抑えるべきは、KPIではなくKGI?マーケティングや営業活動の際に知っておきたいKPI・KGIの扱い方

[最終更新日]2019/07/26

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みなさんは、「KPI」と「KGI」という言葉を聞いたことがありますか?
どちらもマーケティング用語で、ミッションに対する達成指標のことです。

営業やマーケティングのチームを率いる管理職なら、理解しておきたい言葉でもあります。

そこで今回は、管理職が現場の目標達成に役立てることができるよう、KPIとKGIの活用方法について、お話ししたいと思います。
その違いと設定するコツを理解して、ぜひ現場で実践してみてください。

Index

目次



そもそも、KPIとは何か?

KPIとは、目標に対し実施した行動・施策が「どの程度達成されているか」を確認するための指標(数値)のことです。

KPIは正式名称をKey Performance Indicatorといい、重要業績評価指標と呼ばれることもあります。

部署の目標を達成するためには、管理職はそのためのプロセスと進捗状況を把握しておかなければなりません。

KPIは、最終目標を達成するために、いくつかに分けてチェックポイントを設け、それができているかをはかるものです。

例えば、法人営業の部署でしたら、「今月の売上〇〇〇万円を達成するためには、〇〇社の受注が必要で、そのためには見込み顧客への提案を〇〇社分行っておくべきだ」という風に、途中経過におけるチェックポイントを設定していくということですね。

この場合、「受注社数」や「見込み顧客への提案数」がKPIとなります(KPIは複数あっても構いません)。

また、その際のKPIの設定は「SMART」という方式に沿って設定するのが効果的です。
SMARTとは、以下5つの単語の頭文字を取ってつけられた名称です。

  • 明確性(Specific)
  • 計量性(Measurable)
  • 現実性(Achievable)
  • 結果指向または関連性(Result-oriented or Relevant)
  • 適時性(Time-bound)

KPIの設定は、これら5つの要素を意識することによって、適切に設けられやすくなります。
ここで、通販サイトの売り上げ目標を例に、KPIの設定方法について説明しておきましょう。

1ヵ月で10万ユーザーが訪れる商品ページの売り上げを、50%アップするという目標を設定したと仮定します。

10万ユーザーのアクセスで3000個が購入された商品の売り上げを50%アップするためには、購入率が同じ3%であると想定した場合、サイトへのアクセス数を15万にする必要があります。
そのため、翌月末までのアクセス数を15万ユーザーにするという、期日と目標を決めることをKPIを設定するというものです。

このように、KPIを設定しておくと、組織全体の目標が共有されやすくなります。

KPIを目指すうえで、意識したい「アクションKPI」

KPIには、「結果KPI」「アクション(活動)KPI」「マイルストン(進捗)KPI」の3つがあります。

管理職が部署に対してKPIを設定する際に重視すべきなのは、「アクションKPI」です。

具体的には、期限が定めてあり、明確に計量でき、最終目標に関連した達成可能な指標を設定することです。
その際、管理職として配慮すべきことは、KPIで設定する数値目標を、高く設定しすぎないことです。

少し頑張れば可能な範囲に目標を設定して達成できれば、部下のモチベーションが上がります。
また、KPIの項目数を多くし過ぎないことで、部下のアクションをシンプルにすることも大切です。

合わせて、マイルストンKPIのときに、部下にアクションを促すアドバイスができると、組織活性化につながることでしょう。

それでは、KGIって?

「KGI」は、複数あるKPIを取りまとめる、もっとも重要な目標(指標値)のことです。

KGIは正式名称をKey Goal Indicatorといい、重要目標達成指標と呼ばれることもあり、1年や3年など長期目標として設定されるのが一般的です。

例をもって説明してみましょう。

前の例に倣って、通販サイトの年間売り上げを50%アップにすると目標設定したとします(=KGI)。
その場合、社内のデータだけでなく、ライバル社の製品のシェア率など、マーケティング調査を行う必要があります。
そのうえで、実際に売り上げをあげるためには、どんな対策をとるべきなのかを検討し、関連部署別にKPI設定を行います(=KPI)。

