男性の上司が、女性の部下と上手にコミュニケーションを取るたった2つの方法!

[最終更新日]2023/11/03

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男性の管理職の方で、「女性の部下には気を遣う」「コミュニケーションを図るのが難しい」と感じている人はいないでしょうか。多くの男性にとって、女性の部下は「一度嫌われてしまうと挽回できない」「敵に回したら怖い」存在でしょう。

しかし、上司と部下である以上、仕事を円滑に進めていくためにコミュニケーションを図る必要があります。女性の部下と上手にコミュニケーションを取り、チームや部署をまとめていくための方法について考えてみましょう。

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女性の部下とのコミュニケーションを難しいと感じる原因とは?

女性の部下との上手なコミュニケーションについて考える前に、そもそもなぜ女性の部下とのコミュニケーションが難しいと感じるのか、その原因について確認しておきましょう。主な原因として、次の4つが考えられます。

  • コミュニケーションの大前提が男性と異なる
  • 男性よりも考え方が柔軟な人が多い
  • 男性が気づいていない悩みや困りごとがある
  • セクシャルハラスメントと捉えられるリスク

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションの大前提が男性と異なる

たとえば先週末、あなたはある映画を観たとします。非常に感動したあなたは、その映画について誰かに話そうとしています。このとき、あなたはどんな相手にその映画の話をしたいと思うでしょうか。

多くの男性は、おそらく「まだその映画を観ていない人」に対して、「どんなに素晴らしい映画だったか」を伝え、「ぜひ観た方がいい」と勧めたくなるのではないでしょうか。

女性の場合、どちらかと言えば「同じ映画を観たことがある人」と話し、感動した思いを「共有」したいことが多いのです。このように、男性は情報を伝えることをコミュニケーションと捉え、女性は共感し合うことをコミュニケーションと捉えているケースが少なくありません。コミュニケーションの大前提が、そもそも男性とは異なっているのです。

男性よりも考え方が柔軟な人が多い

男性は「凝り性」な人の割合が高い傾向があります。1つのことに集中して打ち込む一方で、多くのことを同時にこなすのが不得意な人は男性のほうが多い、と感じたことはないでしょうか。

右脳と左脳の間で情報を連絡させる脳梁は、男性よりも女性のほうが太いと言われています。これだけが理由とは言い切れませんが、女性のほうが男性よりも同時に多くのことを考えることを得意としています

そのため、女性は男性よりも現実の状況や一般的な反応を想像し、柔軟に考えられる人が多いと考えられます。「ビジネス書で読んだから」「有名な学説だから」と特定の考え方に偏ってしまう男性がときどきいますが、女性は冷ややかな目で見ていることが少なくありません。

男性が気づいていない悩みや困りごとがある

女性同士の人間関係は複雑で分かりづらい」と、ほとんどの男性が感じているのではないでしょうか。

男性の感覚からすると、「言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃないか」と思えることでも、面と向かってストレートに伝える女性は少数派です。そのため、男性同士であればほとんど問題にならないことであっても、男性が気づいていないところでトラブルになっていたり、ストレスを抱えていたりすることがあり得るのです。

まして上司と部下という立場になると、わざわざ上司に進言しないということは十分あり得ることでしょう。そのため、男性の上司が気づいていないだけで、実は女性の部下が悩みや困り事を抱えてしまっているケースがあるのです。

セクシャルハラスメントと捉えられるリスク

男性にとって意識的に見ようとしない限り気づきにくいことですが、多くの企業は男性社会の名残を引きずっています。管理職に登用される男女の比率に偏りがあったり、「事務職は女性の仕事」といった偏った見方がまかり通っていたりする例は枚挙に暇がありません。

そのため、男性があまり考えずに「女性だから」といった感覚で口にした言葉が、セクシャルハラスメントと受け止められる可能性は十分にあります。「50代の女性が派遣社員として就業しても違和感がないが、同じ年代の男性が派遣社員だと奇異な目で見られる」「小さな子どもが熱を出したら仕事を休むのは女性」といった感覚はないでしょうか。

「それは当たり前のことじゃないか」と感じたとしたら、管理職としてセクシャルハラスメントのリスクを抱えていることを意識したほうがいいかもしれません。

女性の部下とのコミュニケーションでNGの話し方・伝え方とは?

