線合わせは「2、3秒」を意識する
必死になって話せば話すほど、懸命に伝えようとすればするほど、聞き手をしっかりと見つめ続けがち、ということはありませんか? 同時に、姿勢も前のめりに。 そうすると、どうしても押し付けがましい印象を与えてしまい、相手はその圧迫感から逃れたいと感じてしまう危険性があります。熱意があっても、それが相手に威圧感をもたらしてしまったら台無しです。 心理学的には、適切なアイコンタクトの秒数はたったの2、3秒だといわれています。これは目力の有無や顔立ちの濃淡によって前後しますが、何より肝心なのは相手に息苦しさを感じさせないこと。 見つめすぎにはくれぐれもご注意を。
その場に関わっている全員への働きかけを心がける
例えば、顧客である企業で提案をする際、皆さんならどんな工夫が有効だと思いますか? 分かりやすい資料の作成? 事前の情報収集? もちろん、それらの準備は必要なこと。ですが、商談などの場で提案内容と熱意を過不足なく伝えるためには、話し方こそが重要なのです。 では、どのようにしたらより聞き手に想いが伝えわるプレゼンテーションができるのでしょうか。 ① 相手の目をずっと見つめていると相手も話しづらいため、基本的には資料を見ながら説明する ② 意思決定者の方を見て説明し、それ以外の部下とは時々目を合わせる程度にする ③ 聞き手全員に順番に目線を向けながら話す さて、どうですか。 熱意を伝えるためには、資料ばかり見ていてはいけません。これはプレゼンテーションの基本でもあります。 丸暗記をしない限り資料に目を落とすことは避けられませんが、見なくてもいいときは相手に目を向けながら話すようにしましょう。そして、意思決定者に向かって話したい気持ちは分かりますが、他の人がどう感じるかを考慮できないと印象を悪くしてしまう可能性があります。 すべての人が心地よく向き合える場づくりも忘れないようにしてください。となると、正解は③。先方が複数の場合は、どの人とも同じくらいの割合でアイコンタクトを取りながら説明すれば、気遣いができると印象付けられます。
目線ずらしは「横」ではなく「縦」に行う
とはいえ、ずっと見つめ続けていると居心地が良くないのも事実。適度に目線を外した方が、お互いにリラックスして会話ができることもあります。 だからといって、顔を伏せてしまっては心証を害するため、常に相手の肩より上あたりを見ておくといいでしょう。また、視線の切り替えも有効。相手の右目→左目→口元と視線をずらしていく方法で、覚えておくと便利です。 加えて、視線を移動させる時に頷くようにすればさらに効果的! すっと横にずらすと、どうしても否定的な感じや冷たい印象を与えてしまいがち。上下にゆっくりと頭を動かすことで、身振りでも話を理解している旨を伝えることができて、相手の安心感が増します。
アイコンタクトは大切なマナーのうち
人の第一印象は、最初の7秒で決まるといわれます。そのため、ファースト・アイコンタクトはとても重要です。 印象を良くし、意思疎通をスムーズに行い、場の雰囲気を明るくするという目的効果の面から見ても、アイコンタクトはビジネスシーンに欠かせないマナーのひとつだといえます。 打ち合わせや会議の場で人見知りが言い訳にならないのと同様に、アイコンタクトができないことはビジネスパーソンとして不利でしかないのです。
挨拶のとき、きちんと目を合わせている?