ここで「KPIを設定する」とひとくちにいっても、新規顧客を増やすのか、リピート率を上げるのか、客単価をあげるのかで、アプローチの方法が変わります。どのアプローチが適切かは、大枠の目標(KGI)が達成できそうかどうかで判断する必要があります。

つまり、KPIは大枠の目標(KGI)決めてからでないと、適切に設定できないのです。「KGIはKPIを設定する前に行っておく」、ということですね。

KGIとKPIの関係を表す、KPIツリーを使いこなそう

では、KGIを設定した後、その目標を達成するためにどうKPIを決めていくのかについて、お話ししましょう。

KPIを可視化する

KGIは企業が目指す最終目標を達成するための全体の戦略であることは、すでに前述しました。

KGIで起業の方向性が明確になったら、それを達成するために、各セクションに特定の課題が与えられます。 これがKPIです。

そしてKPIは、日々のアクションの結果が「量」「質」「時間」「コスト」「進捗率」などの数値として、目標設定されます。
そのすべてが可視化できるように、KPIツリーと呼ばれるロジックを可視化したチャートをつくるのです。

KPIツリーで各セクションの目標と進捗状況を見える化することで、何ができていて、何ができていないのかが一目瞭然となり、その情報が共有されます。

そこで進捗が遅れているアクションに対し、原因の解明や対策をとるなどの善後策を考えることで、目標達成に近づけていくのです。

KPIの設定方法に配慮する

上図では「受注数を上げる」ことが、KGIとして設定されています。
受注をあげる方法には、新規顧客の開拓や既存顧客の単価アップなどの方法があります。

セクションの商談数と成約率から受注率を割り出せば、KGIを達成するために、新規顧客の必要者数や既存顧客の単価の平均アップ率などを算出できるので、数値目標にすることが可能です。
こうしたKGIの達成に直結した目標をKPIとして設定すれば、社員は計画通りに仕事をすることで成果に近づけます。

ですが、KPIの目標として「商品やサービスの認知度を上げる」など、曖昧な目標を設定すると、何をもって成果が出たと判断するのかも不明瞭ですし、数値化するのも難しいです

KPIを設定する際には、具体的な行動目標とそれが可視化できるしくみを整えることを大切にしましょう。

演習問題:様々なケースで、KPIツリーを作ってみよう

自分が率いる部署のモチベーションを上げ、成果につながる組織づくりをするためにも、実際にKPIツリーをつくりたいと考える管理職は少なくないはずです。

KGIに即したKPIツリーがつくれれば、部署の短期・中期・長期の目標が明確になるうえ、数値により進捗確認ができるので、計画通りに進まないときには、早めに改善に着手できます。
そこで、KPIツリーのつくり方を、例をあげて説明しておきたいと思います。

ケース1:コンサル会社のサービス売上

KPIツリーを作成するときには、まずゴールであるKGIを設定します。
そのうえで、設定したKGIを達成するために、KPIをどのように分解するかを書き出していきます。

例として、コンサル会社のサービス売上をKGIとして設定してみましょう。

サービス売上を増やす方法として、依頼してくれる会社を増やすことと、取引先の売上額を上げることがあります。
それを、KGIの下に並べましょう。

依頼社数を増やすためには、新規顧客の開拓と既存顧客のリピートが不可欠です。それを依頼社数の先に書き込みます。

新規顧客を開拓するためには、電話でのアポ取りや紹介訪問などの営業アクションと、自社やサービスを知ってもらうためのプロモーションの効率化が必要です。

一方、既存顧客のリピート率をあげるためには、アフターフォローや新サービスの提案など、顧客満足度をあげるための対策が不可欠といえます。
さらに、既存顧客の単価を上げるためには、顧客ターゲティングの精査やオプションの充実など、仕事の付加価値づくりが重要です。

このように、KPIで設定した目標をアクションのレベルまで細分化していきます。
その際、社数や客単価のアップ率、リピート率などの数値で進捗管理をすると、可視化しやすいでしょう。

さて、ここまでの内容をKPIツリーにしてみましょう。

上記KPIツリーはサンプル用にになります。ツリー構造や要素が多少変わっていても構いません。
大切な点は、作成したKPIツリーが、私たちの行動を強化して、目標達成に導きやすくしてくれるか、ということです。

