ビジネスで「いきなり電話をかける」のは失礼?変化する電話の常識

[最終更新日]2021/07/27

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ビジネスでの「電話の常識」は?

近年、ビジネスチャットやビデオ通話など、仕事での連絡手段が多様化しています。さまざまな連絡手段がある中で、従来通り「電話」をよく使う人も多いのではないでしょうか。

電話は便利な連絡手段ですが、使い方やタイミングによっては「いきなり電話をかけてきて、失礼な人だ」と思われてしまう恐れもあります。ふだんの仕事でどのように電話を位置づけているか、次のチェックリストで確認してみましょう。

  • メールを送るよりも電話をかけたほうが早いと感じる
  • □ 文面よりも「」のほうが伝わりやすいと思う
  • □ メールやチャットよりも電話のほうが丁寧だと思う
  • 短時間の電話であれば相手に負担をかけないと感じる
  • オーソドックスな連絡手段として電話が最初に思い浮かぶ

もし2つ以上当てはまるものがあれば要注意です。ビジネスにおいて変化しつつある「電話」の常識について確認しておきましょう。

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Index

目次

急に電話をかけてくるのが「失礼」とされる背景

下の図は、セゾン自動車火災保険が2020年に「日々のコミュニケーション手段に関する意識調査」として、全国300人を対象にヒアリングした結果を示しています。

LINEやメールを使い始めたことで、電話をかける回数が減ったと回答した人は半数以上にのぼり、電話以外の連絡手段を選ぶ人が増えていることが窺えます。

日々のコミュニケーション手段に関する意識調査

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000033692.html

ビジネスにおいても「いきなり電話をかけてくる」ことは失礼にあたると感じる人もいるようです。急に電話をかけてくるのが失礼とされる背景として、主に次の3点が挙げられます。

電話を受ける相手の状況を考慮していないと思われやすい

#その1 相手の状況への配慮が足りていないと思われやすい

電話をかけるとき、相手が何をしている最中なのか、どのような状況であるのかを把握することができません。
電話をかけるタイミングによっては、相手は手が離せない状態だったり、集中して仕事に取り組んでいるところだったりすることもあり得ます。

仕事中に突然電話がかかってくることによって、相手は仕事を一度中断しなくてはなりません。

電話を切って仕事を再開するにあたり、「どこまで進めたか」「何をしている最中だったのか」を思い出す必要があるでしょう。
たとえ短時間の電話であっても、相手の時間を拘束し、集中力を途切れさせてしまうのは事実なのです。

緊急度・重要度への認識が異なる場合がある

#その2 緊急度・重要度への認識が異なる場合がある

電話をかける側は「今このタイミングで伝えておきたい」「ちょうど思い出したので確認したい」と考えていることも多いはずです。

しかし、電話を受ける相手も同じように感じているとは限りません。むしろ、相手にとっては「今どうしても聞いておかなくてはならない用件」ではない可能性のほうが高いでしょう。

電話をかける側と受ける側では、用件に対する緊急度や重要度への認識が異なる確率が高いのが実情です。

「かける側の都合」で電話をするタイミングを決めるため、場合によっては身勝手な印象を与えてしまいかねません。このように、電話で話すメリットは「かける側」に偏りやすい面があります。

会話の内容が記録として残らない

#その3 会話の内容が記録に残らない

電話で話した内容は記録に残りません。

もし言い間違いや聞き逃しがあったとしても、後で確認する手段がないのが実情です。
そのため、「言った・言わない」のトラブルに発展しやすいという欠点があります。

電話の会話内容を記録に残すとすれば、電話を受けた相手はメモを取ることになるはずです。
しかし、状況によってはすぐにメモを用意できなかったり、メモを取りづらい状況だったりすることもあり得ます。
出先や移動中であれば、メモを取れる状況になるまで会話の内容を覚えておく必要があるでしょう。

このように、会話の記録が残らないという電話の特性上、見えないところで相手に負担をかけてしまいかねないのです。

連絡手段として電話を優先すべきではないケースとは?

