「マネージャー/管理職」と「役員」って何が違う?特徴・ポイントを紹介

[最終更新日]2019/08/06

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会社の規模が大きくなればなるほど、役職者の数も多くなります。

マネージャーである管理職も役職者の一つですが、企業にとって役員は一線を画す存在です。

とはいえ、「役員」「執行役員」「取締役」「経営者」の役割の違いについて、正確に説明できる人はそれほど多くないはずです。

そこで今回は、マネージャーを含めた管理職と役員の違いについて、特徴も踏まえて説明したいと思います。

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目次

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まずは「役員」の定義を知ろう

マネージャーを含めた管理職との違いを知るうえで、役員の定義を理解しておくことが大切です。

そこでまず、役員の定義について「会社法」という法律も含めて説明します。

また、役職によって立場や役割も変わるので、一つずつ具体的にご紹介しておきましょう。

会社法で定める「役員」とは

平成18年に「会社法」が施行されました。
会社法は、会社の設立や運営、仕組みなどについて定めた法律のことです。

この会社法のなかで、「役員」が定義されています。

会社法329条によると、会社法における役員とは「取締役」「会計参与」「監査役」のことをいいます。
さらに会社法施行規則では上記の役員だけでなく、「執行役」「理事」「監事」なども含まれています

一般的には執行役員も役員と解釈されることが多いようですが、それは間違っています。
会社法で定められている役員は、企業の中心的な役割を担い、組織運営や管理監督を行う責任を負う組織を指すのです。

役員は社員ではなく、企業の意思決定を行う、あるいは代表を担う機関といえます。
そうした機関は役員に限らず、「株主総会」や「取締役会」も同様です。

また、労働基準法でみると、従業員である管理職は勤務先の企業と雇用関係にありますが、役員は違います。

役員は株主から経営を委任されており、会社では労働者ではなく使用者にあたるのです。

代表取締役、取締役、監査役、執行役員、管理職それぞれの定義

役員(会社法)
取締役 会社の重要事項や方針を決定する権限を持つ
監査役 取締役の業務執行や会計を監査する
会計参与 基本的には税理士もしくは会計士が担当する
従業員
執行役員 決定した重要事項を実践する役割を担う
本部長・事業部長・部長・次長・課長・係長・主任

役員と従業員と呼ばれる労働者では、雇用形態や役割がまったく違います。

前章でも触れましたが、役員は従業員の使用者です。会社の経営を委任され、役員報酬を得ています。そのため、企業の経営責任を負います。

一方の従業員は就業規則に則り、指揮命令に従って業務を遂行することで賃金を得ています。そのため、会社の経営に関する責任を負うことはありません。

では、会社法で定められているさまざまな役職の定義について、詳しく説明していきましょう。

取締役

株式会社は会社法でその設置を義務付けられた機関で、業務を執行するための意思決定を行う際に参加する人を指します。
具体的には「代表取締役」「専務取締役」「常務取締役」「社外取締役」などです。



監査役

取締役や会計参与の仕事内容を監査する役割として、任意で設置される機関です。
取締役と会計参与が作成した決算書類をチェックする「会計監査」と、取締役の仕事に違法性がないかをチェックする「業務監査」を担います。



会計参与

企業の決算書類を取締役と共同で作成するために、任意で設置される機関のことです。
会計参与になるためには、公認会計士や税理士の資格を持つか、監査法人あるいは税理士法人である必要があります。
会社の賃借対照表や損益決算書といった計算書類を、適正に確保する役割を担います。



執行役員

執行役員は正式には役員ではなく、従業員に分類されます。
取締役会で決定した業務を遂行するために、与えられる役職名を執行役員というのです。
あくまでも業務のプロフェッショナルであり、経営者ではありません。
そのため企業に損失を与えても、役員と同様に損害賠償を請求されることは、基本的にないとされています。



管理職

本部長をはじめ事業部長、部長、次長、課長、係長、主任などは、管理職になります。
管理職は従業員に分類され、会社の業務を効率的に遂行するために、組織運営と部下の管理責任を負う立場の労働者を指します。

