【おすすめ映画】「永い言い訳」働く人たちに改めて観てほしい映画#1

[最終更新日]2020/09/11

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「管理測・マネージャーが是非見ておきたい映画特集」第一弾で紹介するのは、2016年に公開された邦画「永い言い訳」。

主演は、本木雅弘さん。そのほか、深津絵里さんや池松壮亮さん、黒木華さんなど実力派俳優の方々が出演されています。

ですが、この映画の見どころはやはり、才気あふれる小説家兼映画監督、西川美和さんの類まれなる情景描写。
一つ一つのシーンの、登場人物たちの表情や言葉から、混沌として割り切れない、それでいてリアルな感情が伝わってきます。
そして、観終わった後は、不思議と清々しい余韻に包まれることでしょう。

細部まで丁寧に創り上げられた、悲しくて優しい物語。「まだ観ていない」という方は、是非!お薦めです。





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映画『永い言い訳』の概要

タイトル 永い言い訳 (英題:THE LONG EXCUSE)
公開日 2016年10月14日
上映時間 124分
映倫区分 PG12
オフィシャルサイト https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/1481
スタッフ 監督・原作・脚本:西川美和
制作:川城和実、中江康人
キャスト 本木雅弘
竹原ピストル 藤田健心 白鳥玉季 堀内敬子
池松壮亮 黒木華 山田真歩
深津絵里
 

『永い言い訳』ってどんな映画?

さて、まずは『永い言い訳』の原作者兼監督である、西川美和さんの以下コメントをご紹介します。

監督の西川美和さんのコメント(一部抜粋)

幸夫(主人公─本木雅弘)は、内面性がこうであってはいけないな、という性質を集めたような男ですね(笑)。

私自身もそういう部分をたくさん持っていますし、他人のそういうところに敏感だったりもします。

ただ、みんなそれを隠したり上手くコントロールしながら生きているのですが、自分の中にそれを発見して、狼狽えたり葛藤したりするのもとても人間らしいことだと思うので、今作では、人間が持っていて美しくないような要素を集めた人物を書きたいと考えていました。

引用:BOOK SHORTS 「西村美和さんインタビュー」より

本木雅弘さん演じる主人公の「幸夫くん」は、上記コメントにあるように「あまり良くない方の内面性を集めたような男」です。ですが、この映画の秀逸なところは、そんな主人公に誰しもが「親近感」を持ってしまうこと。

おそらく、人は誰しも心の奥底では「人としてとても褒められるものではない」暗澹たる感情や想いがあるものでしょう。ですが、それを表に出すべきではないことは皆分かっているので、それが顕在化されて問題になることは、普段はあまりない訳ですよね。

でも、主人公はそれが(たまたま)顕在化されてしまった。──とはいっても、世間に知られてしまったり、マスコミに嗅ぎ付けられてスキャンダルになったという訳ではありません。
ただただ、幸夫の内面で大きく育っていた「美しくない要素」に、自分自身で気づいてしまったのです。

そして、その気づきからの苦悩と葛藤、そして諦め──様々な感情を通り越し、主人公はある心境に達します。

それは、「人生は他者(の為にある)」ということ。

映画『永い言い訳』の名シーン ※ ネタばれあり

(C)永い言い訳 製作委員会 オフィシャルサイト

幸夫(主人公 本木雅弘)は著名な小説家で、世間からも評される存在だった。だが、一方で家庭では妻の夏子(深津絵里)にはいつも冷たい態度で、出版社の編集の女性(黒木 華)と不倫関係にあった。

そんな折、夏子は友人と出かけたバス旅行で事故に遭い、命を落としてしまう。

 

事故死した妻の遺品の、携帯電話を開いた幸夫。

そこには、書きかけのメールが残されていた。


もう愛してなんかいない。

ひとかけらも。

──衣笠夏子(深津絵里)

その後、ひょんなことから自分と同じく遺族となった大宮(竹原ピストル)の子どもたちの世話を引き受けた幸夫。

世間体や「妻への不貞、不義理」が露呈される恐れを感じながら彼らの面倒をみていた幸夫だったが、次第に子どもたちへの愛情を感じるようになる。

ある日そんな想いをマネージャーの岸本(池松壮亮)に打ち明けたとき、岸本はこう応えた。


わかりますよ、それ。
「育児」って、男の免罪符ですからね。

──岸本信介(池松壮亮)

