【おすすめ映画】「ハンナ・アーレント」働く人たちに改めて観てほしい映画#5

[最終更新日]2020/06/03

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ハンナ・アーレント

(C)2012 Heimatfilm GmbH+Co KG, Amour Fou Luxembourg sarl, MACT Productions SA, Metro Communicationsltd.

管理職・マネージャーは自らが率いるチームのリーダーである一方で、組織の一員としての役割も担っています。皆さんは日ごろ働いている中で、次のように考えたことはないでしょうか。

上役が承認したのだから問題ないだろう
うちの社風だから仕方がない
前例に倣うなら妥当な判断と言える

こうした考え方は組織で働いていく以上、必要な場合もあります。
しかしながら、「上役の言う通りに」「社風に従うまま」判断を下しているうちに、じっくりと思考を深める機会を逃してしまうこともないとは言えません。

今回ご紹介する映画「ハンナ・アーレント」は、政治哲学者による雑誌の連載記事に端を発した論争をテーマにした作品です。

哲学や歴史を題材としていることから、ビジネスとはあまり関係のない作品のように思えるかもしれません。
ところが、この作品を観る視点によっては私たちの働き方に深く関わる、示唆に富んだ作品でもあるのです。

映画「ハンナ・アーレント」の見どころと、ビジネスパーソンにおすすめの視点について解説していきます。

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ハンナ・アーレント

調査日:2020/06/02

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ハンナ・アー
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目次

映画「ハンナ・アーレント」の概要

タイトル ハンナ・アーレント
公開日 2013年10月26日
上映時間 114分
映倫区分 G
オフィシャルサイト http://www.cetera.co.jp/h_arendt/
スタッフ 監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ
脚本 マルガレーテ・フォン・トロッタ、パム・カッツ
音楽 アンドレ・マーゲンターラー
キャスト バルバラ・スコヴァ(ハンナ・アーレント役)
アクセル・ミルベルク(ハインリヒ・ブリュッヒャー役)
ジャネット マクティア(メアリー・マッカーシー役)
ユリア イェンチ(ロッテ・ケーラー役)
ウルリッヒ・ノエテン(ハンス・ヨナス役)
ミヒャエル・デーゲン(クルト・ブルーメンフェルト役)

映画「ハンナ・アーレント」のあらすじ・見どころ

映画「ハンナ・アーレント」のあらすじ(ネタバレあり)

1961年、エルサレムで歴史的な裁判の判決が下されました。ナチスドイツによるユダヤ人ホロコーストを指揮したとされる高官アイヒマンが戦犯として裁かれ、死刑宣告を受けたのです。

この裁判を傍聴していたうちの1人に、「ニューヨーカー」誌特派員であり哲学者でもあるハンナ・アーレントがいました。

ハンナはこの裁判において大きな衝撃を受けます。なぜなら、まれに見る極悪人として批判の渦中にあったアイヒマンは、どう見ても「ただの小役人」であり、あまりにも凡庸な人物だったからです。

——アイヒマン個人は極悪人などではなく、自らの職務に忠実であることだけを考え思考を放棄した役人である。巨悪は凡庸な一般人によって引き起こされる場合がある。

ニューヨーカー誌での5回にわたる連載で、ハンナは自らの考察を発表していきます。ところが、この一連の発言が戦争犯罪を擁護し正当化するものであるとして、ハンナは世界中の人々から数え切れないほどの非難や批判を浴びることになります。




映画「ハンナ・アーレント」の見どころ

作品中で、ハンナ・アーレントは次の言葉を残しています。

アイヒマンは、人間の大切な質を放棄しました。

思考する能力です。

その結果、モラルまで判断不能となった。

思考ができなくなると、平凡な人間が残虐行為に走るのです。

〝思考の嵐〟がもたらすのは、善悪を区別する能力であり、美醜を見分ける力です。

私が望むのは、考えることで人間が強くなることです。

危機的状況にあっても、考え抜くことで破滅に至らぬように——。

ホロコーストは悪である。その行為を指揮した者は極悪人である。よってアイヒマンが極悪人であることは疑う余地はない——。これが当時、世界中の人々がほぼ共通して抱いていた感情であり、もはや常識として認知されたごく一般的な考え方でした。

ハンナはこの「悪」に対して哲学者として向き合い、本質を追究していきます。そして、「悪の凡庸さ」という1つの結論に至ったのでした。

世界中から非難を浴びながらも、ハンナは自身の考察を正確に伝えようと懸命に努めます。
その象徴的なシーンが、自身の講義で学生たちを相手に行った講義でした。世界中で物議を醸した渦中の哲学者として自身の責任を果たすべく全身全霊をかけて講義にのぞむハンナの姿は、観る人の心を強く打ちます。




なぜ「ハンナ・アーレント」はヒット作となったのか?