男女はかなり根本的な部分でものの考え方や捉え方が異なるケースが多いため、女性の部下とのコミュニケーションが難しいと感じる男性の上司が多いことが分かりました。男女を問わず、部下はあくまで一個人であり、一人の人間として尊重する気持ちを持って接することが大切です。

では、女性の部下とのコミュニケーションにおいて、「これだけはやってはいけない」という話し方・伝え方とはどのようなものでしょうか。とくに嫌われる原因になりやすい2つのポイントを挙げてみます。

「女性だから」という決めつけや思い込み

部下が何をするにも「女性だから」という決めつけが根本にあると思われてしまうと、「この人には何を言っても理解してもらえない」と感じ、部下は心を閉ざしてしまいます。上司の態度や言い方に対して内心では腹を立てていたとしても、相手が上司であるだけに言いづらく、不満を募らせる原因になりやすいのです。

たとえば、任せる仕事を選ぶ際に「女性だから細かい作業が得意だろう」と決めつけていたり、まるで愛想をふりまくための人員のように商談に同席してもらったりしていると、部下自身の意欲を削いでしまいかねません。自分では意識していないところで「女性だから」という思い込みがないか、自分自身の言動や考え方を振り返っておきましょう。

部下の言い分を聞かない一方的な話し方

部下の言い分を聞こうとしない一方的な話し方も、女性の部下にとって態度が威圧的と感じたり、配慮に欠けると思われたりする原因になります。「何も言い返してこないから、もともとおとなしいタイプの女性なのだろう」などと思っていたら、実は上司の一方的な話しぶりに呆れてしまっているだけだった、といったこともあるかもしれないのです。

異性の部下は、考え方ひとつでとても頼りになる存在となります。男性にはない視点を持っていることも多いので、女性から見てどう映っているのか意見を求めるのも、コミュニケーションを一方的なものにしないためのひとつの方法です。ひとりの人間として自分が尊重されているのかどうか、部下は敏感に察しています。部下の意見や言い分に耳を傾けるのは、管理職として必要な資質の1つと言えるでしょう。

事例➀:論理的なコミュニケーションを自負していたF課長のケース

課長の話し方はなんか、高圧的ですし、プレッシャーを感じます。

ここで、典型的な事例を1つご紹介します。

F課長には3名の男性と2名の女性の部下がいます。F課長は普段から論理的な話し方が最も効率的で、相手にとって伝わりやすいコミュニケーションの基本だと考えていました。そこで、部下から報告を受けてアドバイスをする際にも、考課面談で話をする際にも、論理的に伝えることを最も重視していました。論理的に話せることが自分の長所だと自負し、部下もその点は不満を持っていないと確信していました。

ところが、F課長が着任してからちょうど2年後の考課面談の場で、女性の部下が2名とも退職を申し出てきたのです。2人とも表向きは「他にやりたい仕事がある」「ステップアップしたい」といったポジティブな退職理由を挙げていましたが、F課長と年齢が近い男性の部下から意外な事実を聞かされます。彼の話では、女性社員は2人とも次のような不満を持ち続けていたというのです。

  • F課長の話し方からは、いつも追い詰められるようなプレッシャーを感じる
  • いかにも正論らしく言われてしまうので、言い返す余地がなくストレスが溜まる
  • 常に自分の考えのほうが正しいと信じ、根拠のない自信を持っているように見える
  • 結果的に、見下されているように感じることが多い

思い返してみれば、F課長は部下と話すときロジックを意識するあまり、部下の感情や受け止め方をあまり考えずに話していたところがありました。「どんな場合も確実に正しい伝え方」など存在しないことに、もっと早い段階で気づいているべきだったのです。

女性の部下から喜ばれる上司になるには?