大宮(竹原ピストル)は幸夫の手助けもあって、過去の不幸からようやく立ち直り、新たな人生を歩み始めようとしはじめていた。

一方で、幸夫自身は孤独感や疎外感から抜け出せずにいた。そして、自分と違い一歩一歩と進んでいく大宮に嫉妬してか、段々と情緒不安定になることが多くなり、大宮に対しても乱暴な言動を取ってしまう。
それでも幸夫を慰めようとする大宮に対して、幸夫は更に自ら追い打ちをかけるように──。


頼むから自分の尺度だけで幸せを言わないでよ。
僕の子供なんて欲しくなかったですよ。あの人は。で、欲しくないまま死にました。アハハ、何の話?これ。

──ボクは夏子が死んだとき、ほかの女と寝ていたんだよ!夏子が凍り付いた海に沈んでいくときに、ほかの女と!──君とは全然違うんだよ!

──衣笠幸夫(本木雅弘)

それでも、幸夫にとって大宮とその子供たちは「自分が失いかけたもの」を気づかせてくれる存在だった。
大宮が仕事中に交通事故に遭ってしまったときも、一番に大宮の子達のところに駆けつけたのは幸夫だった。

 

大宮の子の慎平(藤田健心)から「父さんが事故に遭ったのは、ボクが父さんに『母さんの代わりに父さんが事故れば良かったんだ』と言って傷つけてしまったからだ」と打ち明けられたとき、幸夫は彼に優しく諭す。


生きてりゃ色々思うよ、皆。

でもね、自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。

見くびったり、おとしめちゃいけない。

そうしないと僕みたいになる。

僕みたいに、愛していいはずの人が誰もいなくなる人生になる。
簡単に離れるはずないと思ってても、離れるときは一瞬だ。

だからちゃんと君らは握ってて。

──衣笠幸夫(本木雅弘)

映画『永い言い訳』と小説『こころ』の共通点

私が『永い言い訳』を観て思い出したのは、夏目漱石の代表作『こころ』でした。

「こころ」では、作中の人物「先生」は若かりし頃、寝食を共にした親友「K」と同じ女性に恋心を抱いてしまい、恋の行方は「先生と女性の婚約」と辿ります。

そして、そのことを知ったKは数日後自殺してしまう──というのがこの物語のハイライトシーンなのですが、そこで先生は死んだKを目の前にしてまず取った行動は「(Kの)遺書に何が書かれているかを確認すること」でした。

そして、Kの遺書に自分に都合が悪いことが何も書かれていないことを確認した先生は、その遺書を


わざとそれ(遺書)をみんなの目につくように、元のとおり机の上に置きました。

『こころ』 先生の遺書より (夏目漱石)

としています。

──つまり、親友の死を目の当たりにしながらも、先生は「保身」に走ってしまったのです。

そして、その行動もまた(Kを自殺に追いやってしまったという「罪の意識」をさらに覆い広げるように)、先生自身のこれから先の人生を苦しめ続けることとなります。


映画『永い言い訳』における主人公の「幸夫くん」もまた、奥さんを亡くした後取った行動の多くは「保身」によるものでした。

ネットで自身への誹謗中傷がないかをチェックしたり、奥さんの携帯電話をチェックしたり。
同じく遺族となった大宮家族の面倒を観たりといった行動も、言ってしまえば「保身」からの意識も少なからずあったでしょう。

ですが、一方で小説『こころ』と映画『永い言い訳』の決定的な違いは、『こころ』は最終的に「先生が自殺する」という事態へと緩やかに進行していくのに対して、『永い言い訳』の幸夫くんは、これまたゆっくりとではありますが、「再生への歩み」へと進行します。


小説『こころ』は「人が持つエゴ(利己)と、それゆえの孤独」を扱った物語でした。対して映画『永い言い訳』は、「孤独(喪失)から育まれる、利他への想い」と表現することもできるのではないだろうか──、と私は思います。

とはいっても、『永い言い訳』は「痛いところを突いてくる」ような映画というよりかは、「人って、人生って、そういうものだよね」と思わせてくれる映画です。

周囲の人に対して、そして自分に対しても、もう少しだけ優しく接していこうと、そんな気持ちにさせてくれます。

だからこそ、この映画を観終わった後に、ある種の清涼感を持つことができるのでしょう。

 

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