仕事で用件を伝えるにあたって、電話が好ましくないと捉えられるケースもあることについて述べてきました。

では、具体的にどのような場合に連絡手段として電話を避けるべきなのでしょうか。
次のケースに当てはまるようであれば、電話ではなく別の連絡手段を選んだほうが望ましいといえるでしょう。

メールやチャットで事足りるケース

#その1 メールやチャットで事足りるケース

簡単な用件を伝える場合のように、メールやチャットで文面を送れば事足りるようであれば、あえて電話する必要はありません
メールやチャットは相手がいつ確認するか分からない上に、確認したことを伝えるために返信する必要があります。そのため、「電話のほうが相手の負担も少ないのでは?」と捉えがちです。

しかし、よほど急ぎの用件でない限り、相手にとって「いつ確認しても構わない用件」のはずです。

むしろ、自分にとって都合のよいタイミングでメールやチャットを確認できたほうが仕事を中断しないで済むでしょう。メールやチャットで事足りる用件であれば、電話は控えたほうが無難です。

相手にとって緊急度・重要度が低いと考えられるケース

#その2 相手にとって緊急度・重要度が低いと考えられるケース

相手にとって緊急度・重要度がそれほど高くない用件であれば、今すぐに電話で伝える必要はないはずです。
相手にとって」という部分が重要で、決して「自分としては今すぐに伝えておきたい」ということではありません

今すぐ相手の耳に入れる情報として有益かどうか、想像力を働かせる必要があります。

「自分自身が忘れてしまうので、覚えているうちに電話で伝えておきたい」といった理由から、安易に電話をかけるのは避けるべきでしょう。

本来であれば自分が記憶・記録しておく際にかけるべき負担を、電話の相手に負わせてしまうことになるからです。
相手にとって緊急度・重要度の低い用件で電話をかけると、相手の時間や労力を奪う結果になると認識する必要があります。

正確な記録を残したほうが望ましいケース

#その3 記録を残した方が望ましいケース

電話での通話は、基本的に口頭による会話と同じです。
ビジネスにおいて、契約や料金に関する取り決めなど重要な用件を口約束で済ませるのは好ましくありません。
電話についても同様で、記録に残らない以上は口約束に過ぎないと認識しておくべきでしょう。

メールやチャットであれば、送受信した文面が記録として残ります。
後日、事実関係を確認する必要に迫られたとき、送受信したメッセージを検索することも可能です。

このように、正確な記録を残しておいたほうが望ましいと考えられるケースでは、電話ではなくメールやチャットを活用したほうが望ましいといえます。

あえて電話で連絡したほうがよいケースとは?

ここまで、連絡手段として電話を避けたほうが好ましいケースについて見てきましたが、あえて電話したほうがよいケースもあります。

電話をする必然性があるケースとそうでないケースを使い分け、適切な連絡手段を選ぶことが大切です。次に挙げるような状況であれば、あえて電話で連絡したほうがよいでしょう。

すぐに確認・了承を得ることで相手にメリットがあるケース

#その1 すぐに確認することで相手にメリットがあるケース

電話のメリットとして、双方向の会話が可能な点が挙げられます。

メールやチャットのようにタイムラグが生じないため、すぐに確認・了承を得ることで相手にとってメリットがあるようなら、電話を選んだほうが喜ばれる可能性が高いでしょう。

ただし、あくまでも「相手にとって」のメリットを優先することが重要です。

自分自身が考えを整理しながら電話で話すようなことは避けましょう。
自分にとっては話しながら考えをまとめることができるため効率的に思えても、相手としては「考えを整理してから伝えてもらいたい」と感じる可能性が高いからです。

長文のメールになることが想定されるケース

#その2 長文のメールになることが想定されるケース

メールやチャットの文面は簡潔に書くのが鉄則です。
長文のメールを読むことは相手にとって大きな負担となるため、結論をはじめに書き、回りくどい表現を使わないなどの工夫をする必要があります。

ただし、簡潔な文面は用件を効率よく伝えることができる反面、細かなニュアンスが伝わりにくいというデメリットがあります。

ニュアンスによっては誤解が生じる恐れがある場合、どうしてもメールの文面が長くなってしまいがちです。

そのようなケースでは、電話のほうがスムーズに伝えられることもあり得ます。経緯や背景を含めて説明する必要があるような場合は、長文のメールを送るよりも電話で伝えたほうが好ましいでしょう。

感情を伝えることに重要な意味があるケース

#その3 感情を伝えることに重要な意味があるケース

お礼の気持ちを伝えたい場合や謝罪する場合など、感情を込めて伝えることに重要な意味があるようなら、あえて電話を選んだほうがいいでしょう。

心理学の法則として知られる「メラビアンの法則」では、人が情報を得る際に影響を受けるのは言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%としています。