「役員」と「管理職」の違いとは

役員と管理職以下とでは、「雇用形態」が違う

役員は委任機関で、管理職は従業員であることは、すでに理解できたと思います。
この違いは、雇用形態にもあらわれます。

企業に就職する際、労働者である従業員は雇用契約を結びます。管理職も従業員であることは前述しましたが、この契約により雇用保険の対象となり、万が一の時には労災が適用されます。
しかし役員は、企業と任用契約を結びます。これはあくまで会社との委任契約で、雇用保険の対象外のため、労災も適用されません。

そして、報酬にも違いがあります。
管理職を含めた従業員給与は法人税法上、月給だけでなく賞与も含めて損金として計上することができます。

ですが、役員が受け取る役員報酬は、すべてを損金として計上することはできません。
それは、役員が「定額同額給与」と「事前確定届出給与」以外にも、突発的に賞与を支給されることがあるからです。
「定額同額給与」と「事前確定届出給与」は損金計上できますが、突発的に支給される賞与は認められません。
これは企業が大きく黒字を出した際、役員報酬を自由に変更できるようにしたうえで損金計上すると、利益操作にあたってしまうからです。

こうした違いも、覚えておきましょう。

役員と管理職以下とでは、「責任の追及のされ方」が違う

役員と管理職を含めた従業員の一番の違いは、その責任範囲です。

混同されていることが多いのですが、社長や専務という役職についていても、取締役でなければ、法律上は従業員とみなされます。
従業員の場合、業務上横領など責任を負うべき理由がなければ、個人の責任を追及されることはありません。

しかし、代表取締役だけでなく、取締役全員が、個人として違法行為に加担していなくても、会社が起した不祥事に対する責任を追及されます。
それは、取締役が会社の違法行為を監視する役割を担い、役員報酬を得ているからです。
そのため、企業が違法行為を行った結果、損害を被った場合、取締役は賠償責任を負います。

会社法では

  • 役員等が任務を怠り株式会社に損害を生じさせた場合
  • 取締役の違法な自己取引により、個人的に利益を得た場合
  • 利益相反取引により企業の損害を与えた場合
  • 役員等が職務を遂行する際に悪意や重大な過失があった場合

には、取締役等の損害賠償責任を負うと定めています。

管理職から執行役員または役員に昇格する際の注意点

マネージャーを含めた管理職として働く従業員のなかには、いつか役員になりたいと考えている人もいることでしょう。
ですが、役員は役職ではありませんので、昇進にはあたりません。

役員になる際に、従業員としての雇用契約を終了し、会社と任用契約を結ぶことになります。

また従業員とは違い、役員の責任範囲は広く、重くなります。
そこで、管理職から執行役員や役員に昇格する際の注意点について、まとめておきましょう。

役員の契約形態と責任範囲はしっかり把握しておこう

これまでも何度か説明してきましたが、役員は企業と雇用契約ではなく、委任契約を結びます。
社会保険には加入できますが、雇用保険は適用されません。そのため、失業手当や労災も受けられないのです。

また、会社が倒産した際に報酬の未払いがあっても、国の未払金立替制度を利用することもできません。

さらに、負うべき責任は広範囲にわたります。
大きく分けると「会社に対する責任」と「第三者に対する責任」です。

まず会社に対しては、役員の任務を怠ったことで生じた損賠を賠償する「任務懈怠責任」を負います。
これは、役員には民法上の「善菅注意義務」があるからです。
善管注意義務とは、善良なる管理者として注意をもって重要な業務を遂行しなければならないというものです。
そのため、「競業避止義務」や「利益相反行為」が禁じられています。

次に第三者に対してですが、役員の放漫経営により会社が破産してしまい、売掛金や貸付金の回収ができなくなった場合や、取締役が悪意や重大な過失がある行為を行った際に、第三者が損害を受けることがあります。
その際、役員は損害賠償の責任を負います。

