管理職体験談:副館長の私を支えているのは、館長から貰った「ある言葉」。

[最終更新日]2019/05/27

体験談
10
「君が辞めるなら、私だって」その一言で、管理職は悲しいだけじゃないと学んだ。

地元の博物館にて、副館長を務めている者です。

副館長としての業務は多岐にわたります。
予算管理・展示場の整備・企画立案・イベントの段取りetc...

mimizukuさん(男性 46歳)
職業
博物館副館長
職種
団体職員
年収
450万円
従業員規模
50人
地域
新潟県

Index

目次

博物館の副館長。とにかくすべての業務に携わります。

統括は私の上の館長にはなりますが、館長はいわば「名誉職」で、実質の運営責任は私です。

仕事のやりがいはありますが、地方の小さな博物館のため予算が潤沢というわけではなく、規模の大きな企画はできないというフラストレーションはあります。

家族構成はサザエさんと同じで、私と妻、2人の子供、そして義父母の6人。私はマスオさんポジションです笑。

趣味はスポーツで、休日は野球やソフトボールの大会に参加しています。

今でも支えられ続けている、ある一言。

職場には様々な勤務形態の職員がいます。
正職員に嘱託員、臨時職員などです。

嘱託員とは、専門的知識を持った館長や学芸員の方々です。

私より上の世代の方が多く、また専門知識もさして持ち合わせていない私が「副館長」のポジションでいることに、就任当時はよく悩みました。

とにかく人間関係は良好に、そしてまずは自分のできることをがむしゃらにやっていこうと決めたのです。

副館長に就任して2、3年が経った頃でしょうか。
ある飲み会の場で館長から、

館長

「君が副館長を辞めたら私も館長を辞める。それくらい助かっているんだ」

と言ってくださりました。

管理職として右も左も分からず、目上の方にどう対処すべきか悩んでいた苦労が、その一言で認めてもらえ、報われたようでした。

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副館長としての佇まい。

その言葉をいただいてからより一層、仕事に前向きに取り組めるようになりましたし、職場の方々をもっと信頼できるようになりました。

これまでは立場よりも経験の差を考慮して、自分の言いたいことを我慢しているところも正直ありました。
私の理想とする展示のプランなどももちろんありましたが、出された案を言われるまま実行していた状態で。

しかし館長の一言で私の心にも火が灯り、今ではプラン提示やプラスアルファでのアイデアも積極的に発信するようにしています。
年上の嘱託員の皆様は、そんな私のフォローに自然に回ってくださります。

以前に比べて仕事の量は増えましたが、やりがいも同じように増えてきました。

一般的な「上司」「部下」という関係性ではありませんが、良い関係を築けていると思っています。

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当時を振り返って、今思うことは。

館長の何気ない一言が、今でも私を支えています。

地方の博物館の、これはある種の宿命のような「予算」の問題は依然としてあります。
都市部の大きな博物館を思うと、羨ましくもなります。

地方の博物館は、少しでも手を抜いたならば、たちまち衰退の一途を辿りかねません。

今日まで存続していられるのも、職員や私自身の努力の積み重ねあってこそです。
しかし、そんな自負すらも簡単に吹き飛んでしまうほど、「予算」という問題は強く影を落とし続けています。

負の要素は考えだしたらキリがありません。
気持ちの切り替えが必要な際は、いつも館長の言葉を思い出すようにしています。

管理職とは。そして今後目指していきたいことは。

「管理職」という仕事にマニュアルは存在しません。

それぞれを取り巻く環境も経験も違うので、それは当たり前だと思います。
ですので「管理職とはこうでなければならない」という固定観念に囚われる必要はないと思います。

まずは目の前の課題を地道にこなしていくこと。その先に、管理職としての在り方のようなものが見えてくるのではないでしょうか。

「管理職」という言葉の響きはやはり重く感じます。そしてその重さは常に感じている必要があります。
さらに言えば、私自身の姿を通して、他の職員の方々にも管理職として認められなければいけません。

今の私がその境地に達しているのかは分かりません。
しかし一つの管理職の理想像として、常に胸に持っておきたいと思います。

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