上司からのひと言:上司からの「犯人扱い」。結局、身の潔白は証明できないまま……。
[最終更新日]2022/12/15
「忘れないでね、自分がしたこと」
ぶるーさん(女性 29歳)
- 職業
- 編集アシスタント(当時)
- 職種
- 出版
- 年収
- 秘匿
- 従業員規模
- 秘匿
- 地域
- 大阪府
Index
目次
私の仕事。
現在は別会社に勤務していますが、前の職場での上司の話をさせてください。
気分の良い話ではないかもしれませんが……。
当時私はある出版社に勤めていました。
新卒で入社した会社で、学生時代から本に関わりたいと思っていた私にとって、夢の職場でした。
肩書きは「編集アシスタント」になります。
「アシスタント」と付くことから、社内での地位も低く(おまけに新入社員でしたから)、
雑務はほとんど私に回されてきましたし、中には「ちょっとお茶買ってきて!」なんていうレベルのことまで……。
でも、仕事はとても楽しかったです。
時にはアシスタントの立場でありながらも、企画案を考えさせてくれたりもして。
- 私
-
(いつかアシスタントから昇格して、自分で企画を立てるぞ!)
そう意気込んで、仕事に取り組んでいました。
私の上司。
そんな私が、退職にまで追いやられたのは、ある上司からのパワハラが原因です。
編集部の男性マネージャーで、年齢は50代半ば、バツイチの方でした。
元々は編集とは違う部署にいた方だったようで、
- 同僚
-
「あの人は全然、編集の仕事を分かってない」
などと、社内でもあまり良い噂は聞かない方でした。
実際、新入社員の私の目で見ても、
- 私
-
(あれ? この人は一日、何をしているんだろう?)
と疑問に思うくらい、仕事をしている姿を見ない方でした。
今になって思えば、「あの人には仕事を頼みたくない」と思われていたんでしょうね。
いわゆる「名ばかり上司」です。
まったく信用してくれない上司。
以前から、チクチクと嫌なことを言ってくる人だな、とは思っていました。
たとえば私が休日出勤をした分の代休を、その上司に申請に行ったとき、
- 上司
-
「みんな休日出勤でも、代休なんて取らずに頑張ってるぞ? 君だけ、しかも一番の若手なのに、休んじゃうの?」
そんなことを言われました。
- 私
-
(自分はほとんど仕事してないくせに……!)
なんとか我慢して仕事を続けていたのですが。
ある日の事。
社内で重要書類が紛失するという事件が起こりました。
私は関わったことがない案件でしたので、私の手によって紛失したのではない、と安心していたのですが。
その上司は私を別室へ呼び出し、
- 上司
-
「今、社内の雑務は君が全部任されてるよね? 書類の保管も当然そこに含まれてるんだろうけど、思い当たるところはない?」
- 私
-
「いえ、私は関わっていない案件ですので、書類を手に取ったこともありません」
- 上司
-
「なんで即答できるの? ちゃんとよく思い出してみた?」
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上司からのひと言。
上司は頭から私の言い分を聞く気はないようでした。
そればかりか、社長に対し「書類が紛失したのは新入社員のぶるーさんの不注意によるものです」と
有りもしない罪を、私に着せたのでした。
上層部の結論は「上司と私で、賠償金を折半しなさい」というもの。
理不尽な要求に私は耐えられず、退職する決意をしました。
最後まで、私の潔白を証明することは叶いませんでした。
退職日、本当はひと言だって口を利きたくはありませんでしたが、形式的に上司に挨拶に行きました。
- 私
-
「お世話になりました」
- 上司
-
「賠償金は俺が全額払うことになったよ。忘れないでね、自分がしたこと」
私は何も言わず、職場を後にしました。
帰り道、私は涙が止まりませんでした。
それからの私。
その上司はもちろんのこと、会社の他の社員の方まで「もう二度と顔を見たくない」と思ってしまいました。
私はその後、今の会社へ転職しましたが、とても良い上司に囲まれ過ごしています。
しかしある日、現在の会社の同僚と飲み屋へ入った時に、以前の会社の社員の方と鉢合わせになったことがありました。
その中には、私に良くしてくださっていた女性の先輩もいました。
私はすぐに目を反らしましたが、お手洗いに立った先で、後からその先輩が入ってきました。
- 先輩
-
「久しぶり~。元気にしてた?」
- 私
-
「……はい。すみません、大したご挨拶もできないまま辞めてしまって」
- 先輩
-
「ううん。書類の件なら、あの後どうにかなったから、もう責任感じなくてもいいからね」
先輩の言葉から、おそらく今でもあの会社では、私だけが悪者として扱われているのだろうと思いました。
今は遠い昔のできごとに思いますが、あの時の上司のひと言は、もうしばらくは忘れられそうにありません。
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