政治哲学者による戦争史の考察という重いテーマの作品であるにも関わらず、映画「ハンナ・アーレント」は公開後から注目を集め、単館劇場に行列ができるほどのヒット作となりました。なぜこのような現象が起こったのでしょうか。

その理由の1つとして考えられるのは、この作品が「組織に抗うことが許されない個人」というテーマを内包していることです。

会社員など組織で働く人にとって、上長や会社の方針に逆らうなど「とんでもないこと」とされる場面は決して少なくありません。

むしろ組織全体の方針やルールに疑問を呈することなく、素直に従っている従業員こそが評価され、発言権を持っていくのはいくらでもあることなのです。

では、もし従順に従ってきた会社の方針そのものが倫理的に間違っていた場合はどうでしょうか。上役の指示に忠実に従い、職務を全うした従業員個人を「悪人」と決めてかかることができるでしょうか。

このように、映画「ハンナ・アーレント」は組織の中で迷いや葛藤と闘いながら働いてきた人々に深い共感を呼び、異例のヒット作となったと考えられるのです。

ビジネスパーソンとして観る「ハンナ・アーレント」

映画「ハンナ・アーレント」は、1人の哲学者が信念を持って発言し、世界中から非難されながらも反論を試みた記録として観るだけでも十分に楽しめる作品です。

しかし、この映画をビジネスパーソンとしての視点から観ることで、またひと味ちがった側面が垣間見えるのです。

ビジネスパーソンとして観る「ハンナ・アーレント」について、ここでは3つの観点をお伝えします。ぜひご自身の立場に当てはめながら、歴史的な事件の当事者になったつもりで作品に向き合ってみてください。




組織に属する者にとって「仕事に誠実に向き合う」とはどういうこと?

管理職・マネージャーの皆さんは、日々仕事に対して誠実に向き合っていることでしょう。経営陣の方針を具現化し、現場との橋渡し役として奔走する管理職は、難しい判断や舵取りを求められることも多いポジションと言えます。

では、組織に属して働く人にとって「仕事に誠実に向き合う」とはどういったことを意味しているのでしょうか?

ときには上役の方針に疑問を抱きつつ、現場に指示せざるを得ないこともあるでしょう。

必ずしも最善とは言えない解決策を提示されたとしても、組織の方針であるからには従わざるを得ないこともあるはずです。このようなとき、自身の本心に従うべきなのか、本心を押し殺して調整役に徹するべきなのか、迷いが生じることもあるでしょう。

自分自身を押し殺そうとするあまり、ハンナの言う「思考の放棄」に陥ってしまわないようにしたいと、おそらく誰もが願っているはずなのです。

組織の将来を左右する重要な判断を迫られたとき、自身の内なる声に従うべきか、組織としての在り方を優先するべきか——。「仕事に誠実に向き合う」とは一体どういうことなのか、アイヒマンに対するハンナの分析に、思わずハッとさせられるかもしれません。




世の中の常識を信じること・常識を疑うことの意味と責任

ハンナの「悪」に対する論考は熟考に熟考を重ねた末の結論であり、ハンナにとっては十分に理屈の通ったものでした。

ところが、ハンナの思考プロセスを1つ1つ見てきたわけではない一般の人にしてみれば、極悪人であるはずのアイヒマンを擁護する発言と受け取られても仕方がない面がありました。

多くの人が共通認識として持っている常識に反する発言をすると、たいてい批判や非難にさらされます。
このとき、発言した本人には説明責任を全うすることが求められます。

ハンナは哲学者であり、いわば考えることが仕事だったわけですが、会社員にとって「常識に反する発言をすること」「非難に対して理路整然と説明し納得してもらうこと」は、決して低いハードルではありません。

批判に対して毅然とした態度で反論を試みるハンナの姿勢は、常識を疑うこと・意見を表明することの意味と責任の重さを私たちに伝えているかのようです。




思考を緩めず追究し続けること・他者の感情を考慮に入れること

世界中から浴びせられる批判は、大量の抗議の手紙となってハンナのもとへ届けられました。作品中では、それらの手紙一通一通にていねいな返事を書くハンナの姿が描かれています。

ハンナは哲学者として自らの信念を貫きましたが、誰かを傷つけたり否定したりすることを望んだわけでは決してありませんでした。

自らが執筆した記事が大きな反響を呼ぶと同時に、記事を読んだ人の中にはショックを受け、傷ついた人もいたことを知り、ハンナはいたたまれない気持ちになったのです。

思考を緩めることなく追究しつづけることは、ビジネスパーソンにとって求められる資質の1つです。

しかし、自らの考えを貫き通そうとするあまり、身近な人を傷つけたり、信頼してくれる顧客や取引先を裏切ったりするようなことは決してするべきではありません。

「理屈が通っているか」「正しいかどうか」だけでなく、伝わり方によっては他者の心を傷つけるのではないか、といった視点も必要になることがあります。

批判の手紙に返事を書くという1人の人間としてのハンナの行動は、他者の感情を考慮に入れることがいかに重要なのかを示唆しているのかもしれません。

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まとめ)「ハンナ・アーレント」は組織で働く全ての人におすすめの映画

映画「ハンナ・アーレント」は哲学者にまつわる論争を描いた映画であり、戦争の歴史という主題も含まれています。

しかし、ふだんこうした分野にそれほど高い関心を寄せていなかったとしても、世間の批判から逃げることなく立ち向かっていくハンナの姿に心を揺さぶられることは必至の魅力的な作品となっています。

また、ビジネスパーソンとして組織とどのように対峙していくか、自身の信念を貫く上でどういった責任を負うことになるか、といった視点で鑑賞した場合も、有益な教訓を得られる作品と言えるでしょう。

映画「ハンナ・アーレント」を鑑賞することを通じて、組織で働く1人の人間として自らとじっくり向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

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