ケース2:Webサイトの広告売上

では、Webサイトの広告による売上アップをKGIに設定した場合のケースを紹介しましょう。

ECサイトで売上を上げるためには、訪問者数を増やす訪問者の購入率を上げる購入者の単価を上げるという3つの方法があります。
それを、KGIの下に並べ、それぞれのセクションのKPIをより細分化して書いていきます。

訪問者数を上げる際には、新規の訪問者を増やす、あるいはリピート訪問数をあげることが必要です。

新規訪問者を上げる方法として、SEO対策をしたり、広告出稿やキャンペーンの開催などプロモーションでの集客があります。
そうしたアクションKPIによって、1ヵ月で新規訪問者を何人にする、あるいは訪問者全体の割合目標を決めると、可視化しやすいです。

リピート訪問数を目標に設定する場合も、購入特典をつけるなど、再度サービスを利用したくなるしかけをつくり、それによる売上数などを数値ではかるとよいでしょう。

次に訪問者の購入率アップですが、トップページから購入ページに進む割合を増やす、商品のラインナップを強化するなど、数値化できる目標設定をするのがおすすめです。

購入者の客単価をあげるためには、複数の商品を購入すると割引になるなどの工夫が必要で、平均単価の目標を数値で設定できます。

そうして出来上がったKPIツリーは、以下の通りです。

このように、アクションKPIまで目標の進捗が数値化されるようにして、計画と実際にどのような違いがあるのか、現状分析により打てる改善策はないかを検討することで、目標達成につなげていくことができるのです。

私の事例:部署をまたいでの「KGI」「KPI」の共有と連携を行って、その結果は。

私が出版社にて子ども向けの情報紙の編集を行っていたとき、「営業の売上達成をサポートする企画」を考えるよう指示されたことがあります。

夏休み前直前号ということで、売上目標を前年同月の30%アップせよという指令(つまり、「KGI」ですね)がありました。

掲げられた高い目標にやや目のくらむ思いをしつつも、私はそのKGIを達成するために、売上額がいくら必要なのかを考え、それから広告の値引き率や、どのくらいの価格設定だと受注しやすいのかを営業にヒアリングしたうえで、KPIツリーをつくっていきました。

そのほか、雑誌に載せる広告主に対しては「新規顧客の開拓」と「リピート率」をKPIとして設定し、私は編集として、新企画の立案を担当。原稿内容をフォーマット化した広告枠のページをつくり、掲載料を安めに設定したうえで、広告主向けの紹介資料を作成しました。

そして営業は、新規のアポ取りや訪問社数、取り引きが途絶えていた休眠顧客へのアプローチ件数などを数値化し(このあたりが「アクションKPIです」)、会議で共有したのです。

さて、結果がどうだったのかというと、夏休みのイベント特集に特化した企画にしたこともあって、早々に広告枠が埋まり始め、見事KGIを達成することができました。

今回の取り組みで強く感じられたことは、営業・編集チームでKGI、KPIを共有できたことにより、通常以上の一体感、連帯感をもってプロジェクトを進められたことです。

会社としても、今回の目標達成の実例によって、それ以来季節に合わせた企画の立案をする機会が活性されるようになったりと、メリットは大きかったと思います。

KGI・KPIを活用して目標を明確化しよう

今回は、管理職が現場の目標達成に役立てることができる、KPIとKGIの活用方法について、お話ししました。
この記事をまとめると

  • KGIとKPIは、目標達成までのプロセスを誰もが共有できるよう作成するもの
  • KPIはKGIを達成するために設定する、短期・中期目標である
  • KPIツリーは、KGI達成のために中間指標の進捗確認ができ、改善がはかれるようにしたフレームワークである
  • KGI・KPIは共通認識しやすいよう、言語化・数値化して設定する

という4つのポイントがあります。

この記事を自分の部署だけでなく、関係するほかのセクションとも連携できるKGIやKPIを設定し、企業目標を達成できる組織づくりの参考にしていただけたら幸いです。

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