職場に着いての第一声は挨拶。また、打ち合わせや接待などでも、まずは挨拶から。 「先言後礼」という言葉が示すように、挨拶で大事なのは言葉と動作をきっちり分けること。その際、アイコンタクトは最初と最後に行うといいでしょう。 もちろん、目線を合わせるだけでなく、自然な笑顔がつくれたら言うことなし! 安心感や信頼感はもちろん、最初のひとことにおけるアイコンタクトは親近感をも生み出すことができる無敵のコミュニケーションツールだと知っておいてください。
苦手意識や不満・不服の気持ちから過剰に目線を外さない
「この人ちょっと苦手……」「この人のこういうところに腹が立つ」というときに、過剰に目線を外してしまっていませんか? 負の感情を抱いていると好意的な視線を送ることは困難でしょう。とはいえ、プライベートならいざ知らず、ビジネスシーンにおいてそれでは余りにも幼稚というものです。 「ビジネスは常に相手目線」という教えもあるように、円滑に仕事を進めていく上で、感情だけでアイコンタクトを行わないのはマナー違反だと心得ておきましょう。
異性への目線の扱いに注意する
「秋波を送る」という言葉があるように、異性間で関心を引こうとするとき、瞳はとても雄弁です。じっと見つめることで、意図せず相手を勘違いさせてしまうことも。 また、近年ではハラスメントに対する関心・意識も高まってきていますので、謂れのない誤解を招く恐れも否めません。 現場がぎくしゃくして業務に支障が出ては元も子もありませんから、とくに異性への目線には十分に気をつけましょう。
アイコンタクトが苦手な人に知ってほしい!とっておきの対策と練習法
アイコンタクトの必要性を頭では理解していても、なかなか行動に移せないという人も少なくないでしょう。 目線が合わないと、相手は「興味がないのかな?」とか「信用されていないのだろうか」、果ては「苦手だと思われているのかも……」といった不安を覚えることにもなります。 打ち解けたい人とほど、欠かすことのできないアイコンタクト。苦手を克服するためには、構えず、怖がらず、まずは簡単なことから試してみてください。
話しているときの様子を自撮りしてみる
ポスターや人形などを話し相手に見立てて、会話をしている様子をスマートフォンなどの動画機能を使って撮影します。その際の会話は、簡単な自己紹介、好きな食べ物や趣味などについて1分程度のものでOK! そして、聞き手になったつもりで動画を確認してみてください。目線が安定しているか、キョロキョロしていないか、凝視していないか、目線を外すときは縦になっているかといったポイントをチェックします。 気になる点をメモしておいて次は気をつける、という練習を繰り返して、理想のアイコンタクトを身に付けましょう。
こだわりすぎると逆効果!可能なことから始めよう
目ではなく、額や眉間、鼻、顎、ネクタイの結び目などを見ていても、案外アイコンタクトをしているように思われるもの。 相手に伝えるべき重要なポイントのみ、しっかりと目を見て話して、それ以外は気負いすぎないようにするのもひとつの手です。 馴れてくれば自然と目を見て話せるようになりますから、徐々に意識していけばいい、くらいの気持ちでいましょう。 気にしすぎて、会話の中身に集中できなかったり、情報伝達が疎かになったりしては本末転倒です。
アイコンタクトのポイントは「自己肯定感」
自分に自信がないと、どうしても相手の目を見て話しにくいものです。その場合、解決のヒントとなるのは「自己肯定感」を高めること。 自己肯定感とは、ありのままの自分をかけがえのない存在だと受け止め、自分の良いところも苦手なところも認める価値観です。 この自己肯定感が高くなれば、自然とアイコンタクトへの抵抗も薄れていきます。ただし、すぐに高まるものではないため、じっくりと自分自身と向き合うことが肝心です。
できないことや失敗ばかりを気にせず、自分を褒めてあげましょう。
また、小さくてもいいので前向きな目標を持つことも大事です。そして、過去を客観的に見つめ、捉え方を変えるよう意識してみてください。
まとめ アイコンタクトをマスターすれば会話も弾む!
相手の目を見ながらの会話には適度な緊張感があり、強く相手の心に残るものです。 ここぞ!というときには相手の目のしっかりと捉えて、話をしてみてはいかがでしょうか。 誰かと対峙する時は、その人の後方に大切な人がいると想像しながら話をすると、自然と優しい目や柔らかい表情をつくることができます。好意を感じる相手との会話は楽しいものです。 上手なアイコンタクトを修得して、実りあるコミュニケーションを!
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