ここまで、女性の部下とのコミュニケーションにおいて困難を感じる面について見てきました。男性の上司が良かれと思ってやっていたことでさえ、女性の部下が快く受け止めていない可能性があるとしたら、上司としてどのように振る舞ったらいいのだろう?と感じたかもしれません。

では、女性の部下から喜ばれる女子になるには、どういったことを心がけたらいいのでしょうか。「心構え」と「行動」の両面から、すぐに実行できそうな2つの方法をご紹介します。

ポイント➀:上下関係や肩書きなど男性社会の習慣を「疑う」

前述のように、多くの企業ではまだまだ男性社会の慣習が根強く残っています。肩書きや社歴・年齢といった上下関係が誰に対してもまかり通ると思っていると、知らず知らずのうちに部下に対して高圧的な態度を取ってしまっているかもしれません。

女性の部下とのコミュニケーションについて考える機会を得たのであれば、むしろ男女問わず「部下とのコミュニケーション」全般について見直してみるのもいいでしょう。一般的に部下の側から上司の欠点を指摘することはないため、管理職は部下とのコミュニケーションについて思考停止に陥ってしまう恐れがあるからです。

パワーハラスメントが社会問題として取り上げられるなど、ひと昔前とは世の中の空気も変わっています。上下関係や肩書きに代表される従来の男性社会の常識にとらわれてしまっていないか、時代錯誤の考え方から抜け出せなくなっていないか、女性の部下とのコミュニケーションを1つのきっかけとして「疑う」視点を持つようにしてみましょう。

ポイント②:感謝を言葉に表して伝える

自分自身が男性社会の慣習にとらわれていないか疑ってみよう、と言われても、すぐに心構えを変えるのは難しいと感じるかもしれません。そこで、今日からでもすぐに実践できる「行動」を意識してみましょう。女性の部下に喜ばれる行動とは、「感謝を言葉で伝える」ことです。

「なんだ、そんなことか」と思った人は、ぜひ振り返ってみてください。最近部下に対して面と向かって「ありがとう」「とても助かったよ」と伝えたことがあったでしょうか。「わざわざ言わなくても伝わっているはずだ」と考える癖がついていないでしょうか。多くの場合、「言わなくても伝わっている」というのは上司の側の思い込みかもしれないのです。

感謝の気持ちを言葉に表して伝えることで、部下は「自分の存在を認めてもらえている」と感じます。また、上司も部下の良い面を見つける癖がつきやすくなるため、結果的に信頼関係を強固にすることにつながります。

たったひと言の「ありがとう」があるかないかで、部下とのコミュニケーションが大きく変わるかもしれません。女性の部下に限らず、「感謝を言葉に表して伝える」をぜひ実践してみてください。

事例②:頼りないようで実は大きな存在だったY部長

こんなとき、部長ならどうするかな?……あ!そうか!

T社の広報部は女性社員の比率が高く、7割は女性で構成されています。そのトップを務めてきたのがY部長でした。

Y部長は、基本的に「〜しなさい」と言いません。部下から相談を受けても、「・・・それで、君はどう思うの?」「そうなの?うーん、・・・どうしたらいいんだろうね」と逆に質問されてしまいます。女性社員はY部長を嫌っている様子こそありませんでしたが、「何となく頼りない」と感じていたところがありました。

Y部長の存在の大きさに皆が気づいたのは、Y部長が定年退職してからのことです。「こんなとき、Y部長なら何と言うだろう」「きっと、『君はどう思うの?』と聞き返すだろうな」「そうか、どうすればいいか、もっと具体的に考えないと」といったように、Y部長とのやりとりをイメージしながら仕事をするようになった社員は、一人や二人ではありませんでした。

思い返してみれば、女性が多い広報部にあって、Y部長は常に「安心できる」存在でした。明らかにもっと自分で考えるべきことをY部長に相談していたこともあったはずですが、「もっとよく考えなさい」「どうして自分で考えてみようとしないんだ」と高圧的な言い方をせず、部下が自分で考えるよう自然と仕向けていたのです。「君はどう思うの?」――そう聞き返していたY部長の「逆質問」は、「自分の頭で考えて動く」ためのトレーニングだったのかもしれません。

まとめ)女性の部下とのコミュニケーションは伝え方・聞き方を見直すチャンス

男性の上司にとって女性の部下とのコミュニケーションが難しいと感じるのは、相手が異性であることが原因の1つであることは間違いありません。

しかし、「女性」であることだけに原因を求めるのではなく、「男性の部下にとっても本当は良くないのかもしれない」という視点を持ち、自分自身の部下に対する伝え方や話の聞き方を見直すチャンスと捉えてみてはいかがでしょうか。部下とのコミュニケーション全般を改善し、より強固な信頼関係を築くことにつながっていくはずです。

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