伝える内容そのものよりも、聴覚によって感知される声のトーンや話しぶりが大きな影響を与えることもあるのです。

《メラビアンの法則》

《メラビアンの法則》グラフ画像

お礼の気持ちをメールで伝えた結果、冷たい印象を持たれてしまったり、謝罪の文面をメールで送ったことで失礼な印象を与えてしまったりすることは十分に想定できます。

感情を優先して伝える必要がある場合は、メールやチャットではなく電話を選ぶべきでしょう。

電話で用件を伝える際の注意点

電話以外の連絡手段を検討した上で、あえて電話を使ったほうがよい場合もあると述べてきました。では、電話で用件を伝える際にどのような点に注意したらいいのでしょうか。

冒頭で示したように、日常で電話を使う頻度は減りつつあります。
電話を受ける相手にとって、どのような用件の電話であっても「突然かかってくる」ものであることに変わりはありません。

電話で用件を伝える場合には、とくに次の点に注意しておくことが大切です。

  • 相手の都合や状況をよく考え、十分に配慮する
  • 可能であれば「〇時に電話します」と事前に伝えておく
  • 電話を切った後、確認事項をメールやチャットで送る

相手の都合や状況をよく考え、十分に配慮する

POINT1 相手の都合や状況をよく考え、十分に配慮する

電話をかける時間帯は、基本的にはビジネスアワーのみです。もし把握できているようなら、相手先の休憩時間や営業時間外は避け、業務時間内に電話を入れることを原則としましょう。

すでに取引のある相手先であれば、忙しい時期や時間帯についての情報を得られることもあるはずです。
終業時刻の直前は仕事が立て込んでいることも考えられますので、できるだけ避けたほうが無難でしょう。

想像が及ぶ範囲に限りがあるとはいえ、可能な限り相手の都合や状況を考え、配慮することに意味があります。「いつも間の悪い電話をかけてくる人」と思われないよう、電話をかけるタイミングについては十分考慮しましょう。

可能であれば「〇時に電話します」と事前に伝えておく

POINT2 可能であれば「●時に電話します」と事前に伝えておく

緊急の場合を除いて、電話をかける前に「明日の〇時に電話します」などと伝えておくほうが丁寧です。

前もってメールやチャットで用件を伝えておき、電話で話し合いたいことを絞っておけば、電話そのものを短時間で終えることができます。

電話を受ける相手としても、事前に用件を把握しておき、準備を整えた上で電話を受けることができるでしょう。

ビジネスにおける連絡手段が多様化したことで、電話は訪問や対面でのミーティングと同様、事前のアポイントが必要なツールとなりつつあります。
突然来社して話し込むのが失礼にあたるように、急に電話をかけて複雑な用件を伝えるのは失礼と捉えられる可能性もあると認識しておくことが大切です

電話を切った後、確認事項をメールやチャットで送る

POINT3 電話を切った後、確認事項をメールやチャットで送る

電話で話した内容は、基本的に記録に残りません。相手が正確にメモを取っていることを期待するのではなく、電話を切った後で確認事項をメールやチャットで送ったほうがより丁寧でしょう。

いつどのような話をしたのか記録に残るため、相手としても安心できるはずです。

電話での会話の中で実は認識のずれがあった場合や、聞き逃していたことがあった場合、メールに返信する形で訂正してもらうようお願いしてもいいでしょう。

間違いがなかった場合も、双方が同じ認識を持っていることを確認できるため、確実に伝わったことをよりはっきりと認識できます。
この人は急な用件で電話をかけてきた際も、後でメールを送って確認してくれる」と思ってもらうことができれば、信頼感を高めることにもつながるでしょう。

まとめ)「いきなり電話をかける」前に、必要性をよく考えよう

電話イメージ

電話は長年にわたり、ビジネスを進める上での連絡手段として活用されてきました。離れた場所にいる相手にも手軽に「」を届けられるという点で、電話は優れた連絡手段といえます。

一方で、手軽で便利だからこそ注意しておくべき点もあります。
とくに近年ではメールをはじめ、チャットやビデオ通話など、電話以外の連絡方法も浸透していることを理解しておく必要があります。

「電話で伝えよう」と思い立った際には、本当に電話が最適な連絡手段であるかどうか、必要性をよく考えてからかけるようにしましょう。

適切な連絡手段を使い分けることで、ビジネスパーソンとしてより厚い信頼を得ることができるはずです。

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