役員を引き受けるからには、その点をしっかり理解しておくことが大事です。

役員に求められる知識・スキルを磨こう

会社に勤めたからには、役員を目指したいという向上心を持つ管理職もたくさんいます。
ですが、企業で役員になれる人数には限りがありますし、相応のスキルも必要です。

役員を目指す管理職が磨くべき知識やスキルは、以下の通りです。

  • 会計・経理・決算書の知識
  • 法律の知識
  • マーケティングの知識
  • コミュニケーションスキル、プレゼンスキル
  • 論理的思考力

まず、会計・経理・決算書の知識です。
ここで勘違いしないでほしいのは、決算書がつくれるスキルが必要なのではなく、読んで内容を理解できる力が求められることです
資金をどのくらい投入し、その結果として利益がいくら出ているのか、そのすべてを自己資金でまかなえるのか、借り入れが必要なのかを判断しなければならないので、賃借対照表と損益決算書は読めるようにしておきましょう。

次に、法律の知識です。企業を経営するうえで、法的な知識が必要になる場面がたくさんあります。
まず、さまざまな契約書が法的に問題がないか、自社が不利になることはないかを判断できるスキルが不可欠です。

また、新規事業を立ち上げる際に許認可が必要かどうかも、理解しておかなければなりません。
薬事法や食品衛生法、景品表示法、個人情報保護法、労働基準法など、業務上必要な法知識は勉強しておきましょう。

そして、マーケティングの知識です。これは、先見性を持つ意味でも重要な要素です。
現在の業務についてだけでなく、その事業の将来性や収益性を判断するうえでも、市場や競合他社の状況をきちんと把握できる力が不可欠です。

さらに、コミュニケーションとプレゼンのスキルです。
役員に求められるコミュニケーションスキルは、企業の経営方針を従業員に適切に情報を伝達できる力です。
さらに、自社の商品のエンドユーザーに対しても、同じスキルが求められます。

また、プレゼンスキルは社内はもちろん、社外の取り引き先との間でも発揮することが求められます。
適切な企業経営を行うためには、コミュニケーションにより関係者一丸となって目標に向かう組織づくりが不可欠です。
企業や自分の考えを周知徹底できるよう、コミュニケーションとプレゼンという2つのスキルを使い分ける練習をしておくべきです。

最後は、論理的思考力です。経営判断をするにあたって、重要なのは利益だけではありません。
取引先との関係や既存事業の撤退、新規市場への参入、業務の効率化やコストダウンなど、決定すべき事項は多岐にわたります。
その判断の根拠となるデータや実行力など、複合的な視点で決定を下すためには、論理的思考力を磨く努力が必要なことを覚えておきましょう。

まずはBESTよりもBETTERを目指す

マネージャーなどの管理職から、役員に上りつめることができる人は、ほんの一握りです。
ですが、経営陣である役員に共通する資質はありません。

管理職が役員を目指すなら、まず必要な知識やスキルを磨く努力を続けましょう。

その際、役員になりたいなら、代表取締役のイエスマンであることも重要なポイントです。
会社経営の際に最も重責を担う代表取締役の決定を、迅速かつ忠実に実行できる人が、役員として選ばれる確率が高いからです。

例え代表取締役の決断が間違っていると感じても、実行すると返答したからには、失敗を覚悟のうえで取り組む必要があります。
最終的な責任を問われるのは代表取締役ですし、失敗を糧とできれば、その後の仕事に大いに生かせます。
何より、実行までにかかる時間が短ければ短いほど、役員に近づくことができるのです。

そう考えると、BESTを尽くすことよりも、どんな事態にもフレキシブルに対応できるよう、BETTERな選択を心がけることをおすすめします。
BESTの方法を実行するために根回しに時間をかけるなら、BETTERな方法を用いて短期間で結果を出す方が評価されるからです。

そうした広い視野にたって、仕事に取り組む姿勢を持ちましょう。

役員を目指すなら、責任範囲と必要なスキルを理解しよう

今回は、マネージャーを含めた管理職と役員の違いについて、特徴も踏まえて説明しました。

この記事をまとめると

  • 会社法により役員や従業員は定義されている
  • 役員と従業員は雇用形態も報酬も異なる
  • 役員にはメリットだけでなくデメリットもある
  • 役員は資質ではなく、スキルを磨くことで目指せる

の4つです。

管理職から役員を目指す際には、経営者に求められる資質を磨く努力を、周囲の評価に捕らわれずに続けることが大切です。
この記事を参考に、自分が何をすべきかについて考えるきっかけをつかんでくれたらうれしいです。




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